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廣瀬まなみの人生入魂 壱の巻

今夜は、チャンポン\(^o^)/

チャンポン美味しいですよねぇ!

九州は、長崎チャンポンが定番なんですが、調べてみると、各地にご当地チャンポンが!?

ググって、いろいろレシピを探して作ってみたんですが、わりとあごだしベースのチャンポンとかも美味しくて、新発見でしたヽ(*´∀`*)ノ

最近の流行りは、半熟目玉焼きを載せることです゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜


お前の前書き、長いよって感じですね(笑)

すいません( ω-、)


それでは、本編をどうぞっ\(^o^)/


☆☆☆☆☆

追記

所用でバタバタしておりまして、投稿が遅くなっております。

7日、水曜日の夜から再開します。

申し訳ないです!

もう少しお待ちください!


☆☆☆☆☆





 私、廣瀬まなみは、廣瀬家の末っ子として産まれた。

 兄が三人に、姉が一人、そして、末っ子に私。


 私のお祖父様、廣瀬泰三はダンジョンキーパー界の重鎮であり、特区協会の現会長を務めている。さらに、私の父もダンジョンキーパーの一人として仕事をしていて、廣瀬家は、ダンジョンキーパー一家として、知られている。

 ただ、父と母は、いわゆる政略結婚だったらしく、母だけはダンジョンキーパーに関わりがない。


 そんな廣瀬家に産まれた兄達は、幼い頃から英才教育を受け、将来優秀なダンジョンキーパーになるべく育てられていた。


 そんな中でも、母の意向もあり、姉と私だけは、蝶よ花よと育てられた。

 具体的には、()()()()()()()()()をさせられたりとか、着せ替え人形かのように、とっかえひっかえ服を着せられたりとかしていた。

 私にはその時間が苦痛だった。


 むしろ、幼い頃の私が楽しいと思えたのは、兄達との時間だった。

 最初は、兄達に構って欲しくて、道場に行ったりしていたのが、兄達がDKになるべく鍛えられたりしている姿を見ていて、ちょっと体験したりするのが、次第に楽しくなっていったのだ。

 そして、まなみもDKになりたい、鍛えたいと思った。

 思ってしまった。


 だけど、親は認めてくれなかった。

 特に母親は、頑なに認めてくれなかった。

 女の子がやる仕事じゃない。あなたは綺麗なんだから、そんなことする必要ないのよ。とか、勝手に言ってくる。


 それでも、諦めきれない私は、こっそりと兄達の協力の下、自分だけでもできるトレーニングをしていた。

 しばらくは、親にトレーニングがバレることもなく、母に怪しまれることがないように、習い事も頑張った。


 でも、小学五年生のある時、兄達とトレーニングしているところを母親に見つかってしまった。

 当然、こっぴどく怒られ、そして、大喧嘩になった。

 私は、母を泣かせてしまった。


 まだ子どもだった私は、どうしていいのかわからなくなった。意固地になって、庭で余計な運動をして、転けた。

 足を擦りむいて、私も泣いた。


 そんな時に、お祖父様が庭に現れた。

 当時のお祖父様は、特区協会の一役員として、全国を忙しく飛び回っていた時期だったはずなのに、あの日はなぜか家にいた。

 お祖父様は、私の手当てをしてくれてから、ゆっくりと私が泣き止むまで、側にいてくれた。それから、私がポツポツと話すことを、急かすこともせずに聞いてくれた。

 

 私が言いたいことを言い終わって、ただしくしくしている間、お祖父様は目を閉じて、考え事をされていたように思う。

 あの時の横顔は、今でもなんとなく思い出せる。


 そして、しばらく経って、ゆっくりと目を開けたお祖父様は、私に言った。


 ダンジョンは、怖いところだ。何が起こるかわからない。悲しいことも起こるかもしれないし、痛い思いをするかもしれない。それでも、ダンジョンキーパーになりたいのかい?と。


 私は、頷いた。

 あの時すでに、私の夢はダンジョンキーパーになることに固定されていた。


 お祖父様は、再び短い時間目を閉じてから、開いた。

 そして、私と約束をしようと言った。


 そこまでDKになりたいのなら、頑張りなさい。

 誰よりも頑張って、必ずDKになりなさい。

 私も、影なから応援しよう。

 ただし。

 その代わりに、中途半端なことはしないと約束しておくれ。

 そして、廣瀬の娘として、一流のDKになりなさい。

 一流のDKは、文武両道を修める必要がある。

 文武両道、その実力で、親を、そしてお祖父ちゃんを認めさせてみなさい。

 それが、約束できるかい?と。


 まだ若い頭は、難しいことを想像できるわけもなく、だけど、夢へのエネルギーだけは溢れていて、その心のままに、私は頷いていた。

 そして、お祖父様と約束をした。


 それから、お祖父様は私を母のもとへ連れていって、母の説得に力を貸してくれた。母は、納得はせずも、渋々という感じで、私がDKを目指すことを認めてくれた。


 それからの私は、ひたすらに勉強し、ひたすらに特訓の日々を過ごした。その時間が、とても楽しかった。


 元々、勉強の成績も悪くはなかったのが、それまでよりも頑張るようになったためか、成績順もだんだん上がっていき、学年で一番を取れるようにもなっていた。

 頑張れば頑張るほど、結果がついてくる。

 密かに兄達と特訓していたこともあって、運動も得意だった。


 当時の私にとって、その努力は苦ではなく、むしろ、楽しい遊びですらあった。

 小学校の時は、クラスのみんなもすごいねぇと褒めてくれていた。

 それでも、母だけは、褒めてくれなかった。

 

 中学生になった。

 身体も成長していき、制限されていたトレーニングも、少しずつ解禁されるようになって、私はさらにのめり込んでいった。


 そんな中学三年のある日、クラスの中川君に放課後呼び出された。

 私のことが好きだと言われた。

 即答だったと思う。

 ごめん。


 中川君は、私もイケメンだと思う。

 でも、当時の私は恋愛に興味がなかった。

 次の日から、私を見るみんなの目が変わった気がした。


 気づけば、遊びもろくにせず、恋も経験することなく、私は青春と呼ばれる時間を過ごしていた。

 でも、私はそれで良かった。

 私がやりたいことをやっている結果がそうなっただけだと思った。

 兄達や教えに来てくれる先生達もいたし、私は寂しくはなかった。

 

 DKになるんだ!という強い気持ちで、とにかく前に前に進んだ。


 高校生になった。

 母とは、もう話すこともなくなっていた。

 必要なことは、姉を通して伝達していた。

 姉の困った顔を思い出すと、申し訳なかったなと思う。

 母親は、それでもすれ違い様に、ちくちく小言を言ってきた。

 私は、一人立ちしたかった。

 だから、親や兄姉の反対も押し切って、遠く広島の四校に行くと決めた。


 進路相談で、担任に聞かれたことがある。

 ダンジョンキーパーになって、何がしたい?


 私は、答えられなかった。

 

 私はただ、一流のダンジョンキーパーになるために、一番であり続ける。そのために努力をしてきたし、これからもそうであり続けるんだろうなと思った。

 その頃には、一番であることが当たり前で、楽しいと思うことはなくなっていた。


 お祖父様とは、あの約束をした日以来、ほとんど会うことも、話すこともなかった。

 なぜなら、私と約束をしたそのすぐ後に行われた会長選挙に急遽出馬したお祖父様は、会長に当選。すでに役員として忙しく飛び回っていたのに、さらに精力的に動きだして、ほとんど家に帰ってくることがなくなったからだ。

 私は私で、忙しかったために、たまにお祖父様が帰ってきた時も、私が時間をつくれなかった。

 それでも、数度お会いした時、お祖父様は静かに私の目を見て、頷いてくれた。約束を忘れてはいないよ。と言ってくれていると思った。


 そして、私はDK大学に主席で入学し、それからも、がむしゃらに頑張った。

 男子学生がくだらない目でじろじろ見てくることもあったけど、一睨みすれば、散っていった。


 そんなある日、とある噂を聞く。

 『普通は、どんなエリートでも、深層管理部の二課や三課からスタートなのに、とある特区で十数年前にただ一人、一課の一班にいきなり配属された先輩がいたらしい。一課の一班とは、エリート中のエリート。全管理部の中でも、一番優秀な人が集まる班であり、憧れの班。そんな一課の一班に、新人でいきなり配属になった先輩がいた。』

 私は震えた。

 その人に会いたいと思った。

 私の目指すべき場所が決まった。

 十数年前に新人だったなら、今頃その人は班長になっていてもおかしくない。


 廣瀬の娘として、一流と認めてもらうためには、一課の一班に入ることが、何よりも証明になる。

 もし可能なら、その人の下で深層管理部の一員として、鍛えてもらいたい。

 その人みたいにいきなり一課の一班に入れるように頑張るんだ!と、さらに頑張った。


 そして、もちろん目指すは()()()のいる特区。


 大学を主席のまま卒業した。

 そして、例の特区にも合格した。

 東京から広島へ、そして、九州へ。

 ここで、私は一流のダンジョンキーパーになるんだ。



 そして、実地研修が始まった。


 正直、地獄かと思った。


 DK大学を出て、違う地域の特区にいきなり入ることは珍しく、その特区には知り合いは誰もいなかった。

 むしろ、同期達は五校からの連れ合いが多く、私だけが浮いていた。

 五校からのメンバーは、もうある種のカーストみたいなものができていて、めんどくさい五校の主席、宮地もいた。

 何が気に食わないのか、同期の男達は、ちょっかいをかけてきた。特に、宮地は、うざかった。


 四校にいた頃は、割りと楽しかった。

 DK大学に入るということは、みんなダンジョンキーパーを目指しているということで、みんなライバルでもあり、仲間でもあった。人生で初めてと言っていいくらいの親友もできた。ぶつかりあうこともあったけど、四校時代の私は恵まれていた。


 その親友に言われたことがある。

 『あんた美人なんだから、気を付けなよ。男はちゃんと選びなよ』と。


 男がじろじろ見てくるのは、そういうことなのかもしれないと思った。くだらない。

 私は、そんなことに興味はなかった。


 同期の男達がうるさいのも、そういうことなのかもしれない。でも、私からすれば、やっと特区に入れて、今からさらに頑張ろうとしている所を、邪魔されているような気分だった。

 そう思うと、私もイラッとして、当たりが強くなってしまった。なんで、みんなもっと真っ直ぐに頑張れないのかと。

 訓練での同期とのぶつかりあいも激しくなった。

 遠慮なく、みんなを投げ飛ばした。

 同じ特区の仲間になれると思ったのに、私は一人だった。

 

 そんな時に、ふと、もなかまちゃんふりかけを食べたくなった。幼い頃に、兄達と食べたふりかけが懐かしくなって、買いに出た。

 寮の売店には売ってないとわかり、ふらりと特区の近くのロミマへ行くことに。髪も雑にまとめただけ、服もざっといつもの普段着なことに、一瞬迷ったが、ちょっとそこのコンビニまで行くだけだと思い、そのまま出掛けた。


 そして、棚にふりかけを見つけて、最後の一つを手に取ろうとしたところで、知らない男性も同じふりかけに手を伸ばしてきた。

 こんな同じタイミングで、もなかまちゃんふりかけを取ろうとすることがあるんだ。と、ポカンと男性を見つめてしまった。


 目があった。

 ポカンと見つめながら、この人、同い年くらい?

 かっこいい。とぼんやり思った。


 その瞬間、急にグワッときた。

 なぜだか、少し体温が上がって、心拍数が上がるのがわかった。


 その男性がニコッと笑って、何か言った。


 顔があつい!!

 なに、これ?!体感したことのない身体の感覚に驚くと同時に、唐突に自分が雑な姿でコンビニまで来ていることを思いだして、恥ずかしくなった。それに、いい歳して、もなかまちゃんふりかけって!?


 何か言わなきゃと思って、変なことを言ったりして、さらにテンパってしまう。

 内心、どうしていいかわからなくなっていた。

 パニックにならないための訓練も受けてきていたのに、どうしたの私!?と、さらに思考がグルグルしてしまう。

 もう、もなかまちゃんどころじゃなかった。


 でも、帰ろうしたら、はんぶんこしようと男性が提案してくれた。 

 そして、はんぶんこした。

 そして、結果として、男性が子持ちの年上だとわかった。

 自分はなにをしてるんだと、一気に気持ちがわからなくなった。

 でも、ドキドキは残っていた。

 そして、そんな気持ちを誤魔化すようにふりかけを選んで、ただ感謝の言葉を言いたかったのに、気持ちがこんがらがって、知らない男性なのに、余計な弱音をはいてしまって、そのことに自分でびっくりして、恥ずかしくなって、急いで帰った。


 寮の部屋に戻ってから、もんもんした。

 なんで、あんなこと言ったんだろ!

 なんで、あんなことできたんだろ!

 と、もんもん後悔していた。

 やはり、ふりかけどころじゃなかった。


 そして、少し落ち着いてきたころに、そういえばあのロミマにいたってことは、特区の関係者かもしれないと気づいた。

 気づいて、またさらにもんもんした。

 もし、特区で再開してしまったら、どうしよう、、、

 年齢を思いだして、もしかしたら、さっきの男性が()()()()()かもしれないと、密かに期待した。


 そして、やっと研修が終わり、班への配属が決まった。

 研修でも、トップの成績を修めた。

 間違いなく、深層管理部へと配属になるだろうと思った。

 なのに、実際には浅層管理部の三課への配属になってしまった。なんでなのか、研修の担当上官へも問い合わせたが、担当上官も不思議そうに首を傾げて、上層部が決めたことだから、自分にはどうしようもない。すまない。と言われた。


 泣いた。


 泣いたけど、やることは変わらない。

 スタートは、予想と違ったけど、目指す場所は変わらない。

 悔しいけど、見返してやると思った。ここから、深層管理部一課の一班まで上り詰めると決めた。


 あの人と会うためにも。


 そして、月曜日、配属になった浅層管理部第三課の第七班へと向かった。

 すると、そこにはあの男性がいた。

 白玉という名前らしい。

 そして、七班の班長らしかった。

 こんな偶然あるのかと、胸が勝手にドキドキした。

 だけど、同時に()()()ではなかったんだと、勝手にガッカリもした。


 あの男性が班長の班に配属になったことは、とんでもないサプライズだったけど、自分が目指す場所は、深層管理部一課の一班だ。

 それは、変わらない。


 私は、この班にずっといるわけにはいかないんだ。



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