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女王にならないための一仕事 リサイクル作品完成! のぉ様作

2018/5/18の活動報告「【没ネタ】女王にならないための一仕事 」に投稿したものです。


書きたいと思っていましたが、書く時間が取れないために誰か書いてくれないかなとちょっと期待しています(*´ω`)


受付日:2018/5/29 現在予約中です。ありがとうございました。

投稿日:2018/6/23 のぉ様作 :「女王にならないための一仕事」



【あらすじ】

わたしはヴィヴィアン、12歳よ。この大陸の覇者である大国の第2王女として生まれた。

年の離れたお姉さまがいるのだけど、お姉さまは病気で離宮で療養しているの。


次期女王なんて、とてつもなく未来が絶望的。

女王が優雅? 目も眩むほどの贅を尽くした生活? イケメンにちやほやされた日常?


そんなわけないじゃない。

国土はとてつもなく広いし、同盟国も多いけどすべてが友好的であるわけではない。

民の命を一人で背負う。重いなんてものじゃないわ。肩が抜けるわ。


でもね、お父さまはまだまだ若いの。子供を作っても問題ないわ。

顔は……ちょっと厳ついけど、権力者だし、お金はある。今は枯れたような生活をしているけど、きっと美女たちに囲まれていたらその気になるはず。いざとなったら、いいクスリあるしね。


わたしは女王になんてなりたくないから、お父さまにはもうひと頑張りしてもらいましょう。



◆◆◆

【小話】お父さまが野獣のようにやっちゃえばきっと道は開けるはず


 この国は大国と言われるほどの国で、しかも軍事力が無茶苦茶強い。何故軍事力が強いか。国王であるお父さまが脳筋だからだ。スキンヘッドにざっくりと頬に残る刀傷、体は筋肉の鎧を着ているかのように大きくて太い。この父親とわたしの血がつながっているのか、恐らく見ただけで信じる人は少ないと思う。


 内政はもっぱらお父さまの弟である叔父様が宰相としてせかせかと働いている。お父さまが筋骨隆々なのに対して、叔父様は優男でいつも青白く今にも倒れそうな風貌だ。


 ただ二人が兄弟だと思わせるエピソードはそれなりにある。お父さまは騎士たちが剣の手入れを怠っていると烈火のごとく怒る。叔父様は文官達が計算道具を粗末にしていると青筋を立てる。


 そして何よりも女性の好みが似ているのだ。お父さまは儚げな美女が好きで、お母さまも風が吹いただけでも倒れてしまいそうな嫋やかな女性だったらしい。実際にお姉さまを産んで、私を産んだ後、儚くなってしまった。叔父様の奥様もつかみどころのない女性で、いつも夢を見ているようにふんわりした雰囲気を纏っている。


 似たような女性好みと言えばそれまでなのだが、本人たちに言わせるとかなり違うらしい。何度聞いてもよくわからないけど。まあお父さまと叔父様の好みの女性なんてどうでもいいのでいつも流している。


「叔父さま、少しお邪魔してもいいかしら」

「おや、どうしました?」


 躊躇いがちに叔父さまの執務室に入ると、そう声をかけた。叔父さまは少しずれた眼鏡を上に挙げてこちらを見た。顔立ちはとても整っている叔父さまは若かりし頃はかなりモテていたらしい。

 ただ、この顔色の悪さからがつがつと迫れなかったようである。迫った瞬間に倒れられたら、暗殺未遂を疑われるからという理由だと誰かに聞いたことがある。


 叔父さまに勧められるまま長椅子に座ると、侍従がお茶を出してくれる。茶菓子もそっと差し出されてついつい笑顔になった。


「可愛いですよ。ヴィヴィアンはそうやっていつでも笑っているのが一番です」

「叔父さま。わたし、女王になりたくない」


 わたしがぽつりと呟けば、叔父さまは目を細めた。


「どうしたのです。貴女らしくもない。いつものように大らかに構えていればよいのです。後は適当な下僕どもが勝手に仕事をしてくれますよ。大丈夫、逆らわないようにきっちり躾ておきますから」

「違うの、わたし、ムリなの」


 不覚にも涙が出てきた。


「……あんの筋肉馬鹿兄が何をしやがりました?」

「うええええん」


 我慢ができず声をあげて泣いた。叔父さまは慌てて立ち上がると、私の隣に座り優しく抱きしめてくれる。


「何をされたのです?」

「わたし、わたし、大切な人が死ぬところを笑顔では見れないよう」


 えぐえぐと泣けば、激しい舌打ちが聞こえた。


「大丈夫、大丈夫です。貴女のいる前の前で死ぬような無様な人間は側に寄せませんから」

「でもお父さまが。お父さまだって目の前で死ぬかもしれないと。それを見ても決して取り乱すなと」


 叔父さまがとんとんとわたしをなだめる様に背中をそっと叩く。


「困りましたね。ヴィヴィアンは我々の大切なお姫様なのにあのクソは何という事を言うんでしょうね」

「ねえ、お姉さまはダメなの?」

「姉君は残念ながら難しいでしょうね」


叔父さまはわたしをさする手を止めて、何やら考え込む。


「一つ……手はないことはありません」

「何?」

「兄上に側室を娶ってもらうのです。今から生んでもらっても十分間に合います」


 側室。


 側室と聞いて目を丸くした。確かにお父さまは王妃にしたお母さま以外を側に寄せない。男性的には色々まずいのではないだろうかとこそこそと侍従たちが話しているのを聞いたことがある。だけどどんな女性もお父さまの気を惹くことはできずにいた。


「難しくない?」

「こちらも今まで本気で対応していなかっただけです。なあに、ちょっと疲れさせて、薬を盛れば一発ですよ。野獣のように盛るような薬がいくつかあります」


 叔父さまがいい笑顔で言うが、流石にそれは可哀そうに思える。せめて好みの女性を選んであげたい。叔父さまに任せたら、わざとお父さまの嫌いそうな女性をあてがいそう。


「わたし、お父さまとわたしのために、お父さまの嗜好分析をするわ!」

「そんな繊細な性格をしていないから気にしなくとも」

「ううん。わたし、お父さまを愛しているもの。お父さまの好みに合う女性を探して見せるわ!」




このお話を育てるにあたって変更してはいけない点は以下となります。


1.跡取りにならないために父親の相手を見つけて跡取りを産んでもらう

2.最低限必要な登場人物

  父親、叔父(父親の弟)、病気療養中の姉、本人。

3.胸糞展開不可


わたしが異世界恋愛が好きなので貴族社会を前提に書いていますが、この設定をベースに現代社会に移動してもOKです。

例えば、大国を大企業にしてもいいわけです。一応、妻は亡くなっているので再婚になるわけですから。そんな風に種を膨らませて、育ててみてください。


変更してはいけない点が守られていたら何でもありです。ホラー展開してもいいし、ヒューマンにしてもいい、ハイファンタジーにしてもいいです。なんでもいいのです。

ただし、悲しくなるので愛情のない扱いだけはしないでください。



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