秀才増尾
俺、宅間はるき、麦茶を一気にグビグビ飲んでようやく喉のカラカラが落ち着いた。
氷が溶けきってないせいで、最初の一口が脳天直撃の冷たさだったけど、まあ生き返ったわ……。
増尾は満足げに「ふう、氷も食ったし、そろそろ宿題やるか」って言ってきた。 ……「氷も食ったし」ってなんだよ!!
お前、ミッチーのコップから氷盗んで食っただけじゃんか!
それで満足して「宿題やるか」モードに入るとか、お前の脳内スイッチどうなってんだよ……って心の中で全力ツッコミ。
でも口に出すのもアレだから、
「そうだな、やろうぜ」って普通に返事して、リュックから数学のワーク引っ張り出した。
ミッチーはもうさっきからちょっとずつ進めてたみたいで、
机の上でペンをカチカチ動かしながら集中してる。
顔が真剣で、時々「んー……」って首傾げてる。
いや、集中しろ俺。増尾もベッドから降りて、自分の勉強机に向かった。
椅子にドスンと座って、
ワーク開いて、
すぐにペンを走らせ始めた。
……この人、頭いいんだよな。
マジで。
俺とかミッチーより断然頭の回転速い。
数学とか英語とか、授業中に寝ててもテストで80点以上取ってくるタイプ。
槍投げやってるくせに、脳みそは理系エリート枠。
悔しいけど事実。
俺なんか、問題見て「は?」ってなるのに、
増尾は「これ、こうだろ」ってサラサラ解いてくんだもん。
しかも俺が「これわかんねえ……」って言うと、
「え? ここ簡単じゃん」ってドヤ顔で解説してくるし。
……ドヤるなよ、友達だろ。今、部屋の中はクーラーのブーンって音と、
ペンのカサカサ音と、
たまにミッチーが「ここ、こうかな……?」って独り言つぶやく声だけ。
俺もワーク開いて、問題に睨みつけてるけど、
頭の中ではまだ「氷も食ったし」がリピート再生されてる。
集中できねえよ……。でもまあ、
この3人で並んで勉強してる時間、
意外と悪くないんだよな。
増尾の頭の良さに嫉妬しつつ、
ミッチーの優しさに癒されつつ、
俺は俺でなんとか追いつこうとしてる。
……はあ、頑張ろ。
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