32 交渉
今回おっさんしか出てきません・・・。
ドーラとカールが、ガブリエラに「おバカ!!」と怒鳴られた日の3日前。ドルアメデス国王の執務室に併設されている会談の間で、二人の男が対峙していた。ドルアメデス国王ロタール4世と、王都領の南に領地を持つサローマ伯爵である。
「塩の買取価格を下げる!?どういうおつもりですか!!」
「言葉通りだよ、サローマ卿。この価格でなければ買い取れないと言ったのだ。」
「こんな値段ではとても引き合いません。冬になれば日光が弱まり、海水を乾燥させるための燃料が余計にかかるのです。王都領から仕入れている木材価格が据え置きのままなのに、ここまで価格を下げられたら利益など無くなってしまう。輸送費を考えたら完全に赤字です。陛下は王都民に塩を使わせないおつもりなのですか?」
王はその問には答えず、ただ「まあ、これを見てくれ。」とだけ言った。
控えの間から大きな壺を抱えたハインリヒ・ルッツ男爵が現れた。ルッツ男爵は下級貴族だが、王の懐刀として知られる人物。噂では王家の密偵を束ねているというが・・・。
男爵は秋の中頃、執務中に突然倒れ、その後療養ということで1か月以上姿を隠していた。反王党派の貴族たちはその間、男爵が何か王の密命を受けて活動しているのではないかと警戒し、その行方を探ろうと躍起になっていたのだ。中立派のサローマ伯爵も密偵を通じて情報を集めていた。
だが結局、ルッツ男爵の行方は杳としてしれないままだった。療養中で自宅に引きこもっているようだという報告もあったが、そんなわけはない。それを裏付けるように、今の男爵を見ても長期の療養をしていたようにはとても見えなかった。やはり裏で何か動いていたに違いないと、伯爵は油断なく男爵の動きを見つめた。
にもかかわらず、サローマ伯爵はルッツ男爵が差し出したものを見て、思わず身を乗り出してしまった。
「こ、これは塩!?これほどの品質のものを一体どこで!?」
渡された塩を口に含んだ伯爵が表情を変える。《毒物探知》の魔法を使うこともなく差し出された塩を口にしたところから、サローマ伯爵の激しい動揺が伺えた。
王は全く表情を変えることなく、淡々と伯爵に告げた。
「魔法で塩を安価に作り出す方法を編み出したのだよ。この塩を作ったのはガブリエラ嬢だ。」
「ガブリエラ・・・?」
どこかで聞いた名だが・・・。そうか、ガブリエラ・バルシュ!あの『背徳の薔薇』か!!
反王党派の内紛で滅ぼされたと噂されている侯爵家の忘れ形見。しかし彼女がまさか王家のために働くとは。もしや父親の死の真相に辿り着いて、反王党派に復讐するために王家と結んだのか?
ということは、やはりあの噂は真実だったのだろうか・・・?
サローマ伯爵は王国内の勢力図を思い描いた。今後激しく移り変わるであろう情勢を考えているうちに、冷静さが戻ってくる。
よく考えろニコラス・サローマ。王は『方法が見つかった』と言った。ならばまだ研究の段階か。それともすでに量産の目途が立っているのだろうか。
王の強気の交渉ぶりから察すれば、すでに十分な量の塩が確保されているように思える。だが交渉を有利に進めるための見せかけの可能性も捨てきれない。揺さぶりをかけて、情報を引き出さねば。
「陛下、買取価格の引き下げの理由は分かりました。しかしその値段でサローマ領で塩を作り続けることはもはや不可能です。陛下はサローマ領での塩の生産を取りやめさせるおつもりなのですか。」
伯爵の側近や護衛騎士がハッと息を呑む。ここが勝負どころだ。サローマ伯爵はわずかの変化も見逃すまいと、王の目をまっすぐに見つめた。
ドルアメデス王国の塩は王家の専売制となっており、国内で流通する塩には王家が定めた公定価格が適用されている。塩は生活に欠くことのできない品だ。もしこの値段が乱高下するようでは国内が荒れるもとになる。だから王家が塩の値段を管理することで国民の生活を守っているのだ。
ただ、これは各領主が生産地から買い入れるときの値段で、各領主はそれをさらに商人に売り渡すことである程度、利益を上げている。もちろん、ほとんどの領主は領民の生活の安定を考え、暴利を貪るような真似はしない。利益と言ってもせいぜい輸送費を賄える程度だ。
商人たちはそれを各領内で小売りするわけだが、そこには輸送費用などが含まれるため、実際に王国民が手にする塩には地域によって微妙に差があるのだ。
王国内で海に面した領地はサローマの他あといくつかあるが、サローマ以外は地理的・気候的条件から、塩の生産量はさほど多くない。せいぜい領内の一部に流通させられる程度だ。
つまりサローマ領で塩が作られなくなれば、王国の塩の流通そのものが止まってしまう。
塩作りはサローマ領の伝統産業であり、そこには数多くのノウハウが存在する。出来上がった塩を流通させるための手立て、商人たちとの繋がりなどは、有形無形の『財産』と言ってもよい。
単純に塩を作りさえすればよいというわけではないのだ。もちろん、王もサローマ伯爵もそのことは十分に分かっている。
だからサローマ伯爵の発言は『もし王が塩の産業を独占するつもりなら、サローマ領はそれに協力するつもりはない』と王に突き付けているに他ならない。
もちろんそんなことをすれば、サローマ領は主産業を失うことになり、経済に大打撃を受ける。この発言は、サローマ伯爵にとってまさに『捨て身の一撃』ともいえるものだった。
だが王は、動じることなくサローマ伯爵を静かに見つめていた。伯爵は王の意図を図る。嫌な予感がして背筋に冷や汗が流れるのを感じた。まさかすでに塩の備蓄が十分にあり、流通の手段が整っているというのか?
伯爵はそこでハッと気づいた。あの新しくできた街道!あれは塩を流通させるための輸送路か!
密偵からの報告では街道はレンガで舗装され、大型馬車が十分にすれ違えるほどの幅があるという。あれだけの儀式魔法を一夜にして成功させるならば、かなり前からサローマ領を追い込むための準備をしていたということだ。
王の動向は常に探らせていたが、そんな素振りは全く報告に上がっていなかった。それほどまでに巧妙に策を仕込んでいたとは!サローマ伯爵は王の底知れない魔力と恐るべき智謀に戦慄した。
そういう思いで見れば、今日の王は以前より精力的で溌溂としているように見えた。この数か月、体調がよくないように見えたのは、儀式魔法のために魔力を消費し続けていたからだろう。
それを隠すため、主治医に薬を依頼するふりまでして自分の体調を偽り、貴族の目を謀っていたとは・・・!
サローマ伯爵はすでに自分がどうしようもないところまで追い込まれてしまっていることにようやく気が付いた。王はすでに数手先まで準備を整えているはずだ。
このまま塩産業を王に取り上げられてしまえば、サローマ領は破綻する。王は一兵も損ずることなく王都南部地域を支配することができる。そして、今のサローマ家にはそれを止めるだけの余力がない。
追いつめられた伯爵が思ったのは、愛する妻アレクシアと一人息子のニコル、そして領民たちのことだった。
なりふり構っている場合ではない。王が最終的な決断を下す前に、王が始めようとしている塩産業に少しでも食い込まなくては。このままサローマ領が切り捨てられてしまえば、多くの領民が路頭に迷うことになる。それではバルシュ領の二の舞ではないか・・・!
伯爵の脳裏には、ニコルの命の灯火が消えようとする様がまざまざと浮かんで見えた。
ああ、すまない。アレクシア、ニコル。私は最低の父親だ。お前たちを守ると言いながら、結局私は領主としての責任を投げ出すことができないのだから。
伯爵が王に恭順を誓い、慈悲に縋ろうとしたその時、これまで黙って伯爵を見つめていた王がゆっくりと口を開いた。
「サローマ伯爵、内密の話をしたい。人払いを願えないだろうか。」
王が手にしていた錫杖を自らの側近に預けた。これは魔術師である王にとって、身を守る手段を手放すのに等しい。
「!? はい、承知いたしました、陛下。」
有利に交渉を進められるはずの王がなぜ自ら人払いを・・・?伯爵はその意図を図りかねたが、王に領民の助命を嘆願するには願ってもない機会だ。伯爵はすぐに自分も短杖を側近に手渡した。
部屋から二人の護衛騎士や側近、侍女たちが出ていく。伯爵の年老いた側近は、扉が閉まる瞬間まで伯爵を心配そうに見つめていた。
部屋の中にいるのが、国王と伯爵、そしてルッツ男爵だけになると、王はおもむろに話し始めた。
「現在、王都には魔法によって作り出された数か月分の塩の備蓄がある。」
サローマ伯爵は自分の血が下がっていく音を聞いたような気がした。やはり王はすでにサローマ領を追い込めるだけの手立てを持っていたのだ。
たとえ塩の買取価格が下がらなくとも、王都からの買い入れが数か月ストップしてしまえば、サローマ領は瞬く間に干上がってしまう。多くの民が仕事を失い、領内には無数の餓死者が出るだろう。だが伯爵家にはそれを救済するだけの財が残っていなかった。伯爵は自分の愚かさを後悔したが、すでに後の祭りだ。
おそらくこの後、最後通牒が突き付けられるはずだ。どんな要求を突き付けられたとしても、それを跳ねのけることはできない。王の慈悲に縋るしか今の伯爵には方法がないのだ。
サローマ家は改易され、サローマ領は王の直轄地になるだろう。おそらく伯爵一家は王都に幽閉され、やがて人知れず命を奪われる。せめて幼いニコルだけでも助けたいが、改易された伯爵家の跡取り息子など王にとっては邪魔にしかならない。
ガブリエラとその妹が助命されたのは、偏に女性だったからだ。それにどのみち、魔道具の助けなしにニコルが生きていくことなどできないのだ。
伯爵家の跡取りが病弱ということが知れれば、どこから不穏な動きを招き入れるか分からない。そのためニコルの容体について知られないよう、細心の注意を払ってきた。
しかしそれも努力もすべて無駄になってしまった。伯爵家の財はほとんど失ったが、ここに至ってニコルの治療のために、領民の生活を圧迫せずに済んだと伯爵は安堵した。そして家族三人、一緒に女神様の下に還れるのが唯一の救いだと、伯爵は悲しく考えた。
もう自分たちの命は仕方がないとして、家臣や領民たちが少しでも良い条件で暮らしていけるよう王に嘆願しなくては。それが領主としてニコラスに残された唯一にして最期の仕事だった。
ニコラス・サローマ伯爵は固唾を飲みながら、王の言葉を待ち受けた。
「サローマ卿、私はこの新しい塩作りの技術が完成したら、それをサローマ家に譲りたいと思っている。」
サローマ伯爵は自分の耳を疑った。技術を譲る?いったい何を言っているんだ?混乱する伯爵をよそに、王は話を続けた。
「サローマ領では今まで通り塩を作ってほしい。ただこの魔法による塩作りが軌道に乗ったら、買取価格は下げさせてもらいたい。私は王国に暮らす誰もがこの塩をもっと安く手にしてほしいと思っているのだ。」
「陛下、いったい・・・。」
「言いたいことは分かっている。この塩が安価に、そして大量に王国中に出回るようになれば、サローマ家の力は一時的に低下するだろう。しかし長い目で見ればそれは必ずサローマ家を発展させることになる。すべては民のため。貴公ならばそれが分かるはずだ。頼む。」
王は伯爵に頭を下げて頼んだ。絶大な魔力と智謀を持ち、サローマ家など容易くひねり潰せる力を持った王がなぜ?
言葉をなくした伯爵を見て、王はさらに言葉を続けた。
「サローマ家はこれまでずっと、王にも貴族たちにも与さない中立を保ってきた。私の計画を進めれば、必然的にサローマ家は王党派だと見られるようになるはず。それは王国内に新たな確執を生むやもしれぬ。貴公もこれまでとは違った生き方をせねばならぬだろう。」
王は一度言葉を切った後、伯爵の目をまっすぐ見つめ、きっぱりと言い切った。
「だがそれは王国に新たな風を吹かせ、民の暮らしを豊かにするために必要なことだ。私は王としてどんな困難にでも正面から立ち向かうつもりだ。」
ロタール4世は優れた魔法研究者で錬金術師。よく言えば温和な、悪く言えば優柔不断なところのある人物だと、サローマ伯爵はそう思っていた。
だが今、目の前にいる王からは、そんな惰弱さなど微塵も感じられない。民を思い、気概に溢れた理想の王の姿がそこにはあった。雷に打たれたように体が動かない。伯爵は王の言葉に聞き入った。
「サローマ卿、私は誰もが飢えにも争いにも怯えずに生きられる国を作りたい。そのために貴公の力を貸してほしい。」
王はちらりとルッツ男爵に目線を向けた後、わずかに微笑んで言葉を続けた。
「それは貴公のご家族、ひいてはご子息の未来のためになるのではないかな?」
サローマ伯爵は衝撃で体が震えた。ああ、この方は知っている!ニコルのことも、サローマ家の窮状も!すべてを知っておられるのだ!!密偵であるルッツ男爵に目線を送ったのが何よりの証拠ではないか!!
にもかかわらず私に頭を垂れ「共に国を作ろう」とおっしゃってくださっている。なんという王としての度量。そして、なんという深い慈悲の心だろうか。
それに引きかえ、自分はなんと矮小なのか。自領や家族のことばかりに汲汲として、王国の民のことなど顧みることすらしていなかった。伯爵は、領民の暮らしを預かるなどと嘯いていた自分が、急に恥ずかしくて堪らなくなった。
ニコラス・サローマ伯爵は自然と王の前に跪き、深く頭を垂れた。
「陛下、私も陛下の国づくりの末席に加えていただきたく存じます。私などの力でよければ、どうぞ存分にお使いください。」
ロタール4世はすっと立ち上がるとニコラスを立たせ、その手を取った。
「ああ貴公の力に期待している。よろしく頼む。」
王に心からの言葉をかけられ、ニコラスの両目からとめどなく熱い涙がこぼれる。王の目にも同じように涙が光っていた。ニコラスは再び跪き、叩頭して王に嘆願した。
「陛下!伏してお願い申し上げたいことがございます!もうご存じのことと思いますが、私の一人息子ニコルのことでございます。どうか王都で治療を受けさせてやっていただきたいのです!!」
「・・・ああ、もちろんだ。私ができうる限りの力を使って、ご子息の治療に当たらせてもらう。安心してくれ。」
ニコラスはこれまで肩に背負っていた重荷がとれたように思った。王国でも最高の錬金術師である王が自ら治療に当たってくださるとは。なんという僥倖だろう。もうこれで思い残すことは何もない。
「ありがとうございます、陛下。では私は領地に戻ります。王の計画のために必要なことを整える準備をいたしますので、何なりとお申し付けください。息子は近日中に舟で王都に連れてまいります。」
王は鷹揚に頷いて、部屋を出ていくサローマ伯爵を見送った。扉を閉ざし周辺の探って人の気配がないことを確認したルッツ男爵が、ロタール4世に話しかけた。
「陛下、サローマ伯爵のご子息のこと、ご存じだったのですか?」
「いや知らん。お前は何か知ってるのかハインリヒ?」
「公式の場には姿を見せないという噂ですが・・・探らせておきますか。」
「ああ、できるだけ情報を集めておいてくれ。あの言いぶりではかなりの難病なのだろう。あと近衛騎士を護衛に出そう。手配を頼む。」
「かしこまりました。王が伯爵にご子息のことをおっしゃったので、てっきり何か知っていらっしゃったのかと思いました。伯爵もそう思っていたようですよ。」
「いや、やっとできた子供をえらく大事にしていると聞いていたからな。なかなかうんと言ってくれなくて参ったよ。だから苦肉の策だ。それに彼と奥方のロマンスは貴族の間では語り草だし、家族のことならば聞いてくれるのでは、とね。」
「ああ『白百合姫と三つの試練』ですね。私も劇を見たことがありますよ。」
ハインリヒは王都の劇場で上演されている中でも人気の高い恋愛劇のことを思い起こした。だいぶ脚色されているし、名前や身分も変えられているが、劇の筋書きはサローマ伯爵と奥方のなれそめの実話がもとになっているのだ。
王はぐったりと椅子に掛けると、安心したように呟いた。
「急に涙を流し始めた時は驚いたが、まあ交渉がうまくいってよかった。」
「伯爵はひどく感じ入っていらっしゃいましたね。サローマ家にとってはほとんど利のない話ですし、いつ決裂するかとヒヤヒヤおりました。」
「ああ、王都の塩の備蓄について話したのは賭けだった。あそこで交渉が決裂していたら、反王党派に塩の流通を取られてしまったかもしれない。」
王は伯爵との胃の痛くなるようなやり取りを思い起こす。王都に塩の備蓄があるといっても、わずか数か月分。サローマ伯爵が反王党派と結託して王都の塩の流通を止めてしまえば、王には対抗する術がない。
もちろんドーラの力を借りれば解決するかもしれないが、彼女の力に頼るのは危険だ。いつ彼女がこの国を出ていくとも限らないのだから。そんな不安定なものに頼るほど、王の責任は軽くない。
だからどうせ賭けるならと、最後はサローマ伯爵の人間性に賭けた。王は、サローマ伯爵の領地経営についての噂をかねがね聞き及んでいた。サローマ伯爵は領民一人一人を大切にしている。そこで胸襟を開き、信義を持って語りかけたのだ。
サローマ伯爵ならば分かってくれるのではないか、と。ただ、そんな風に考えられるようになったのはつい最近のことだ。それまではいくら中立派のサローマ伯爵であっても、相手を信じて自分の真意を話すことなど思いもよらなかった。
王は自分の考え方に影響を及ぼしている娘のことを思った。不思議な力を持ち、善良で、銀貨が大好きな美しい娘のことを。
ドーラの置いていった大量の塩は確かに今回の交渉のカギになった。だがそれはあくまできっかけに過ぎないと王は今、考えている。
国を作り守るのは絶大な個の力ではない。そこに暮らす人々の力を合わせて作るものだ。王はそれをまとめる役割に過ぎない。
だがロタール4世は今までそんな当たり前のことに気が付かなかった。いや、忘れてしまっていたというべきか。
貴族との交渉に明け暮れ、各勢力の利害を調整することばかりに腐心するうち、その勢力を形作る多くの民の姿が見えなくなっていたのだ。
だが絶大な力を持ちながら、村での生活を生き生きと語るあの娘が、私にかつての理想を取り戻させてくれたのだと、王は思った。
「あの子が今度やってきたときには、何か特別な褒美をやらなくてはならないな。」
「陛下、何かおっしゃいましたか?」
「いや、何でもない。こちらの話だ。さあ、執務に移ろう。ハインリヒ、お前にはこれからも苦労を掛ける。」
「・・・私は身分に関係なく民が幸せに暮らせるよう願うばかりです。陛下の御心のままに。」
見つめあう二人。お互い年を取った。理想を語り合った日々はすでに記憶の彼方。だがやっと理想の国づくりを始めるときが来たのかもしれない。
同じ夢を抱いたかつての親友同士、そして今は固い絆で結ばれた主従は、互いに目を合わせ、あの頃のように笑みを交わすと、今後の厄介な問題を解決するための仕事に取り掛かったのだった。
種族:神竜
名前:ドーラ
職業:ハウル村のまじない師
文字の先生(不定期)
土木作業員(大規模)
鍛冶術師の師匠&弟子
木こりの徒弟
大工の徒弟
介護術師(王室御用達)
侍女見習い(元侯爵令嬢専属)
所持金:4283D(王国銅貨43枚と王国銀貨78枚とドワーフ銀貨7枚)
読んでくださった方、ありがとうございました。