お飾り王妃の我慢はもう限界です!~嫁いだ国の食事情に物申す~ ※森陰五十鈴様作
活動報告に張り付けた内容です。
2018/4/13 メモ貼り付け:【お飾りお妃さまのビフォーアフター】
活動報告では内政に展開するためにもうちょっとふわっとしていましたが、お話の種にするために一つに絞りました。食テロっぽいものです。ぽいものであって、食テロではないです。
受付日:2018/7/3 現在予約中です。ありがとうございました。活動報告の方も非公開にしています。
連載開始:2018/10/1~ タイトルが変更になりました。
変更前:お飾りお妃さまのビフォーアフター
変更後:お飾り王妃の我慢はもう限界です!~嫁いだ国の食事情に物申す~
【あらすじ】
王妃様は嫁いできた国の料理が大嫌い。しょっぱいだけで全く美味しくない。しかも出てくるものは肉ばかり。
祖国から連れてきた料理人に食事を作らせ国王に振舞うが、味付けがまずい、雑草を食わせるつもりかと文句を言われて大激怒。
食文化を変えてやると意欲を燃やす。
その変化の過程で、様々な階級の人間とかかわりを持って行く。
その途中で王妃の失脚を狙う側室が暗躍したり、色々。
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【設定】
魔物はいるけど魔法なしの世界。
※魔物がいるのは、冒険者がいた方がなんちゃって食材を手にするためには楽だから
国の規模:
●小国 1.5万程度
●大国 10万程度
登場人物:
王妃 18歳。
国王 28歳。
側室 23歳。
コンセプト:
弱小国家の食文化が花開く過程の裏にはお妃さまが!
この背景設定は現代知識を使っているので物語では語られることはありませんが、こんな原因があるということで。
背景:
塩分過多のため腎不全を起こしたり脳梗塞などを発症しやすい小国。当然中世ヨーロッパぐらいの医療のため、短命。
大国は食材が豊かで鮮度を保つ方法あるので、薄味+旨味あり。小国は食材が限られており保存食も多いため、塩分過多。
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【小話】
わたくし、とある小さな国の王妃をやっています。
国王陛下とは年が少し離れておりまして。
わたくしが15の時に25歳の陛下の元に嫁いできました。3年前のお話ですわ。
もちろん同盟という名の政略結婚です。この小さな国はわたくしの母国に大した影響を及ぶことはありません。戦いを挑んでもぺちゃっと潰されて終わりです。政略結婚の意味がないとお思いかもしれませんが、国内の貴族家に嫁にやるのはバランスが悪いということと、中央の王位継承権関連のどろどろが始まっていましたので暗殺等からの避難という意味で結ばれた縁ですわ。
すでに20代半ばだった陛下には美しい側室がおります。王妃に据えていないところを考えてもらえればわかると思いますが、身分が低いのです。なんでも平民出身の側室だそうです。平民との距離が近いのは小国ならではと思います。
わたくしもその恋物語を何度も嫌味なくらい聞かされております。主に侍女長からですわね。情緒たっぷりに語ってくれますが、あまりに滑稽すぎて笑いも出ないのが正直な感想です。あえて何も言わないのは、口を開くとダメ出しをしてしまいそうだからです。
ところで王妃のお務めは何だと思いますか?
大国である母国との強いつながりを持つこと。これはわたくしが生きている限り問題ありません。
もう一つは後継者を産むこと。
そう、王妃の仕事としてはこれが一番大事なのです。ところが、いわゆる初夜と言われている婚儀を上げた夜に一度だけ肌を合わせただけですの。どうやら乳臭い娘はお嫌いのようです。側室は胸が大きかったので仕方がないです。男の方って……。いえ、貧乳ではありませんわ。側室が大きすぎるだけです。もう数年したら垂れてくると思います。ええ、間違いありません。
従って後継者を産むという役割を果たしておりません。まあ、陛下は不能かもしれないとさりげなく広めましたから、わたくしは同情の目を向けられるだけです。側室もいるのに孕まないのだから信ぴょう性の高い話として水面下で広まっています。
側室が孕めばそれはまた大変な騒ぎになるのですが……側室にはこっそりと避妊薬を飲ませているので問題ありません。
誰が? あら、あなた。闇を知る覚悟はありまして?
あとはそこそこの公務ですわね。わたくしの公務は外交が多いです。内政については多少気にしておりますが、なかなか踏み込ませてくれませんわ。
外交は昔から担ってきたのでつまらないのです。この小さな国に来てくださる人達は母国での縁でやってくるものばかりですから。どちらかというと色々な情報を持っておしゃべりに来てくださっています。お返しに私も知りえた他国の噂話を披露します。
こんな仕事は空気を吸うように普通のことなので暇ですわ。
まあ、お飾り王妃なので仕事などこんなものでしょう。不自由などさせたらお父様もお兄さまも黙っていないだろうし、補助金が手に入らなくなりますもの。
ここの暮らしもさほど不自由のない生活ですけど、一つだけ不満があります。食事です。この国の食事はとにかくしょっぱくて食べられたものじゃありません。舌がしびれてしまうほどしょっぱいので、初めは毒でも盛られているのかと思いましたわ。
連れてきた料理人に作らせて陛下に振舞ったら、まずい料理で嫌がらせをしているつもりかと言われてしまいました。本当に本当に本当に本当に本当に、腹が立ちます。
こうなったら徹底的にやりこめてやります。
この国を私好みの食事に変えて、一人だけいつまでもしょっぱい食事がうまいと思っていればいいのです。
あら、これって嫌がらせになるかしら?
みんなが美味しいと言って食べている中で一人だけまずいと思いつつ称賛しなくてはならない状態って。
うふふふ、想像したらとっても面白そうですわ。ついでに側室にも嫌がらせをしてやりましょう。
このお話を育てるにあたって変更してはいけない点は以下となります。
1.設定に書かれている内容
2.国王は平民出身の側室を寵愛、王妃は大国の姫でお飾り。
3.王妃の性格は内向的ではない
4.胸糞展開不可
普通の異世界恋愛に内政を入れたら面白いかもと思って作ったものです。活動報告を見てもらうとわかりますが、もっと内政に幅がありました。ただ提供するとなると、考えにくいだろうと思い、飯テロっぽいものを用意しました。わたしは料理があまり得意ではないので、健康面から考えての展開となっています。ただあくまでも、食事に関してはスパイスで、基本は国王と王妃と側室の恋愛をメインに考えています。恋愛要素を薄くして、ハイファンタジーにしても問題ありません。