宅間の新しいカミソリ
前回のあらすじ:スネについて誰にも触れられないまま、バケモノも現れず持久走が終わる。どうにも落ち着かない増尾は宇佐美に絡むが、あまり元気がなくまともに相手をしてくれなかった。
俺、宅間はるき。バドミントン部の平凡な高校1年生さ!
結局今日はバケモノ現れず。
体育の時間も何事もなく終わって、
クラスメイトの視線が俺のツルツル脚に全く刺さらなかった虚しさを抱えつつ、
普通に放課後バド部の練習行って、
汗だくでシャトル打ちまくって、
チャリで家帰った。
今日はムダ毛処理はいいか、そんなに伸びてないし……
って思いながら脱衣所で服脱いで、
風呂場に入ろうとしたら――
あれ?
なんか新しいカミソリが置いてある。
パッケージもピカピカで、
明らかに昨日までなかったやつ。
俺、思わずバスタオルを体に巻いて(裸のままだと母さんに怒られるから)、
リビングに戻って
「母さーん、なんか新しいカミソリがあるけど使っていいのー?」
って聞いた。母さん、キッチンで夕飯の支度しながら、
ニコニコして
「うん、いいよー。
はるくん最近よく使ってるから、はるくん専用の買ったのよー」
って言ってきた。……え。俺、思わず
「ありがとー!!」
ってデカい声出して、
風呂場に戻った。
心の中で
「母さん……マジで神!!」
って叫びまくってる。
俺の母さん、優しいよね!?
父さんだったら絶対「男が脚剃るなんて変な趣味だな!」って
眉間にシワ寄せて睨んでくるのに、
母さんは何も聞かずに、
しかも「はるくん専用」って買ってくれたんだよ……。
怒るどころかサポートしてくれるなんて、
母さんほんとにありがとう!!
俺、風呂場で新しいカミソリのパッケージ見ながら、
ちょっとウルッときちゃった。父さんのとは違うメーカーで、
普通のヒゲ剃り用のやつ。
多段刃で、
「肌に優しい」みたいなキャッチコピー書いてある。
あれ、そういや男がスネ毛とか太もも剃るときって、
ヒゲ剃りでいいのかな?
それともヒゲ以外の場所専用のカミソリとかあるのかな?
……まあいいや。
父さんのやつ、最近切れ味悪くなってきてたし、
これ使うの楽しみ!
新しい刃の感触、
絶対ツルツル度が段違いになるだろ……。
明日の体育でまた持久走だけど、
この新カミソリでさらに美脚になって魔法のパワーアップして、
バケモノ来たら一撃で決めてやるぜ。
……って、母さんが認めてくれただけで、
もう俺のモチベーション爆上がり。
魔法少女の道、
母さんの愛で乗り切れるかも。
湯船に浸かりながら、
俺は新しいカミソリを大事に棚に置いて、
「これでムダ毛剃ったら絶対ツルツルになるぞ……!」
って想像して、ニヤニヤしちゃった。
母さん、ほんとにありがとう……!
次回をお楽しみに!
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