69 永訣
休みだ!休みだ!
深い闇に閉ざされた部屋の中、石造りの床に描かれた魔方陣が不気味な輝きを放ったかと思うと、そこから黒い靄が立ち上がり、複合獣の女が出現した。女の左の手足は半ばから無くなり、黒い猛禽の翼の先端も削り取られたように失われていた。
女はバランスを崩して、魔方陣の上に倒れ込んだ。半仮面に隠された顔を苦痛と屈辱に歪め、浅い呼吸を繰り返す。《眷属召喚》で大量の魔力を消費した上、体にひどいダメージを負ってしまった。回復にはかなりの時間がかかるだろう。
「ひどい有様だな、エリザベート。」
闇の中から浮かび上がるように出現した小柄なフード姿の人物が、女に声をかける。聞いているだけで怖気が立つようなしわがれ声が、闇の中に木霊した。
「老頭様!これは・・!!」
「分かっておる。お前の『眼』を通してすべて見ていた。あの力は侮れない。今は体を休めるがいい。」
複合獣の女は老頭と呼ばれた人物に、恭しく頭を下げると、そのまま闇に溶けるように姿を消した。
「あの力、手に入れられるものなら。・・・いや、我らの悲願はあくまで天空城の攻略。捨て置くが賢明か。」
フードの奥からから不気味な呟きが響く。魔法陣の光が次第に弱まり、部屋が闇に沈みゆく。
「多くの血が流れることを期待して西ゴルドの痴れ者に力を貸したが、失敗か。次の大乱まで、今しばらくは身を伏せるとしよう。あの力が我らの障害とならねば捨て置くのみ。だが再び立ち塞がるならその時は・・・。」
フードの人影が闇に溶け込むように消失した。同時に魔方陣の光も弱まり消える。部屋には再び深い闇が降り、すべてを静寂の中へと飲み込んだのだった。
ウェスタ村の娼館制圧から約一か月。ガブリエラは王城の離れに与えられた部屋で、王の使者の報告を聞いていた。
「領内で捕らえられたグラスプ伯爵とその一族の処刑が、明日行われることになりました。場所は王城内の処刑場です。」
「そう・・・。」
彼女は白く長いまつ毛に縁どられた緑玉の瞳を僅かに伏せた。彼女の両親と兄姉が処刑されたのと同じ場所で、仇ともいえるグラスプ伯爵が命を絶たれる。彼女はそのことに運命じみたものを感じずにはいられなかった。
ガブリエラが救出された直後、グラスプ領では王位簒奪を企てる内乱が鎮圧された。これには西部地方出身の多くの衛士、騎士、魔導師団が関わっていたが、内乱の情報を察知した王国軍によって、決起する前に全員が捕らえられたのだ。
グラスプ伯爵の一族も屋敷にいるところを逮捕された。ただ逮捕時には、伯爵以下一族重臣全員が、完全に正気を失い、言葉もまともに話せない状態だったそうだ。領を挙げての内乱の鎮圧がスムーズに進んだのも、指揮に携わる人間たちが機能不全に陥ったことが一因だったと思われる。
王国の首脳部はその結末に首を捻ることとなったが、あの半仮面の女の毒手によって洗脳されかけていたガブリエラにはその理由がよく分かる。私の家族もあの女の手によって心を壊され、操られていたのだろう。
内乱に関わった首脳部が正気を失ったことで、この事件の審理は紛糾した。反王党派の貴族たちからは、この内乱がゴルド帝国の諜報活動によって計画されたものではないかと主張し、伯爵が廃人同然になったことも踏まえて、処刑に反対する意見が出された。グラスプ家は改易とし、一族の中でも直接計画に関わっていなかった者は助命すべきではないかというのが彼らの主張だった。
だが捕らえらた兵士や使用人たちの証言から、たとえグラスプ伯爵が内乱を首謀してはいなかったとしても、帝国と内通していた可能性が極めて高いということが明らかになった。これは外患誘致であり、それだけでも極刑は免れない。
各派閥間で、様々な駆け引きがあったものの、結局は勢力を増す王党派の主張通り、一族郎党全員が処刑されることとなったのだ。その累は姻族にも及び、他家に嫁いだグラスプ家出身の女性たちは蟄居、その子は廃嫡され貴族籍を剥奪するなど、厳しい罰が下されることとなった。
ただ肝心の、この内乱を手引きしたと思われるものの情報は一切得られなかった。あの半仮面の女の目撃証言は得られたものの、彼女の素性について知っているものは誰も残っていなかったのだ。なお女が複合獣であったことは緘口令が敷かれたため、表向きにはなっていない。人心を乱す恐れがあるというのがその理由だった。
あの女に対する憎しみは募るが、それ以上に家族の末路を悼む気持ちのほうが、今は大きかった。彼女は王の使者に報告してくれたことに対する礼を言って、退室を促した。
翌日、彼女は王城内の処刑場へと赴いた。処刑は非公開とされたため、その場にいるのは見届け役である国王とその側近、そして彼女しかいない。彼女は刑場へ向かう通路の入り口でその様子を見ていた。
グラスプ伯爵家一族が地下牢から出され、次々と刑場へと引き立てられていく。だが彼らの大半は正気を失っており、意味不明な叫びを時折上げるだけで、目の前で親族が殺されても涙一つ見せることはなかった。
彼女はそれを虚しい思いで見つめた。私の家族の、そして今、目の前で繰り広げられている人々の死には、一体どんな意味があるのだろうか。粛々と処刑が進む中、最後に現れた男を見て、彼女は体の前で軽く合わせていた両手を、強く握りしめた。
「ピエール様・・・。」
グラスプ伯爵の次男ピエール・グラスプは、少しやつれてはいたが、背筋を伸ばしまっすぐ前を向いて歩いて来た。簡素な服に身を包み、後ろ手に魔力封じの枷をつけられているが、貴公子然とした態度は、上級貴族の誇りと気品に満ち溢れている。彼はガブリエラの姿に気が付くと、驚いたように目を見開き、彼女の前で足を止めた。
連行していた騎士が彼に歩くよう促そうとするのを、王が片手を挙げて制した。ガブリエラとピエール、かつての想い人同士であり、許嫁でもあった二人は、無言のまま見つめあった。彼女が言葉をかけようとしたとき、ピエールが先に口を開いた。
「よくも私の前に姿を出せたものだな、この背徳の薔薇め。お前を利用し、王位を簒奪しようとする父の目論見を打ち破ってさぞや、うれしいであろう。」
その言葉に護衛の騎士が殺気立ち、刑場にいた人々が剣呑な視線を彼に向ける。彼女は彼を痛ましい目でまっすぐに見返した。
「私はかつての想いを利用し、お前をおびき寄せようとしたのだよ。そうでなければ誰がお前のような汚らわしい女に声などかけるものか。」
ピエールは嘲るように言葉をぶつけた。ガブリエラは何も言わず彼の眼をじっと見つめていたが、やがて涙を一筋こぼすと、無言で彼に対して深々と頭を下げた。それを見たピエールはクッと表情を歪め、彼女から目を逸らした。
「・・・さらばだ、ガブリエラ。」
小さく、本当に小さく彼は呟き、処刑台へと上がっていった。執行人の剣が彼の首に振り下ろされる様を、ガブリエラは瞬き一つせずに見守った。
ピエール様、幼い時よりの癖、最期まで変わりませんでしたね。心を偽る時、いつも左瞼が僅かに動くこと、ご自分でお気づきだったでしょうか。ガブリエラは最後に見た彼の目と、彼の言葉を思い出す。
彼女は複数の証言から、彼がグラスプ伯爵が彼女を拉致しようとするのを、未然に防ごうとしていたことを知っていた。あの新年の宴の日、彼は私を救おうとしてくれていたのだろう。だが結局それは叶わなかった。
彼女はあの半仮面の女の奸計にかかり、彼が救出する前に囚われの身となった。彼はそのことをひどく後悔していたと、捕らえられた彼の側近が語ったそうだ。
そして彼は最後に、彼女を罵倒することで、自分への想いを断ち切らせようとした。誇り高く、不器用な彼らしいやり方だ。彼の気持ちはすぐに分かった。だがそれを指摘することは、彼の貴族としての矜持を傷つけることになる。だから彼女は、自分にできる精一杯のやり方で彼に応えたのだ。
ただ黙って一礼することで。私はあなたを今でも愛していますと。
二人の想い人は無言のうちに互いの心を交わしあい、そして別れた。ガブリエラは思う。
もしこの事件が起こらなかったら。もし私たちが貴族でなかったら。もしもっと違う形で出会っていたら。私と彼はきっと結ばれていただろうと。
だが彼も彼女も生き方を変えることはできない。彼に譲れない矜持があるように、彼女には誇り高きバルシュ家を再興させるという悲願がある。汚された一族の名を雪ぎ、その栄光をたった一人の妹に引き継がせなければならない。
そのために王国のために尽くし、人々の暮らしを守る。それが彼女にとっての贖罪だった。だけど今だけ。今だけは。
彼女はその夜、遂げられなかった想いを胸に、誰もいない私室で声を殺して泣いた。
その後、彼女は王に頼んで、彼の遺髪の一部と遺灰を分けてもらった。この国では死者が不死者の呪いに侵されないよう、遺体を荼毘に付す。その後は通常、墓に収めるのだが、刑死者の遺灰は弔われることなく、荒野にばらまかれるのだ。
彼女は錬金術を用いてケースの付いた銀の首飾りを作り出すと、その中にピエールの遺髪と遺灰を収めた。首にかけた首飾りが人目につかないよう服の中に隠す。ピエール様、私に力をお貸しください。彼女は自分の家族の遺灰が撒かれたという荒野に一人佇み、そっと祈りをささげた。
彼女は荒野を後にし、彼女が行くべき場所へと向かって一人で歩き出した。春の空は薄灰色の雲に覆われ、静かに雨が降っている。荒野がそれを優しく抱き留めるように、しっかりと受け止めていた。春に芽吹いたばかりの荒野の花は、雨粒にしっとりと濡れ、優しく密やかに花弁を輝かせていた。
春の三番目の月のはじめ。私は王様の部屋でテーブルに座り、いつものように王様とお茶を飲みながら話をしていた。
「ほう、それではハウル村の復興も始まっているのだな。それは何よりだ。」
「はい、この間まで燃えちゃった家の片付けで大変でしたけど、少しづつ作物を育てられるようになってるんですよ。」
私は村の様子を王様に教えてあげた。久しぶりに会った王様は、またかなり疲れているようだったけど、私の話を聞いてすごく喜んでくれた。
私は今からちょうど一か月くらい前、春の二番目の月のはじめに目を覚ました。息を使って敵を倒してから、大体15日くらい眠り続けたことになる。目が覚めた時にはもうすっかり雪がなくなり、春の若葉が芽吹き始めていた。
私は、眠っている私に付き添っていてくれたエマたちと一緒に、ハウル村へ戻った。私が眠っている間はエマたちの他、家妖精のシルキーさんも私の面倒を見てくれていたようだ。
宿を出るとき、ご主人に「宿がすごく快適になった」とお礼を言われた。私がずっと眠っていたせいで、暇を持て余したシルキーさんは宿の家事をこっそり手伝っていたらしい。そのおかげで宿の代金をだいぶ割引してもらった。
ちなみに宿の代金はカールさんが王様からもらったお金で払ったらしい。ノーザン村に避難している村の人が必要とするお金も全部カールさんが出してくれた。アルベルトさんが「カール様にはいくら感謝してもしきれないぜ」と言っていたそうだ。
ハウル村にはカフマンさんの馬車に乗せてもらって戻った。カフマンさんはサローマ領での魔法儀式でかなりお金を儲けたらしく、今ではたくさんの人を雇って、あちこちに物を運んでいる。今は王国の西部地方がひどく混乱しているそうで、カフマンさんはそこに積極的に物資を運んでいるそうだ。
だからすごく忙しいのに、私が目覚めたと聞いてわざわざ駆けつけてきてくれたのだ。カフマンさんは「カールには負けていられませんからね!」と言っていた。私はすごくいい人だなって思った。
私が戻ったとき、ハウル村にはたくさんの天幕が張られ、村の人たちはそこで生活をしていた。みんな私が目覚めたことをすごく喜んでくれた。幸い襲撃でひどいケガをした人はいなかったそうだ。誰も死んだりしていなくて本当にほっとした。
というか、おかみさんたちの中に子供を産んだ人がいたので、逆に村人が増えていた。生まれたばかりの人間の子供はとても小さくてふにゃふにゃしていた。エマは小さい赤ちゃんを見てすごく喜んでいた。私も喜ぶエマを見てすごくうれしくなった。
ハウル村の復興の指揮を執っていたのは、なんとガブリエラさんだった。彼女は王様から正式にハウル村の復興と開発を任されることになったそうだ。彼女は私を見ると黙って抱きしめてくれた。
彼女の白いローブと杖は新しくなっていた。何でもあの化け物と戦っているときに、どちらもダメになってしまったらしく、作り直したのだそうだ。
彼女がつけていた緑の宝石が嵌った銀の首飾りは無くなっていて、代わりに涙の形をしたケースの付いた、目立たない銀の首飾りを着けていた。
彼女は私に村の復興を手伝うように言った。私はもちろん頑張った。物を運んだり片付けたりするのはもちろん、魔法で新しい家を建てるための材料を切ったりもした。
カールさんも忙しそうにしている。雪が解けて街道を行き来する人が増え、ほとんど毎日荷物が届くので、街道を管理する彼はすごく大変そうだ。それでも私やエマと過ごす時間を作るようにしてくれている。私はそれがすごくうれしかった。
皆が言うには、カールさんの髪と瞳はちょっと前まで私と同じ色をしていたらしい。たぶん私の魔力と彼の魔力が一時的に結びついていたせいだろう。でもいつの間にか元の茶色に戻ったそうだ。ちょっと見てみたかった気もするけど、私は今のカールさんが一番好きなので、まあいいかなと思った。
あとカールさんが私に土人形のゴーラの核を返してくれたので、ゴーラも復活させて村の仕事を手伝ってもらった。
ペンターさんとフラミィさんは寝る間も惜しんで仕事に打ち込み、村の人たちの生活を立て直すために大活躍してくれた。村の人たちもフラミィさんが作った道具を使い、木こりの仕事や畑仕事に精を出していた。火事で逃げてしまった家畜も半分くらいは戻ってきてくれたし、幸い雪が残っていたおかげで農作物に影響も出なかった。
足りないものは私とガブリエラさんが魔法でどんどん作り、村の生活は少しずつもとに戻りつつある。今度、ガブリエラさんが王都から『建築術師』という人を連れてくるらしい。彼女は屋敷を立て、そこに妹のミカエラさんを呼びたいのだと言っていた。
ミカエラさんは王様が保護している。今は王様のところで貴族としての特訓中なのだそうだ。私は早く二人が一緒に生活できるようになるといいなと思った。
「ところで王様、ガブリエラ様を攫おうとした複合獣の人の正体って分かったんですか?」
「今、調査しているがね。ほとんど手がかりがないんだ。帝国まで行けば手がかりがつかめるかもしれないが、難しいだろうな。」
王国と帝国とはとても仲が悪いのだそうだ。ガブリエラさんの家族が殺されたのも、どうやら帝国のせいらしい。私はすごく腹が立った。もしまた何かしてきたら、帝国ごと焼き払ってしまおうかしらと考えたりもしたけれど、私には誰が本当に悪い人なのか見分けられないので諦めた。
でも今度ガブリエラさんやカールさんやエマたちに何かしてきたら、絶対に許さない。皆、危うく死ぬところだったと聞いて私、ものすごく怖かったんだからね!
「そういえばカールさんが王様の作った首飾りを使って、ガブリエラ様を助けたって聞きました。ありがとうございます。」
私が丁寧にお礼を言うと、王様はちょっと照れたように笑った。
「私も話を聞いたときは本当に驚いたよ。『隷属の呪い』の強制力で咄嗟に暴走から自分たちを守るとは。私もまったく予想がつかなかった。」
王様が言うには、ガブリエラさんの魔力が暴走しかけた時、カールさんが隷属の首飾りを発動させたことが二人の命を救ったらしい。彼がガブリエラさんを隷属させ「死ぬな!生きろ!」と命じたことで、呪いの強制力が暴走している彼女の魔力を無理矢理捻じ曲げて、二人の守る魔力の障壁を作り出させたのだそうだ。
隷属の呪いは相手の意思に反して命じたことを実行させる働きがあり、また支配者を自分の力で害させないようにする働きもある。
だから「死ぬな」とカールさんが命じたことで、ガブリエラさんは自分を守る障壁を作った。同時に支配者であるカールさんを魔力の障壁で守った。その結果、二人は助かったらしい。
あの首飾りは王様が、ガブリエラさんに言うことを聞かせるために、カールさんに託したもので、王様自身か王の紋章の入った起動鍵を持つ者でなければ起動できないのだそうだ。
カールさんはこれまで首飾りを起動させていなかったけれど、ガブリエラさん自身がカールさんとの約束を守るという証として常に身に着けていた。どんな約束なのか、その内容までは知らないけれど、おかげで二人が助かったのだから、偶然とはいえ本当によかったと思う。
ガブリエラさんが約束を守って首飾りを身に着けていてくれたことと、カールさんの機転が上手く重なり、二人は命を取り留めたのだ。本当に奇跡のような偶然だ。
私がそう言うと王様は少し微妙な顔をして「私は君の前髪のせいじゃないかと思うがね」と苦笑した。私の前髪?
いったい何のことですかって聞いても王様は笑って教えてくれなかった。今度エマに聞いてみよっと!
「王様、もう悪い人をやっつけたから、これで安心ですか?」
私の問いかけに王様はちょっと難しい顔をした。
「内外の情勢は今のところ落ち着いているが、西部地方では僅か数年の間に大領地を保有する貴族が立て続けに消えたから、民の暮らしはまだまだ安定しているとは言えないな。」
王様は腕組みをしながらそう言った。実はガブリエラさん誘拐事件とほぼ同時期に、サローマ伯爵の息子ニコルくんが襲撃されるという事件が起きたそうだ。それは伯爵自身が防いだので未遂で終わったそうだけど、もしニコルくんに何かあったら、サローマ家と王家との関係がおかしなことになっていたかもしれないと、王様が教えてくれた。
またそれだけではなく、王国のうんと西にある西ゴルド帝国という国が、王国のすぐ西隣の東ゴルド帝国に攻め込もうする動きがあったそうだ。これは王国の内乱と時期が一致するらしい。
「西ゴルド帝国の皇帝は、この大陸の覇権を狙っているのだよ。おそらく王国の混乱に乗じて東ゴルドを攻め、そのまま我が国も滅ぼす算段だったのかもしれないな。」
王様はそう教えてくれた。かなり大規模に仕組まれた計画だったんだと聞いて私はすごく驚いてしまった。しかもその動機が全く分からない。
大陸を支配してどうするんだろう。人間は竜と違って一人でそんなに広い縄張りは必要ないと思うんだけど。私にはそれがすごく不思議でしょうがなかった。
最後に王様は私に「ガブリエラ殿のこと、よろしく頼む」と言った。私は「もちろんです!」と答えた。
そして二人でいっぱいおしゃべりをした後、私は王様にお茶のお礼を言い、《どこでもお風呂》で王様の体を癒すと、ハウル村に戻ったのでした。
種族:神竜
名前:ドーラ
職業:錬金術師
所持金:1843D(王国銅貨43枚と王国銀貨1枚と王国金貨1枚とドワーフ銀貨1枚)
→ ハウル村復興資金で5020D支出
→ 行商人カフマンへ5480D出資中
不穏な動きは残っていますが、しばらくは平和なお話が続きます。たぶん。
読んでくださった方、ありがとうございました。