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Missドラゴンの家計簿  作者: 青背表紙
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86 姉妹

お話し的にはあまり進んでいません。次回はモノづくり回です。90話でこの章が終わり、閑話を挟んで、新しい章が始まる予定です。

 その日は久しぶりに午後からエマとミカエラちゃん、私とガブリエラさんの4人で魔力の鍛錬と、魔法の練習をしていた。魔力の鍛錬が一段落して、エマとミカエラちゃんがそれぞれ練習をしている間、私はガブリエラさんからエルフの里で彼女が見つけた色々な魔法についての話を聞いていた。


「エルフたちの魔術は私たちとは全く違う体系の魔術だったわ。いわゆる精霊魔法ね。」


「どう違うんですか?」


「一番の違いは、魔術が成立するプロセスね。エルフたちは自然に存在する精霊に呼び掛けて、その力を利用することで様々な現象を起こしているの。自分の力を利用するわけではないから、少ない消費魔力で大きな効果を出すことが可能だわ。神々や精霊たちがかつて使用したと言われている『始原の魔法』に極めて近いと言えるわね。」






 彼女は私の目をじっと見ながらそう言った。彼女の言う通り、私たち竜や精霊、神々たちは魔力を使って風を起こしたり、空を飛んだり、火を起こしたりしていた。


 これは特に難しいことをしているわけではなく、私たちにとっては体を動かすのと同じことなのだ。誰から教わったわけでもない。出来るからしている。そういうものだ。だから他の誰かに教えたり、教わったりもできない。ガブリエラさんもそれと同じことを言った。


「精霊魔法は強力な分、自由度が低いの。体系化されていないから技術の伝承も難しい。精霊、つまりは自然の力をそのまま利用するわけだから、あまりにも『不自然なこと』はできないわ。例えば水の中で火を起こしたり、物体の重さを失くしたり、なんてことはできないってことね。」






 それは私もよく分かる。《収納》や《転移》といった空間魔法や《鑑定》や《分析》などの錬金魔法、そして《念話》や《洗浄》といった生活魔法などは、人間たちが独自に開発し、発展させて来たものだ。


 神々や精霊たちでは思いつくことすらできないだろう。私も最初に生活魔法の存在を知ったときには、すごく驚いたもの。


 これら人間の作った魔法の利点は、高度に体系化されているため、継承や発展が容易であるということが挙げられる。つまり長い時間をかけて勉強すれば、ある程度誰でも使いこなすことができる、ということだ。


 また魔法改変の自由度も高い。魔法の書き換えをしたり、新しい魔法を作ったりできるのも、人間の魔術の魅力だ。


 欠点としては、制約が大きいことかな。魔法の起動をすべて術者自身の魔力に依存しているため、自分の魔力の限界を超えるような魔法は当然使えない。また消費魔力が大きい割に、得られる効果が小さい場合が多い。


 《収納》の魔法などがいい例だ。《収納》は自分の魔力量によって、作り出せる魔法の空間の大きさに差が出る。しかも《収納》している間中、ずっと魔力を消費し続けてしまうのだ。ガブリエラさんでも自分の体より大きなものを《収納》し続けようと思ったら、一日ほどで魔力が切れてしまう。何事も一長一短があるってことみたいだ。






「あと今回の調査ではっきり分かったのだけれど、やっぱり精霊魔法はある程度の素養がないと使えないみたいなの。」


「じゃあ、ガブリエラ様が頑張って集めた記録は無駄だったってことですか?」


「そんなことはないわよ。自然の力を魔術に応用するうえで、非常に有効な実例をたくさん見つけることができたわ。精霊の力をそのまま活用するのは難しいでしょうけど、限定的に術式の中に組み込むことができれば・・・。」


 彼女は魔法や錬金術のことになるとすぐに夢中になってしまう。彼女に言わせるとそれはすべて「バルシュ家の汚名を雪ぎ、ミカエラにふさわしい教育を受けさせるため」なのだそうだ。


 領地も家臣も持っていないバルシュ家が功績を上げるためには、魔法や魔道具の開発が最重要なのだと、彼女は口癖のように言っている。でも単純に魔法のことが好きっていうのもあるんだろうなー。


 彼女はその後、見つけた素材や魔道具を例に挙げながら、自分の研究成果についての話を続けた。私では理解できないことも多かったけれど、彼女が嬉しそうに話しているのを聞くのはとても楽しかった。


 楽しい時間はあっという間に過ぎていくものだ。ガラスの嵌った窓から見える空がだんだん夕方の色を帯び始める。






「あのガブリエラ様、そろそろ夕方の準備をしないと・・・。」


「あら、もうそんな刻限なの。そろそろエマとミカエラも練習を終えた頃じゃないかしら。」


 ガブリエラさんがそう言った時、ちょうど部屋の扉がノックされ、エマとミカエラちゃんが顔をのぞかせた。


「ドーラおねえちゃん!あたし、いっぱい魔法練習したよ!」


「よく頑張ったね!エマすごいよ!!」


 私は駆け寄ってきたエマを抱きしめ、クルクルとその場で回りながら頬をくっつけ合った。エマの体からは何とも言えない甘い匂いがする。ああ、エマはやっぱり最高だ!






「あ、あの、お姉様・・・。」


「ミカエラ、今日はどこまで進みましたか?」


「!! は、はい!四語詠唱を間違えずにこなせるようになりました!あと、魔力の・・・!」


 声をかけられて嬉しそうに話し始めたミカエラちゃんの言葉を、ガブリエラさんは最後まで聞かずに遮った。


「よろしい。きちんと課題をこなせているようですね。では、ドーラたちと一緒にお風呂へ入っていらっしゃい。」


「あ、あの、お姉様は?」


わたくしは、今やっている研究のまとめが終わってから《洗浄》の魔法で済ませます。私のことはいいですから。さあ、早く行っていらっしゃい。あなたが帰ってきたらお食事を準備してもらうよう、お願いしておきます。」


 ガブリエラさんが手に持っていた記録用紙に目を落としながらそう言うと、ミカエラちゃんはスカートの裾を両手でぐっと握りしめたまま、俯いた。


 エマがその様子に気が付いてミカエラちゃんに駆け寄り「大丈夫?」と声をかけた。でもミカエラちゃんは俯いたまま、動こうとしなかった。


 私が心配して声をかけたところで、やっとガブリエラさんがミカエラちゃんの様子に気が付き、声をかけた。






「ミカエラ、まだそんなところにいたのですか?暗くなると危ないです。さあ、早くお風呂へ・・・。」


「・・・嫌です。」


 ミカエラちゃんは俯いたまま、静かにそう言った。普段大人しくて、素直なミカエラちゃんのその言葉に私はとても驚いた。ガブリエラさんもミカエラちゃんの異変に気が付いて、机から立ち上がり近づいた。


「ミカエラ?一体どうしたのですか?どこか具合でも・・・。」


 そう言ってミカエラちゃんに触れようとしたガブリエラさんの手を、ミカエラちゃんはさっと後ろに下がって避けた。ガブリエラさんの顔が衝撃と苦痛に歪む。






「嫌いです・・・。」


「!! ミカエラ、一体何を・・・!?」


「お姉様なんて、お姉様なんて・・・!!」


 ミカエラちゃんは俯いたまま、プルプルと震え始めた。緑の髪に隠された彼女の顔から、ぽたぽたと透明な雫が落ち、床を濡らした。ガブリエラさんが心配そうに伸ばした手を、ミカエラちゃんは避けて、彼女を睨んだ。


 ミカエラちゃんの顔は紅潮し、大きな緑の瞳からは次々と涙が溢れてきていた。


「お姉様なんて嫌い!!大嫌いです!!!」


 ミカエラちゃんがそう叫んだ瞬間、ガブリエラさんはまるで魂を打ち砕かれような、悲しみとも絶望ともつかない悲壮な表情を見せた。彼女のその顔を見て、ミカエラちゃんはひどく驚き傷ついた様子だった。ミカエラちゃんは何か言いたそうに唇を歪めた後、何も言わずにそのまま部屋から駆け出していった。


「ミカエラちゃん、待って!」


 エマが出ていったミカエラちゃんを追っていく。ガブリエラさんは走り去っていったミカエラちゃんを引き留めるように右手を前に出したまま、立ちすくんでいた。彼女の顔は蒼白を通り越して土気色になり、体はガタガタと震えている。そしてそのまま意識を失うと、その場に崩れ落ちた。






 私は咄嗟に彼女の体を支えた。


「ガブリエラ様!しっかりしてください!ガブリエラ様!」


 私は彼女を《集団転移》の魔法で彼女の寝室へと運び、寝台に寝かせた。彼女は憔悴しきった表情で浅い呼吸を繰り返している。私は大急ぎでテレサさんを探しに行った。


 厨房で夕食の準備をしているテレサさんを見つけ事情を話すと、彼女は「分かりました」と言って、ガブリエラさんのところに向った。


 私たちが戻ったとき、ガブリエラさんは目を覚ましていたが、横になったまま微動だにせずに、天井を見つめていた。


「ガブリエラ様・・・?」


「ミカエラが私にあのようなことを・・・。私は何を間違えてしまったのでしょう。」


 それだけを呟くように言った後は、私が呼び掛けても瞬き一つせずに、一点を見つめたまま動かない。そんな彼女にテレサさんが言った。







「ガブリエラ様、私がこの間申し上げたことを覚えていらっしゃいますか?」


 その言葉にガブリエラさんがピクリと反応した。テレサさんは言葉を続ける。


「私はあなた様に申し上げましたよね。『ミカエラ様とちゃんと向き合ってあげてください。出来ることをしてあげてください』と。」


 ガブリエラさんは視線を動かし、テレサさんをじっと見つめていたけれど、やがてゆっくりと言った。


「私はミカエラに現時点で貴族として、出来うるだけの教育を施してきましたわ。今の私に出来るすべての力をあの子のために注いできました。」


「・・・ガブリエラ様、なぜお逃げになるのです?」


 テレサさんがそう言うと、ガブリエラさんは体を起こし、寝台に座ったままテレサさんを睨んだ。







「私は逃げてなどおりません!」


 ガブリエラさんの怒りによって魔力が活性化し、彼女の目が赤く光る。ものすごく怖い。だがテレサさんはそんな彼女相手に一歩も引かず、逆にガブリエラさんを睨み返しながらさらに言い募った。


「いいえ、あなたは逃げていらっしゃいます。ミカエラ様のためと言い、仕事を抱え込むことで、彼女と正面から向き合い、会話することを避けていらっしゃる。」


 ガブリエラさんはそれに対して何か言いかけたけれど、結局何も言えずに寝具を両手でつかんだまま、目を逸らした。テレサさんが「もう一度お話しますね」と前置きしてから、静かに話し始めた。






 ミカエラちゃんはガブリエラさんがエルフの森にいる間中、ずっと彼女の安否を心配していて、ほとんど何も手につかない状態だったそうだ。まるで生まれたばかりの子供のように周囲の物音に敏感になり、何かあるとすぐに涙を流していたらしい。


「テレサ様、お姉様は大丈夫でしょうか?また私の元に帰ってきてくださいますよね?」


「大丈夫ですよミカエラ様。ガブリエラ様は強く賢いお方です。必ずあなたの元へ帰ってきてくださいますよ。」


 そして二人は私たちの無事をずっと祈ってくれていたそうだ。


「ミカエラ様はあなたがお帰りになられたとき、それはもう大変なお喜びようでした。ですがあなたはそんな彼女をずっと避けていらっしゃいましたね。この間、私が申しあげたとおりです。」


「わ、私は逃げてなどおりません!逃げてなど・・・!」


 彼女は下を向いたままぶるぶると震え始めた。両手を自分の胸に当て、そこにある何かを確かめるようにぎゅっと拳を握りしめていた。テレサさんはそんな彼女の側にそっと近づき寝台の脇に跪くと、彼女の肩に手を回し、彼女に優しく問いかけた。






「ガブリエラ様、あなたは何を恐れていらっしゃるのですか?」


 ガブリエラさんの体がびくりと震えた。彼女は寝台に横になると、天井を見つめたまま言った。


「私は咎人です。私の手は多くの人の血で汚れています。そんな私があの子にどうやって向き合えというのですか。」


 実は彼女とミカエラさんは、ハウル村に来るまでほとんど姉妹らしい会話を交わしたことがなかった。軟禁状態だった修道院では、ミカエラさんが物心着くようになってからは、自由に会うことができないようずっと監視されていたらしい。


「あの子はこんな私を姉と呼んで慕ってくれました。しかし私はあの子にどう接してよいのか分からなかった。」


 ガブリエラさんの目から一筋の涙が零れた。彼女は上を見つめたまま言った。






「守るべき多くの人を無為に死なせてしまった私に、今更あの子と触れ合う資格があるのか。私とあの子が触れ合うことで、私の背負っている運命さだめまでも、あの子に背負わせてしまうのではないか。そんなことばかり考えてしまって、どうしても勇気が出なかったのです。」


「だからせめてミカエラ様のためにと、魔法の研究に没頭していたということですね。」


 テレサさんは横になっているガブリエラさんの額にそっと手を触れ、彼女の目を覗き込みながら言った。


「あなたがた姉妹は本当によく似ていらっしゃいます。ミカエラ様も、あなたと同じことを言っていらっしゃいますよ。」


「!! あの子がそんなことを?一体なぜ!?」






 テレサさんはミカエラさんの様子を話してくれた。ミカエラさんは修道院襲撃の際、自分だけが生き残ったことにひどい罪悪感を感じていたらしい。彼女はその時まで、自分が貴族出身であることすら知らなかったのだ。自分のために多くの人が死んでしまったと思い込んだ彼女は生きる気力を失っていた。


 それを長い時間をかけて少しずつテレサさんが治療してきたのだ。元気になったミカエラさんは、姉であるガブリエラさんの役に立てるようにと、努力を続けた。貴族としての生き方を身に着け、多くの人のために尽くすこと。それが生き残った自分の生き方だと、幼い彼女は決意したのだそうだ。


 ガブリエラさんは寝台から跳ね起きると、テレサさんに縋りつくようにして言った。


「そんな!あの子には何の罪もありません!すべては私が悪いのです!」


「あなたに対してまったく同じことを、ミカエラ様も言っていらっしゃいましたよ。」


 その言葉にガブリエラさんはひどく衝撃を受けたようだった。テレサさんは静かに言葉を続けた。






「ミカエラ様は、あなたのためにと必死に努力をしていらっしゃいました。すべては苦しんでいるあなたを救うためです。まだ五つの幼子が、あなたのために、あなたの力になろう、認めてもらおうとしていたのです。それなのになぜ、あなたはその手を避けるような真似をなさるのですか?」


 ガブリエラさんの目から大粒の涙が零れ、シーツを濡らす。「私は、私だって。でも、私は一体どうすれば・・・」と言いながら、泣き続ける彼女を見て、私は思わず叫んでしまった。


「ガブリエラ様は、バカです!ミカエラさんが大事じゃないんですか!?」


「!! 大事に決まっているでしょう!!」


「じゃあ、簡単なことじゃないですか!こうすればいいんです!!」


 私はガブリエラさんを寝台に押し倒して、ぎゅっと抱きしめた。私の目から涙が零れ、虹色の石が彼女の体に落ちた。


「私はうまく言葉で気持ちを言えません。でも大事な人をこうやって抱きしめることはできます。どうしてそれがいけないことなんですか?」


 彼女は一瞬茫然とした後で、泣きじゃくる私をそっと抱き返してくれた。私に「ありがとうドーラ」と言った後、彼女は起き上がった。そして「テレサ様、感謝のしようもありません」と言い、部屋を出ていった。






 その夜、エマが私の部屋にやってきて、ガブリエラさんとミカエラちゃんの様子を話してくれた。


 エマがミカエラちゃんから話を聞いているときに、ガブリエラさんがやってきてミカエラちゃんを抱きしめたのだそうだ。わんわん声を上げて泣くミカエラちゃんを抱きしめながら、ガブリエラさんも泣いていたとエマが教えてくれた。


「ミカエラちゃん、ずっと寂しかったんだって。それなのにガブリエラおねえちゃんにひどいこと言っちゃったって、すごく悲しそうだった。ガブリエラおねえちゃんが抱きしめてる間、ミカエラちゃんは『おねえちゃん、ごめんなさい!どこにもいかないで!』って泣いたんだよ。」


 私は膝に乗っているエマを後ろからぎゅっと抱きしめ「大好きよエマ」と言った。エマは「私もだよ、ドーラおねえちゃん」と返してくれた。





 そのことがあって以来、ガブリエラさんは自分の研究や仕事を積極的にミカエラちゃんに見せ、手伝いをお願いするようになった。そしてミカエラちゃんは、ガブリエラさんにいろいろと小言を言うようになった。


「お姉様、お食事の用意が出来ました。さあ、お仕事を中断してくださいませ。」


「ちょっと待ってちょうだいミカエラ。ここまで終わらせたら行きますから・・・。」


「いけませんお姉様!昨日もそんなことをおっしゃって、結局私が呼びに来るまで続けていらっしゃったではありませんか!」


 そんな会話を研究室でよく耳にする。そういう会話をしている二人はすごく楽しそうだ。私とエマはそんな二人の様子を聞きながら、顔を見合わせてにっこりと笑ったのでした。






種族:神竜

名前:ドーラ

職業:錬金術師

   かけだし建築術師

   見習い給仕


所持金:67283D(王国銅貨43枚と王国銀貨125枚と王国金貨36枚とドワーフ銀貨29枚)

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    ← 国王からの謝礼 160D

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