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だらしのない復讐者と共犯者になった男 〜inde ”Vengeance“ day〜   作者: 岩波備前
種火

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1/16

はじまり

母が死んだ。


心労が祟ったのだろう。

昨日までは変わらない様子であったが、今朝、起きたときにはベッドの上で冷たくなっていた。


唯一の家族を喪った私は、一通り悲しんだあと、母の荷物から1通の古い手紙を見つけた。


手紙は母の父親からのものらしい。

つまり、私の祖父。


頼れる人がいなかった自分は一縷の望みを賭けて連絡した。


最初は誰かと聞かれた。

母と父の名前を出すと、様子が変わった。

現在住んでいる所を何とか伝えると、翌日には祖父を名乗る男性が迎えに来てくれた。


何も出来なかった自分は、ただひたすら泣くしかなかった。


祖父はそんな自分を優しく抱きしめ、何も言わずに悲しみを受け止めてくれた。


母の遺体はその日のうちに処理してもらった。

祖父が手続きをしてくれたのだろう。


元々、母には身内と呼べる人間が祖父しかいないそうだ。

母親‥‥‥祖母に当たる人は若くして亡くなったいたらしい。


自分と祖父だけの葬儀。

苦労ばかりの人生を送ってきた母には、寂しい最期だった。


祖父に引き取られたあとは、祖父の自宅兼事務所で生活することになった。


どうやら祖父は便利屋なるものを経営しているとのこと。


ただ、少しだけ特殊だった。

便利屋としての仕事はあるが、時々特殊な依頼が舞い込む。


所謂、裏の仕事。


客は多岐に渡る。一般人や警察、探偵。裏家業の人間‥‥‥


情報収集を始め、薬物の取引現場を押さえたり、渡された荷物を処理したり。時には依頼人を何処かへ運ぶ仕事もしていたようだ。


殺人と薬物の輸送・売買以外は請け負うなんでも屋。


それが祖父の仕事だった。


祖父から、大人になった時に身を守ることが出来るよう、仕事を叩き込まれた。


おかげで、成人を迎える頃には立派に独り立ちが出来ていた。

‥‥‥まあ、それと同時に祖父も亡くなってしまったのだが。


亡くなった時、祖父の荷物から2通の手紙を見つけた。

1通は見覚えがある手紙だが、もう1通は初めて見るものであった。


父の遺書だ。


中身を確認したあと、自分の使命を理解する。


―――――復讐。


父を殺し、母を死に追いやった男を徹底的に、潰す。


殺しはしない。

祖父からきつく戒められてきた。


『人を殺せば、復讐の輪廻に囚われる。殺しに正義はない。あるのはただの自己満足だ』


••••••殺してやりたい気持ちはある。


だが、それだけでは物足りない。

父や母の無念を、その魂に刻み込む。

その一心で、男に付いて調査を始めた。




それから数年後。

私は出会った。


復讐の糸口となる、1人の共犯者おとこに。

本作品を閲覧していただき、誠にありがとうございます。


別の大手サイトでも同じP.Nで作品を投稿しています。


作品についてはそのサイトのみの投稿であり、他サイトには投稿しておりません。


拙作ですが、ご笑覧いただければ幸いです。

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