宅間の優しい母さん
毎日1話新エピソード投稿。
俺、宅間はるき、戦いが終わった後、俺ら3人で顔見合わせて
「今の……ほんとに現実だったのか……?」
って全員同じこと呟いた。
周り見渡しても、誰もいない。
自販機の明かりがチカチカしてるだけで、
通りすがりの人影すらゼロ。
バケモノの残骸も、黒い煙みたいに完全に消えてて、
地面に俺のスクールバッグとチャリだけが転がってる。
増尾が「マジで誰も見てねえよな……」ってボソッと言って、
ミッチーが「夢……じゃなかったよね……?」って不安げに俺の袖掴んでくる。
可愛い顔が今めっちゃ真剣で、そばかすが余計に目立ってる。
俺も背中と尻の痛みがジンジン残ってるから、
「現実だよ……痛いし」って呟いて、
とりあえずチャリ拾って帰ることにした。
家に着いて、玄関開けた瞬間、
母さんが台所から顔出して
「はるくん、おかえり〜、遅かったね」
って普通に言ってきた。
俺、興奮冷めやらぬまま
「ちょっと聞いてよ母さん! 俺帰りにバケモノに会って、
魔法少女になって増尾とミッチーと一緒に倒したんだよ!!」
って全力で報告した。
……そしたら母さん、
「あらはるくん、面白いこと考えるね〜。
お風呂入ってきな、汗臭いよ」
って、ニコニコしながら適当にあしらわれた。
……え。
俺、ほんとなのに……。
マジで現実だったのに……。
母さんの目が「中学生みたいな妄想また始まったわね」って言ってるみたいで、
なんか急に恥ずかしくなった。風呂入って、湯船に浸かりながら
「やっぱ夢だったのかな……」
って思ったけど、
背中を壁に付けた瞬間、
ドンッ!って叩きつけられた痛みが蘇ってきて、
「いてっ……!」
って声出ちゃった。
いや、現実だ。
絶対現実だ。
魔法の杖振った感触も、ビームが出た瞬間も、
増尾のブスすぎる魔法少女姿も、全部鮮明に覚えてる。
ミッチーが可愛すぎたのも……いやそれは置いといて。夕飯食って(母さんの作ったカレー、いつも通りうまい)、
歯磨いて、布団に入った。
電気消して、天井見上げながら
「あれは現実だった……」
って自分に言い聞かせた。
だって、地面に打ち付けた背中がまだちょっと痛いもん。
明日学校で増尾とミッチーに会ったら、
どう話すかな……。
「また来たらどうすんだ?」って、
3人で本気で相談しなきゃいけねえよな。
魔法少女の衣装、また着るのか……?
俺のミニスカート姿、増尾に「似合ってねえ」って言われそうで嫌だ……。でもなんか、
胸の奥がちょっとワクワクしてる自分がいる。
明日が、ちょっと楽しみだ。
次回をお楽しみに!




