第12話
第壱弐話 三権集結
大量の合成人形が王国を破壊していたが、それを王国騎士団や宮廷魔法団が抑えていた。
しかし、『甲』と顔に記載された合成人形の硬度は硬く、なかなか制圧できないでいた。
「くっ。このまま消耗戦では、勝ち目がない。」
「そうですね…。こちらが消耗しているのに相手は無尽蔵の体力にあの硬さでは…。」
「弱音を吐いている場合ではない!一体でも多く撃破しなければ、王国が破壊尽くされてしまう。」
『乙』とは違い、何も話さない『甲』の合成人形は、的確に王国の弱点を突いてくる。
人間にはまねできない関節の可動域から繰り出される攻撃は、王国騎士団の騎士でも防御しきれずに傷を負ってしまう。
致命傷を与えず、重傷を与え、戦力を確実に減らしている。
宮廷魔法団の魔法が効果的であるが、魔力の限界や高度な魔法を使える者が限られていたため、苦戦を強いられた。
「なんじゃ。まだ終わっとらんのかのお。」
空から降りてきた、ローランド・ルーランドが前線に降り立って言った。
「ローランド様!」
『賢者』の登場に騎士たちの士気が上がった。
「『研磨』が作った合成人形なのじゃろ?そりゃあ強いて。死ぬ気で気張るんじゃよ。わしゃあ、そこにいる大将を倒すんでな。」
そういうと、半壊した建物の陰から『研磨』ミシェルが現れた。
「耄碌した『賢者』は、案外鋭くて面倒なのだよ。」
二体の『丙』と記載された合成人形を引き連れたミシェルが言った。
「あれは、どうみてもあかんのお。お主たち前線を下げてもらえんかね。わし一人でどうにかできる代物でもなそうなのでな。」
「わかりました。いったん後退します。」
そういうと、騎士たちは、『甲』の合成人形の攻撃を受け止めつつ、少しずつ後退していった。
「『賢者』にそこまで評価される合成人形を作れたことを誇りに思うのだよ。」
「それ、わしじゃろ?それとヨウまでも。お主大分、気持ち悪いのお。」
「あなたを超えるには、あなた自身を作り、私の錬金術を合わせればいい。とても簡単な話なのです。」
「お主にわしの全力を見せたことあったかのお?」
「出来ることはわかっているのですよ。得意なこと不得意なこともね。」
「ふぉふぉふぉ。やはり気持ちが悪いのお。」
すると、そこにパタパタと草履の音が聞こえてきた。
「よお。二人ともまだ初めてなかったのかよ。」
刀を担いだヨウ・ニルハが現れた。
「よく言うのお。あれを見てわし一人に押し付けて心が痛まんのか。」
「じじいが、後退させた騎士たちの手伝いしてたんだろうが。」
「ほう。それであの『甲』を簡単に撃破したと?」
ヨウの実力を品定めするように、ミシェルが言った。
「お前さん、面倒なもん作ってくれたな。まあ、騎士たちが抱えてた分は倒してきてやったがな。」
「これは、これは、やはり『剣豪』ってだけあるのだよ。しかし、この『丙』を相手にしているうちもほかの合成人形が王国を破壊しているのだよ。守り切れるかな?」
「わしらは、お主を倒さねばならんのでな。」
「そうだな。そこら辺は深く考えてねえよ。」
「まったく楽観的で本当に嫌いなのだよ。」
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