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バケモノ現れず

前回のあらすじ:医者の息子・沢田とクラスの担任・丹波先生が宇佐美を保健室へ運んだあと朝礼が始まる。未だ沢田や宇佐美にばかり女子たちが注目するのが内心面白くない宅間。

俺、宅間はるき。バドミントン部の平凡な高校1年生!


朝礼終わって、1時間目、2時間目と平穏に授業受けて、3時間目、体育の時間がやってきた!今日も持久走だ。


宇佐美は保健室から戻ってきてるけど、

鼻血出して気絶したダメージが残ってるのか、顔色がまだ青白くて、

いつもみたいに「うひゃひゃひゃ!」って煽ってくる元気もなさそう。


俺、体操服のハーフパンツの下で、

昨日頑張って剃り上げたツルツルのスネと太ももを晒しながら、心の中で


「男としてはカッコ悪いけど、魔法少女ルックだとコレが映えるんだから!

さあ来いバケモノ! 美脚パワーで一撃必殺してやるぜ!!」


ってめっちゃ意気込んでた。

持久走のスタートラインに立って、

脚を軽く動かしてみたら、

風がスーッと通って、

なんか軽い!


これがパワーアップの証拠だろ……!

女子たちの視線が俺の脚に集まるのを期待して、ちょっと脚をブラブラさせて待機。


でも……バケモノは一向に来ない。

今日も普通に持久走。

先生の笛がピーッ!って鳴って、

みんなでグラウンドをぐるぐる走り始めた。

俺、走りながら周りの反応をチラチラチェック。


……誰も何も言わない。


「うお! 太ももまでツルツル!」とか


「太ももの毛も剃ったんだ! キレイになってる〜!」とか、


誰も言ってくれない。


女子たちは普通に走ってるし、

男子たちは自分のペースで息切らしてるし、

宇佐美ですらこっちを見ることもなく、

顔を青くしてヨロヨロ走ってるだけ。


……誰かなんか言ってくれよ!!

この際宇佐美でもいいから!!


「おい宅間、脚ツルツルじゃねえか! カワイイ〜!」


って煽ってくれてもいいんだよ!!


褒められなくても、

せめて反応が欲しいんだよ!!

俺の努力が、無視されてるみたいで、

なんか虚しい……。


増尾が隣を走りながら、


「誰も気づかねえな……」


ってボソッと言ってきた。


ミッチーが後ろから


「みんな走るだけで精一杯なのかも……」


って優しくフォロー入れてるけど、


俺の心の中は


「気づいてくれよ〜!!このツルツル脚、命賭けて手に入れたんだぞ!!」


って叫び続けてる。


持久走のラップを重ねるごとに、

脚の軽さが逆に虚しさを増幅させて、

俺、だんだんヘニャヘニャになってきた。

美脚パワー、今日はバケモノ来ないと発揮できないのか……?


このままじゃ、女子たちに「宅間くん、脚キレイだね」って言われる日が永遠に来ないんじゃないのか……。


授業終わって、グラウンドの端っこで3人座り込んで、


増尾が

「今日も来なかったな……」


ミッチーが

「来なくてよかった……かも?」


俺は

「でも……脚のムダ毛処理の努力が無駄になったみたいで……」ってボソボソ。


3人でため息ついて、


「次来たら……絶対一撃で倒すぞ」


って心に誓ったけど、


正直、今日は「誰かに気づいてほしかった」って欲求のほうがデカい。


魔法少女の道、戦うより「褒められたい」欲が強くなりすぎてる俺……。ヤバいかも。


次回をお楽しみに!

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