ミッチーのウィークポイント
俺、宅間はるき、クーラーの風に当たりながら待ってたら、
ようやく増尾がトレイ持って戻ってきた。
トレイの上に麦茶3杯。
……おいおいおい。氷、多すぎだろ!!
コップから氷がはみ出して、トレイの上にポロポロ落ちてるレベル。
まるで南極探検の氷山みたいになってるじゃん。
俺は別にいいよ、ガブガブ飲みたいタイプだから。
でもさ、ミッチーってクラス全員が知ってるレベルの「お腹弱い系男子」なんだよ!
冷たいもの一気飲みしたら、即座にトイレ直行コース確定の男だぞ!
マジで増尾、気が利かねえな……!ミッチーはコップを受け取った瞬間、
「うっ……」って顔が一瞬で青ざめた。
目がちょっと潤んでるし、唇がプルプル震えてるし。
でも性格がめちゃくちゃ優しくて気が弱いから、
「ありがとう……」って小さな声で言って、
そのままテーブルの上にそっと置いただけ。
飲める温度になるまで、何十分かかるんだよこれ……。
夏の午後でこの氷の量じゃ、溶けるの夕方じゃね?
ミッチーの胃腸が可哀想すぎる。俺、もう我慢できなくて、
「おい増尾、ミッチーの氷抜いてやれよ!」
ってキレ気味に言ったら、
増尾は「あー、わりい」って超適当に返事して、
ミッチーのコップに手を突っ込んで、
氷をガサッと掴んで……そのまま口に放り込んでバリボリバリボリ食い始めた。
……は?おいおいおいおい。
氷抜くって、そういう意味じゃねえだろ!!
お前、ミッチーのコップから直接氷取って食うとか、
衛生的にどうなの? いや、俺ら男子高校生だから別にいいけどさ、
ミッチーの顔が今「え……?」って固まってるぞ!
しかも増尾、次から次へと自分のコップの氷も食い始めて、
「んー、冷たくてうめえ」みたいな顔してるし。
俺、ツッコむのもめんどくさくなって、
ただ黙ってその光景を眺めてた。
……この3人で宿題するって、
毎回こんなシュールな展開ばっかだよな。ミッチーは結局、氷が少し溶けたところで恐る恐る一口飲んで、
「ふぅ……大丈夫かも……」って自分を慰めてる。
増尾は氷全部食い終わって満足げにベッドに戻った。
俺は自分の麦茶を一気に飲んで、
「次からは俺が氷の量調整するわ……」
って心の中で決意した。
……まあ、次も忘れるんだろうけど。
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