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パラレル-魔人を滅ぼします  作者: 長瀬川
第一章
2/11

入学編②

楽しんで頂けたら幸いです。

今日から新たな学校生活が始まろうとしている


入学式が終わり生徒達は自分のクラスへと向い、先生が教室に来るまでの時間はどのクラスもそれなりに賑やかだった。


一方俺は頬杖をつきながら窓際の1番後ろの席からクラスを一望。クラスメイトたちの様子を見ていた。するとちらほら会話を楽しむ生徒も何人かいたが、その中に前の方で一際目立った3人組を発見した


目立った理由は入学式直後にも関わらず既に初対面とは思えないような親密さを醸し出しており、極めつけにはその3人のうちの1人である、うなじまで伸びた金髪ポニーテールの女の子と、またまたその3人のうちの1人である腰に届きそうな茶髪ロングヘアの女の子が、なんと言い争いをしていたのである。


なんだなんだ?と思いながらも内容が気になったので白哉は聞き耳を立てることにした


…だってやる事ないし俺話す相手いないんだもん。


そして俺は両手をそれぞれの耳に当て全身の神経を研ぎ澄まし、それを耳へと集中させた


さて、その会話の内容はいかがなものか…ほう


ゆう!そんなんだからあんた彼氏の1人や2人出来ないのよ!」

「ふん!別にいいね。優愛ゆあみたいに男騙して愉悦に浸るバカ女になるぐらいなら彼氏なんていらないさ!」

「まるで負け犬の遠吠えね!」

「そう言えばこの前私に優愛は恋愛マスターなの。って偉そうに言ってたけどさ、そもそもお前処女だろ?処女が恋愛マスター語るとか、ぷぷぷ!」

「なっ!?」


………。白哉は耳に当てていた手をそのまま周囲の音声情報を遮断するつもりで覆い、耳を塞いだ。そして一旦情報を整理した


金髪ポニテがユウ、茶髪ロングのあざと系がユアという名前らしい。ユウは彼氏ができない女の子でユアは処女だが恋愛マスターらしい。


…まあなんだ、別のところの会話を聞きに行くか


と視線をあの3人組から逸らそうとした時にユアと目が合ったような気がした。


あれ、今目があったような。言い合いの最中にこっち向くか?


と少し考えてしまったせいか再度意識があちらの3人組へと向いてしまった


そして不思議と会話の続きも気になったので、再び全身の神経を耳へと集中させた。


たまにあるよね。楽しみにして撮り溜めてたドラマが残念な程面白くないから途中切りをしようと思ってたのに、結局最後まで見ちゃうみたいなアレ。これは多分アレの1種だろう。


そして再度聞き耳を立てた


「処女が恋愛マスター語っちゃ行けない法律でもあるんですかぁ!?ほらあるなら言ってみなさいよほら。ついでに私知ってるのよ。あんた出会い系アプリをインストールしてるでしょ」

「!?!?」

「しかも本名で登録。今どき本名で登録する人間この世にいたのね!やっぱり世界は広いわね!」

「へ、へぇ!た、たしかにアプリは使ってるけど、本名で登録しちゃいけないなんてルールがあるんですか…?」

「あら、煽りにすらなってないわよ?で?そのアプリ使って何企んでるのかしら」


(でも女子高生が本名で登録なんておじさん達からすればいい個人情報だよな。それに顔はかわいいしそんなに彼氏が出来なそうには見えないけどな)


「企んでるとは失礼な!私は彼氏作って遊ぶ優愛と違って本気で無償の愛を求めているの!アガペーさアガペー!!アプリのプロフィールに一生無償の愛を捧げてくれる人探してます。って書いてる位には本気で探してんの!」


(あっ)



「そ、そう…。というか大体無償の愛ってな---「はい2人ともおしまい!そろそろ先生来る時間だよ」」


3人組の最後の一人である黒髪ショートで赤縁メガネを掛けた女の子が2人の仲裁に入ったおかげで、ヒートアップしていた2人は我に戻った。それをみた白哉はすげ〜と心の中で呟き、そしてユウと呼ばれる子がなぜモテないのかについての理由をなんとなくだが理解してしまった。




その後チャイムがなり、生徒達は席につき若い女性の先生が教室へ入ってきた。先生の話をBGMに俺は三階にある教室から見える街並みを眺めぼーっとしていた。




「-----くん? たかみやくん! 崇宮くん!!」


誰だ? 知らない女性の声が自分の名前を呼ぶ。クラスの中に俺の名前知ってる人間いたっけか、? ん? クラス??


「…っは!?」


徐々に意識が覚醒していき、自分がいままで寝ていたことに気がついた白哉は自分の名前を呼んでいたのが担任の先生だったと理解した


「やっと起きてくれましたね〜。初日から遅刻と居眠りなんてほんといい度胸してますね〜」


「あれ?先生。俺遅刻なんてしてないで--


色々あったせいで自分が遅刻していた事を忘れていた白哉はそれを思い出し、


--すみませんでしたぁ!!」


そして誠意を込めて謝罪をした。


「先生は崇宮くんの事をマークしましたからね!」

「え、ま、マーク!?」


先生は俺の事をマークすると言ったか?

その言葉を聞き、俺は過去に読んだ記事を思い出した。


女性が男性に向けてマーク宣言をしたとき、それはいやらしい意味であるとどこかの記事でよんだぞ…つまりそういう事だよな、


「そ、そんな先生。みんなの前で俺をマークするだなんて…は、恥ずかしいです」


と恥じらいながら答えたが


「…何を言っているんですか?」


と先生含め、クラスの大半が俺の言動に引いた様な音が聞こえたが、俺の前の席の奴と隣の席の奴が笑っていたような気がした。ま、どうでもいいか。


その後先生から話を聞き、寝ている間に自己紹介が始まりしかも俺の番まで既に回っていたらしい。なので自己紹介をして欲しいと頼まれた。てか俺クラスの人の名前1人も知らないのかよ…。自業自得だけど


あ、でも無償の愛と恋愛マスターは知ってるわ



こうして、いざ改めて静まった教室で自己紹介するというのはかなり緊張してしまうものだ。そして学校生活の将来はこの自己紹介から決まると言っても過言ではない。例えば俺がここで\タッカリーン/とネタに走り、億が1滑った時は目も当てられない程の痛々しい姿の俺がみんなの目には映ることになるだろう。そうして俺の学校生活も終わる。あ、だから\タッカリーン/ていうと消えるのか。


というか、もうすでに1度マークで滑っていることを思い出した。もう何も怖くないじゃん。あたしってほんとバカ。


よし、なら至ってシンプルにかつテンションは静かめでいこう。何故かって?落ち着いた姿は世間ではクール系と呼ばれ、人気らしいからだ。汚名返上を兼ねてそれでいこう。


そして


「崇宮白哉です。8/10生まれのO型。好きな物はcool系です。よろしくお願いします」


完璧な演技力。そして白哉のギャップが刺さった教室にはまばらなクラップ音が鳴り響いた。それにこだまするようにチャイムがなり


「は、はい。それじゃあ全員の自己紹介も終わった所で、ホームルームは以上になります。それと明日は身体測定の後から授業が始まりますのでみなさんは気合いを入れて置いて下さいね〜。あと、食堂と購買が開放されたみたいなので校内探索を兼ねて、部活見学や食堂へ行ってみるのもいいかもしれませんね〜」


といい、この日の学校行事は全て終了。白哉は気持ちよく伸びをした後に先生の言ったことを思い出す。


「マーク…じゃなくて部活かぁ…暇だし見るのもありだな」


と呟き、席を立とうとした時。前の席の茶髪の男が話しかけてきた。


「なあ、部活見に行くのか?良かったら一緒にいかないか?」


突然爽やかな短髪で茶髪の俺より少し身長が高そうなイケメンに誘われ、内心ドキッとしてしまった俺は


「き、君の名は。」


そう言葉を口にしていた。


「ん?ああ悪い。そういやお前最後まで寝てたから聞こえてなかったのね。俺は咲藤 さとうじん。よろしくな崇宮」


こっちの事情を理解した上に名前まで覚えているとかイケメンかよ


「なら俺も。改めて崇宮白哉だ。よろしくなじんたん」


「おい、なんだその呼び方は」


「はくやね じんたんのこと すき!」


いきなり俺はハグを求めてみたが


「き、きもい!よんな!」


と気持ち悪いと拒絶された。


「すまんすまん」

「お前ってマジで変わってるよな。今まであってきた中で1番かもしれないぞ」

「ほうそれは大変名誉な----「ねえねえ、ボクも君たちに混ざってもいいかな?」」


またまた突然話しかけられ、白哉と仁はその声がする方へ振り向いた


「「ん?男装女子?」」


なかなかハモることが出来ないセリフを吐いた2人は、そこにたっていたのは金髪で若干マッシュの美形のその子の方へと向いた。


それほど俺と身長が変わらないから女性にしては差が高いな


「ひどいな〜。ちゃんと男だよ〜」


とその子の持つ生徒手帳を見ると、たしかに性別は男だった。声も中性的で女装されたら本当に見分けがつかなくなるレベルである。


「ボクは一ノ瀬 悠木いちのせゆうき。実は崇宮くんの隣の席なんだよ??」

「まじか、全然見てなかった」

「君ずっと寝てたからね。起きても意味わからないこと言ってるし。ほんと面白いよ」

「面白いってかイカれてるよこいつは」

「んだと!?」

「うわっ!」「ちょっ!」


2人から褒めてるのか貶されてるのか分からない言葉を浴びせられ、白哉は2人に飛びかかった。 床に転がりわちゃわちゃしている3人をたまたまみていた優愛ゆあたちは


「なにあれ、バカみたい。3バカね3バカ」

「お、優愛!それいいな、3バカ。」

「ほらバカ言ってないでほら2人ともいくよ〜」


とセリフを零し、部活見学へむかったていった。




少し時間がたち、ふとクラスを見渡すと、そこには3人しかいなかった。みんな部活見学や各々遊びにいったんだろう。俺らも行くか、と暴れ疲れた3人は教室をでて部活の張り紙が貼ってある中央玄関に向かい、なにか面白そうなものを探したが、しっくりくるものが見つからずその場所を後にし食堂へむかった。その途中悠木がオカルト研究会なる物の張り紙をみてこんなのもあるんだねと言っていた。



食堂へ到着し、広めの作りになっている内装は大勢の生徒で賑わっていた。


「うひぁ、すごいねこれ」

「空いてる席あんのか?こりゃ」

「お、テラスあんじゃん。あっち空いてるからいこうぜ〜」


と白哉がテラスを見つけた事により3人は場所の確保に成功し、食券を買いに券売機がある場所へと向かった。3人はメニューを決め、白哉は親子丼。仁はハンバーグ定食。悠木はカルボナーラを注文。各々受け取ってからテラスに向かった。


「食堂って毎回あんなにこむのかな?」

「あと一週間もすればおさまるんじゃないか。」

「まあでもこんだけ人がいれば色んな事がありそうだよな、ここ」

「「色んなこと?」」


白哉の発言に2人は首を傾げた


「例えば俺が飯を食べ終わって食器を運んでる最中に美少女とぶつかるとしよう。その衝撃でその子は尻もちをつき、持っていたうどんは宙を舞ってしまう。俺はそれを頭からかぶりにいき。俺の視界は麺でいっぱいだ!現状は最悪だと思うだろ?だがな、俺には見える!その麺と麺の隙間から、尻もちを着いた拍子にめくれたスカートの中に見えるその美少女のパンツが!!」

「ふむ。非常に興味深いね。その話」

「ふ、ふん。俺は興味無いな。バカバカしいぞ」


悠木は目を輝かせて聞いているが仁は興味無さそ……いやめっちゃ強がってるわこいつ。もしかしたらこいつらって馬鹿なんじゃないか?


まあ気にせず俺は続きを話した


「まだ終わりじゃないぜ、その視界沢山のうどんの隙間からパンツが見えるという覗きシチュエーションから美少女の全身を視界に入れることで、まるで全身がうどんに絡まりパンツが見えてしまったという緊縛的シチュエーションに変化するんだよ!!すげぇだろ!?」

「ああ、ロマンしかないね」

「べ、別に興味なんて無いわけじゃなくなくないからな」

「どっちだよ」


2人の反応がよく調子に乗り始めた白哉は


「さて、俺はこれを試そうと思う。お前らはどうする。くるか?」


とキメ顔で冗談で言ってみた。が


「いくよ」

「よし、俺もいくぞ!俺はこう言うバカな事に全力注げる時を待ち望んでたんだ!」



と即答だった。ブレーキを踏んでくれる人間はここには存在しなかった。そう、みんなバカだったのである。しかも仁に限ってはほんとは冗談でした〜なんて言えない様なこと言っちゃってるし。こんなことに全力を注ぐなよ。


てかそもそもまずうどんを持ってる美少女がそう簡単にいるわけがねぇだ…



いました。



どうせいやしないと思いながらも食堂内を見渡すと、なんと中に金髪ショートヘアで大きな黒い瞳をもち、何処か幼げなが残りつつも美しい少女がざるうどんを嬉しげに運んでいるではありませんか。


やると言ってしまった手前、引くにひけなくなり、ましてやこんな変態的なことをしたら今後の学校生活では変態とレッテルを貼られ、周囲からは冷たい目で見られ、文字通り終了するに違いない。しかも俺のバカな行動のせいであいつらまで巻き込ませるのはよくないよな。そうして自然といつのまにか残された選択肢は1つにっていた。!そう、やりゃいいんだよ!男を見せろ俺!覚悟をきめろ!


…やってやる


「お前らは()()()()指を網目状にして見てな!バカを極めた男の勇姿と美少女の緊縛シチュエーションをなぁ!」

「白哉まさか!?」

「あいつ俺たちを巻き込まないためにここからでもパンツが見えるように派手にやるってのか!?」


そして仁は超速理解をし、白哉は走った。食堂内の中に入り笑顔でうどんを運ぶ美少女を目指して。


人の合間をくぐり抜け、遂にその変態的行動の対象者を視界に捕捉。突撃を開始した。


ああもうどうにでもなれ!!


心の中で叫び、そしてその対象者である美少女にぶつかる直前俺は大声で謝った。



「すまん!!!()()!!!!」




---------



「…ここは?…っつ」


気絶していた白哉は目を覚まし、顔面が猛烈に痛いことを確認した。


あの後顔面ダイブでもしたのか??マジで痛え


「お、目を覚ましたか白哉。お前は男の中の男だぜ!」

「本当にすごいね君は」


目を開けるとそこには2人がいた。そしてべた褒めされた。


白哉は徐々に記憶を取り戻す


「ああそうか、俺らは見ることが出来たんだな…」


成功した事による達成感と安心感によるものか、再び眠りについてしまった


「お、おい!」

「また眠っちゃったね」

「まあ、お前はよくやったよ。」

「…」

「…」

「この顔に着いた上履きの後治るのかな?」

「当分治らんだろうな。すげぇ勢いで何回も踏まれてたもん」

「気持ちよさそうだったよねぇ。羨ましいなぁ」

「ああ……ん?え?」

「でも見れなかったね。」

「そりゃあ、あの人混みじゃあな」


この時悠木はMなのか?と仁は疑問に思ったが、あえてその疑問を心にしまった。そんなこんなで3人の絆が深まったのである。




一方は火那は白哉に突如タックルされ、

そのせいで宙に舞ってしまった楽しみにしていたうどんをなんとか回収しようとしたが、何故か白哉が自らそのうどんを被りに行き、顔についた麺の隙間から脚の方に向けられたいやらしい視線を感じたので尻もちを着いた拍子に見えていたパンツを急いで隠すが、

白哉は「黄色の可愛い柄」と発言し満足そうな表情をしながら顔についていた麺を啜っていた

それを一言一句聞き漏らさ無かった火那は一連の流れを思い出しこれが故意的であると確信。その後ブチ切れ、顔面を何度も踏んだのであった。


うどんはスタッフが美味しく頂きました。


※\アッカリ~ン/が滑ることなんて有り得ません。

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