孫子の損してる戦争教授
戦術書の孫子(本名は孫武)が主人公。
史実・歴史を無視したフィクション。
孫子は中国大陸の北方、斉の国の学者だった。
40歳の時に理論を確認できないかと呉の国に移住した。
兵法13条を説いていたところ、貴族に認められて呉の王に面会できた。
呉の王
「口先だけの者などいらない。本当に実際の戦で兵法が役立てられるのか?」
孫子
「では宮廷の200人の美女を兵士として訓練させてください」
「よかろう。できるかどうか、やってみよ」
広場。
100人ずつ2組にして槍を持たせる。
基本的な受け、払い、突きを練習させるが、真面目に行わない。
「号令が行き届かないのは私の罪である」と孫子は自分の長髪を小刀で短く切った。
もう一度号令。太鼓を叩くが、わがままな女たちは従わない。
「これは隊長の責任である」
それぞれの組の隊長の腰までの長い髪を小刀でできるかぎり短く切ろうとすると。
呉の王「待て、それは」
「王は戦闘指揮官に対しては、口出しは無用に願います」と強引に切った。
新しく隊長を任命。
3回目は、やっと200人は従って槍を使った。
「これでこの200人は女ばかりといえど、兵士として働きができるでしょう」
これを呉の王は認めて、孫子(孫武)は軍師の一人として雇われる。
中国には3つの大河があり、呉の国は上から3つ目の大河の河口に首都があった。
1つ目、2つ目の大河の間、肥沃な中原に、10の国があって常に争っていた。
呉の当面の敵は、西の楚国、南の越国。
2 西の楚国との戦争
西の楚国が戦争を吹っかけてきた。
孫武は軍師として、迎撃軍に同行する。
砦を守って積極的には戦わない。守り一方。
将軍
「なぜ討って出ない?」
孫武
「砦の守りは、攻撃側の1割で可能だからだ」
そうして1ヶ月。
楚国の首都は他の国から攻められ、敵軍は救援のために退却した。
孫武
「後ろを襲うぞ。ただしかならず逃げ道を開けておいて横から討つのだ」
呉の軍は、ほとんど損害を出さず、敵の軍の半数を減らした。
そして敵国の領地を3割、呉の国に近い側を占領した。
3 南の越国との戦争
その1ヶ月後。
今度は南の越国が侵攻してきた。
孫武は援軍と共に南の国境の砦へ。
やはり砦を守るだけで積極的には討って出ない。
2ヶ月後、糧食が少なくなった越軍が退却、
後を追って追撃戦、敵の半分を討ち、南方向の領土を拡大した。
4 スパイ網
孫武は、他の国々全てと相互不可侵条約を結んだ。
こちらからも向こうからも戦は仕掛けずに仲良くしようとする約束。
孫武
「これはかならず守らなくてはいけません。信義は重要です」
呉の王
「しかし他国は信用できん。殺し合いを何度も行っている間柄だ。
どうせ破るに決まっている」
呉の国は港を持つので海での貿易をしていた。
それを他国に売る算段を考えた。
他国との貿易を強化して道路を整えて、商人が行き交った。
その中には孫武の放ったスパイたちがいた。
こうして他国の情報が孫武の元に集まる仕組みを整えた。
故郷の斉国から学者たちを呼んで政治を整えた。
どの国よりも民が暮らしやすいように税金を安くする。
農民は防衛のみの兵士として訓練、軍警察を作り、普段は警官を行い、
外征時は軍となる。
一定の割合で他人を汚し、いじめ殺そうとするウジ虫族とでも呼べる連中が存在する。
学者だった孫武はそういった連中に苦しめられたので深く恨み、
国民全員人格チェックと悪人削除法で、邪悪な性質の軽・重犯罪者を多く処刑した。
軍には民への略奪、暴力を禁じ、違反者は未遂でも死刑。
特に女性を大切に扱うように指示。
軍を、我々は正義の味方である、と洗脳。
凶暴な傭兵は使わない。
それから5年。
他国同士は戦争で争ったが、呉の国は平和を保って国力を上げていった。
5
西の楚国が、相互不可侵条約を破って仕掛けてきた。
孫武は呉の国の首都までの防衛戦を開けさせる。
楚軍は首都を攻撃。補給線が伸びたので呉の別働隊が遮断。
今回は許さず、糧食が尽きたところを攻撃、楚軍を全滅させる。
そして楚国に向かって進軍、主力を失った楚国は首都を落とされ、
滅亡して呉国の領土に変わった。
これにより大国になった呉国。
さらに貿易で経済支配、中原10カ国の盟主となる。
6
南の越国で王族同士の内乱が発生。
呉の王
「チャンスだ。攻め込もう!」
孫武
「いえ、相互不可侵条約があります。手出し無用で」
「よそから来たお主には理解できないだろうが呉と越は宿敵同士、
知り合いや親族が大勢殺されているのだ、この機会は逃せぬ。
おぬしは引っ込んでおれ!」
呉王は自ら軍隊を率いて越国に攻め込んだ。
越国の首都を包囲する。ここで越の王族は和解、
呉軍の外側をさらに大群で包囲して攻撃、乱戦になり、呉王は討たれる。
7
呉の皇太子が新王に。
南の越に対して復讐戦を挑む。孫武も軍師で同行。
今回は連戦連勝、越王を捕らえる。
呉に臣従を誓った越王を、呉の新王は許す。
しかし孫武は猛反対する。
「ここは越の王族は全員死刑にして後顧の憂いを断ち切るべきです!
この地も呉の領地に変えましょう!」
呉の新王
「孫武よ、今まで黙っていたが私はお主に恨みがある。
後宮での兵士訓練で、我が母はきさまに髪を切られ、生き恥をかかされた。
本来なら死刑を命じたいところだが。貴様は軍師としては確かに優秀だ。
今までの功績を評価して罰は与えぬ。しかし俺はきさまを使う気はない、去れ!」
君主に嫌われては是非もなく、孫武は呉国を離脱。
今までに築いたスパイ網、貿易、民衆のための政治体制、相互不可侵条約は停止した。
8
呉国は楚、越、中原を飲み込んで拡大、呉の新王は今度は孫武の故郷、
北の斉国に宣戦布告して攻撃。
故郷に戻っていた孫武は、斉国の軍師となり、城に閉じこもって防衛戦を指揮する。
南の越国の王は臣従の誓いを破って、呉国を奇襲して首都を占領、呉の王族を皆殺しにする。
激怒した呉の新王が北から軍を戻して急行。(孫武は追う余裕は無い。)
越との激戦で、呉の新王は討たれ、呉の国は滅び、越国の領土となった。
9
孫子(孫武)は戦術・戦略の天才で、負け知らずではあったが、君主との関係がうまくいかず、
呉国を小国から大国に変えたものの、結局は滅亡させてしまった。
孫子の兵法13編。
1 勝てる見込みが立ってから戦え 2 戦争の金額をできるかぎり安くせよ
3 できるだけ戦わずに目的達成せよ。戦うなら効率的に。
4 負けない体制を作り、勝てそうな時に戦え。 5 正攻法でぶつかって奇策で勝て
6 駆け引き 7 敵の弱点を突く 8 場合によって方法を変えろ
9 軍隊を整えよ 10 地形 11 地理での行動 12 スパイ 13 火攻め
手本は守谷淳「図解最高の戦略教科書孫子」、
福田晃市「「孫子の兵法」で勝つ仕事術」。




