130 模擬戦
次回はガブリエラ回の予定です。まだ一文字も書いてませんけど。
※ ウルスのセリフを一部訂正します。
×弟 → 〇従弟
私が王都の東門の外側に農場を作ってから10日程が経った。春の三番目の月がそろそろ終わろうとしている。
今日、エマたちは他の学年との合同実習があるらしい。朝食が終わった後、エマたちは実習服に着替えて、カールさんと一緒に魔力演習場に行ってしまった。
だから私はいつものように自分の仕事を済ませた後、長衣と半仮面姿になって、寮の厨房裏を見にいった。
「あ、ドーラさん、おはようございます。」
杖を持って官服を着た男の人が私に挨拶をしてくれる。私も元気よく「おはようございます!」と返事をした。
彼は王様が派遣してくれた下級官吏さんで、私の作った魔道具『腐敗遅延の壺』に魔力を充填するためにやって来てくれているのだ。
この壺を作ったのは勿論、貧民街に持っていく食べ物の傷みを無くすためだ。本当は《腐敗防止》の魔法を使った魔道具が作りたかったのだけれど、消費魔力が大きすぎて私以外扱えなかったので、仕方なく《腐敗遅延》を使うことになった。
《腐敗遅延》は食べ物などが傷むのをゆっくりにすることができる生活魔法の一つだけれど、消費魔力が大きい割りに半日くらいで効果が切れてしまうという、ちょっと残念な魔法だ。
この魔法を使った『腐敗遅延の壺』も同じように半日くらいで効果が切れてしまう。魔力を注げばまた使えるようになるのだけれど、魔力の少ない平民さんでは当然扱えない。
そのことを王様に相談したら、壺の管理をしてくれる下級官吏さんを派遣してくれることになったのだ。
下級とはいえ彼も貴族なので、本当なら平民である私は彼に平伏して接しなくてはいけない。だけど最初にそう接したら、彼から非常に恐縮され「すぐにおやめください!」と言われてしまった。
いくら理由を聞いても教えてくれなかったけれど、どうやら私は王様の関係者だと思われているようだった。一応「違いますよ」と説明したのだけれど、いくら説明しても全然分かってくれなかったので、結局そのままになっている。
唯一止めさせられたのは「ドーラ様」って呼ぶことくらいかな。
「いつもありがとうございます!」
「いいえ、ドーラさん。私こそドーラさんのおかげで念願の官職に就くことができました。本当にありがたいですよ。母校で働けるのも嬉しいですしね。」
彼は何年か前に王立学校を卒業してから仕事がなく、実家でひどく肩身の狭い思いをしていたらしい。だからこの仕事に就くことができてすごく喜んでいるみたい。給料は物凄く安いみたいだけど、官職に就いて爵位を得るということがとても大事なんだそうだ。
ここだけじゃなく、貧民街への残飯が出るところすべてに、私は『腐敗遅延の壺』を配った。他の所ではそれぞれ担当の官吏さんが魔道具の管理をしてくれているんだけど、王立学校には王様の配下がいなかったので、役職が新設され、彼が採用されたというわけだ。
私は彼に「よろしくお願いします」と言ってその場を離れ、《不可視化》で姿を消すと、《転移》の魔法で東門の外にある農場に移動した。
整然と水路の張り巡らされた農場ではすでにたくさんの人たちが働いていた。私は人目に付かないところで《不可視化》を解除し、農場内を歩いて東門へ向かった。
「これはこれは、ドーラさん。今日も来てくださったんですか。」
東門のすぐ外に作られた農場の管理事務所にいた人が、私に気づいて声をかけてきてくれた。カフマン商会のお仕着せを着ているこの人はカールさんのお父さんが紹介してくれた『代理人』さんだ。
とても楽しい人で、いつも面白い話をしては、私を笑わせたり驚かせたりしてくれる。
「農場の様子はどうですか?」
「今の所、とても順調ですよ。お預かりしている資金も不足はありません。おかげさまで私どもの商品の売れ行きも申し分ありませんね。」
農場で働く貧民街の人たちにカフマン商会が商品を売り、それをまた賃金として支払うという仕組みが生まれているそうだ。そうすることで「お金が増えていく」らしい。
ただお金をやり取りしていくだけなのに、どうしてお金が増えるのか不思議でしょうがないけれど、説明してもらってもよく分からなかった。
以前、カールさんは「お金は必要な人の所に、必要なものを届ける働きがある」って言っていた。
それも不思議だなと思っていたけれど、お金が増える仕組みはそれ以上に不思議だ。貴族のことについてもそうだけれど、人間の考える仕組みは本当に複雑で面白い。
ちなみに私は『出資者』という立場になっているらしいです。
「街の人たちの様子はどうですか。」
「魔法薬の使用で住民の健康状態はかなり良くなってきています。託児所や学校の運営も順調ですね。『ごほうび制度』のおかげで子供を学校に通わせる親が増えましたよ。」
『ごほうび制度』というのはエマとミカエラちゃんが考えた仕組みだ。学校に通っている子供たちに読み書き計算の試験を行い、成績に応じて賞金を出す。これを導入したことで労働力にならない小さい子供たちを学校に通わせる親が物凄く増えた。
この仕組みを代理人さんは、働けない子供でもお金を稼ぐ機会があるわけだから、かなり効果が大きいと言ってくれている。
この学校の先生をしてくれているのは、引退した元行商人の人だ。体を壊して働けなくなり貧民街に流れ着いたという人で、驚くほど計算が速い。
代理人さんによると、彼は子供好きな性格らしく、とても熱心に教えてくれているらしい。
読み書きができる子供たちはいろいろな職場で重宝されるという。学校に通うことが、子供たちの希望に繋がるといいなと思う。
「問題は起こっていませんか。」
「卵や作物の盗難が十数件、農具や家畜を黙って持ち出そうする事件が数件起きました。ですがすべて捕縛して衛士隊に突き出しました。それからは大きな問題は起こっていませんね。」
この国では、犯罪を犯して衛士隊に捕縛されると量刑に応じて罰を受けることになる。
殺人を犯した人は問答無用で死刑。殺した相手の数や身分によって処刑方法が変わるらしい。
傷害事件を起こすと、相手にケガを負わせた分の弁済を求められるそうだ。もし弁済しきれない場合は『犯罪奴隷』として売り払われてしまう。これは窃盗の場合も同じだ。
ただしこれは平民同士の場合の話。相手が貴族になると量刑がぐんと重くなる。逆に貴族が平民に対して罪を犯した場合は、いろいろな抜け道があるそうだ。なんか理不尽では?
この貴族の抜け道を許さず犯罪を取り締まっているのが、カールさんのお父さんらしい。だからカールさんのお父さんは貴族からひどく嫌われていると聞いた。
ちなみに奴隷は人間ではないと考えられているので、自分の奴隷なら殺しても罪に問われないそうだ。人間なのに人間じゃないなんて、なんだかすごく変な感じです。
この農場は王様の持ち物。なのでこの農場での犯罪は『王に対する罪』ということになる。これは王国では最も重い罪だ。
農場内の家畜や道具を盗もうとして捕まった人たちは莫大な額の弁済を要求され、犯罪奴隷として売られてしまったという。
犯罪奴隷は基本解放されることがなく、また過酷で危険な仕事を割り振られることが多いため、ほとんどの人が数年以内に命を落とすそうだ。
私はちょっとひどすぎるんじゃないかなと思ったけれど、これが王国の決まりと言われれば何ともしようがない。
農場を作らなければこんなことにならなかったかも。私がそう思っていると、そんな私の気持ちを読んだみたいに代理人さんが言った。
「この恵まれた環境の中で盗みを働くような連中は、あなたが何もしなかったとしても、遅かれ早かれそうなったでしょう。情けなどかけてやる必要はありませんよ。」
すごく厳しい言葉だと思うけれど、何も言い返せなかった。私に出来るのはこれ以上、罪を犯す人が出ませんようにと祈ることくらいしかなかった。
貧民街の人たちの生活は少しずつ向上しているし、それによって希望を持って働ける人が多くなってはいるけれど、全員がそうではない。
依然暗い目をして街中を徘徊している人もいるし、住むところがなく路上での生活をしている人もいる。私は代理人さんに彼らのために何かできることはないか聞いてみた。すると彼はすぐにこう言った。
「それは止めておいてください。もう十分ですよ。」
「で、でもせめてみんなで暮らせるお家を建てるとか・・・。」
「必要ありません。金を稼ぐ手段はすでにあるのですから。ここでの暮らしが嫌になって出ていきたくなれば、勝手に出ていきます。自分で食べていけない者にはちゃんと救いの手を差し伸べているのですから、これ以上は必要ありません。」
代理人さんは強い調子できっぱりとそう言い切った。
「彼らがここに居るのは、ここに彼らの居場所があるからです。それを外からの考えで強引に変えようとするのは、傲慢というものですよ。」
「傲慢、ですか?」
代理人さんはこくりと頷いた後「すみません、熱くなってしまって。つい言いすぎてしまいました」と私に謝った。私は大丈夫ですと答えた。
でもその言葉とは裏腹に、心の中では彼の言った言葉の意味がぐるぐると渦を巻いていた。
彼の言葉を理解する上で、私はまだ人間について知らないことが多いのだと感じた。私はまだまだ学ぶべきことがたくさんありそうだ。
農場で働く家族の姿と、暗い目をしてそれを見つめる人たちの間で、私はそう考えたのだった。
その頃、王立学校の魔力演習場では、男女・他学年の混合による合同魔力実習が行われていた。
今日行われるのは魔力操作の正確さと速さを競う実習だ。講師は学長のベルント・ゴルツである。演壇の上から、目の前の椅子に座っている術師クラス・騎士クラスの生徒たちを見下ろし、呪文を唱えた。
彼の短杖の先に現れたのは白く輝く光の矢。彼が使ったこの《魔法の矢》は無属性魔法の最も初歩的な攻撃魔法だ。彼は光の矢を浮かべたまま、生徒たちに向かって話し始めた。
「諸君は当然、この魔法を使えるだろうな。属性に限らず一定以上の魔力があればどんな者でも使うことができる魔法だ。自分の魔力を純粋な力として具現化させるこの魔法は、詠唱も短く魔力消費も低い。少しばかり才能と魔力に恵まれた者ならば、さほど努力せずに無詠唱で発動できるようになる。単純な魔法だ。護身用として男女問わず必須の呪文と言ってよいだろう。」
生徒たちの多くは何をいまさらという表情で学長の話を聞いていた。だがエマを含む数人の生徒たちは学長の作り出した矢をじっと見つめている。
「だが単純であるが故に、個人の力量差が最も出やすい魔法でもある。鍛え上げた上級魔導士の《魔法の矢》ともなれば、まさに必殺の一撃になりうる威力を持つ。そういう魔法だ。」
学長の作り出した光の矢を見て、エマは驚きを隠せなかった。
「すごいね、ミカエラちゃん。あんなに長い間話しているのに先生の光の矢、全然揺れないよ。」
「そうだねエマちゃん。それに光が強くなったり弱くなったりする様子もない。物凄い安定感ね。まるでお姉様の魔法を見てるみたい。」
エマとミカエラがこそこそと話しているのを聞きつけた生徒たちが、驚いて学長の光の矢を見た。学長はその様子を見て満足そうに笑った。
「今日はこの《魔法の矢》を使って模擬戦闘実習を行う。二人で対戦し先に相手の胸の校章に矢を命中させたものを勝者とする。学年・性別を問わず戦うが、組み合わせはこちらで決める。」
生徒たちは耳を疑った。初歩魔法とは言っても《魔法の矢》はれっきとした攻撃呪文だ。胸に命中させれば命の危険がある。
不安がる生徒たちに、学長は言った。
「勿論このままの矢を使うことはしない。まずは行うべきは出現させた矢を安定させること。次に威力の調整だ。」
ベルントがそう言うと、彼の杖の先に浮かんでいた光の矢がみるみる小さくなっていく。
「魔力を調整し、この大きさにまで縮めるんだ。これなら万が一、当たっても命を落とすことはない。拳骨で軽く突いた程度の痛みはあるがね。」
それを聞いた女子生徒たちが怯えた顔をした。学長は光の矢を消滅させると、次の呪文を唱えた。すると学長の体の正面に彼の顔の大きさくらいの光の盾があらわれた。無属性魔法の《小さき盾》の呪文だ。
「この魔法も諸君ならば当然使えるだろう。この《小さき盾》の魔法で相手の矢を防ぐことは許可する。痛い思いをしたくなければ、相手の攻撃よりも早く盾で防ぐことだな。では始めよう。」
学長が最初に戦う組を指名する。一度に10組20名が対戦するようだ。エマは最初に呼ばれた。エマの対戦相手は騎士クラスの6年生だった。
対戦相手は自分よりもはるかに小さい相手を見て、拍子抜けといった表情をしている。彼は曲がりなりにも騎士クラスの最上級生。入学したての、しかも女子になど負けるわけがない。
「では杖を構えて。はじめ!」
だが呪文を使おうとした彼は学長の号令と同時に、胸をどんと突かれたような衝撃を感じた。彼は何が起こったか分からないまま、バランスを崩して後ろ向きに倒れた。彼の目の前でエマは軽く杖を構えている。
「負けた者は席に戻り給え。」
放心したように地面に座っているエマの対戦相手に学長が声をかけた。呆然と席に戻る彼を、1年生たちは気の毒そうな目で見つめた。
全員の対戦が終わり、次の組が呼ばれる。勝ったものはそのまま残る仕組みのようだ。号令と共に勝負が開始され、エマはまた勝ち残った。
エマの相手はなぜか騎士クラスの上級生ばかりだった。最初はその組み合わせを奇妙に感じていた他学年の生徒たちも戦いが10戦20戦と重なり、すべての対戦に一瞬で勝利するエマに対する目が変わってきた。
他の組では激しい攻防や手の読み合いなどが行われているにもかかわらず、エマの対戦相手は全員が号令と同時に敗北している。
その後も対戦が続いたが、激しい敵意や警戒の目を向ける相手をエマは瞬殺し続けた。生徒たちは今やエマの戦いに釘付けだった。
エマはすでに100戦以上戦い続けているが、疲れた様子は全くなく、魔力に一筋の乱れもない。すでに太陽は中天に達しようとしている。午前の授業の終わりが近づいているのだ。
学長が最後に指名したエマの対戦相手は、同級生のリンハルト殿下だった。1年生から悲鳴のような声とリンハルトへの声援が同時に上がった。
以前見たリンハルトの神速の居合術を思い出し、エマは油断なく相手を観察した。リンハルトは泰然と立っている。両者は号令に従い同時に杖を構えた。
「はじめ!」
開始の合図と同時に無詠唱でエマの《魔法の矢》が作り出された。だがその時にはすでに目の前からリンハルトの姿が消えていた。
エマは矢を素早く解除し、気配だけを頼りに激しく横に転がりながら《小さき盾》の魔法を使った。盾は出現すると同時に矢の攻撃を受けて消滅する。
エマは素早く起き上がるとすぐに矢を作り出し、矢が飛んできた方向に打ち出した。その矢はリンハルトの姿を捕えていなかったため簡単に躱されてしまった。だがそのことでリンハルトの姿を捕えることができた。
リンハルトはありえないほどの速度でエマの死角に回り込もうとしている。エマはリンハルトの姿を逃すまいと、バックステップで距離を取り、矢を作り出した。
こちらに向かって正面から飛び込んでくるリンハルトの胸めがけて矢を打ち出す。だが命中したと思った瞬間、リンハルトの姿が消えた。
「うそ!?」
後ろから聞こえた僅かな着地音にエマが振り返った。ジャンプして頭上を飛び越えられたのだと悟った時にはすでに、エマは胸に強い衝撃を感じて後ろに倒れこんでいた。
咄嗟に受け身を取ろうとしたが、ほぼゼロ距離からの一撃だったため、首を下げて頭を守るのが精一杯だった。背中を強打し肺の空気をすべて吐き出したエマは、そのまま気を失った。
最後の瞬間にエマが辛うじて知覚できたのは、焦った表情でこちらに手を伸ばすリンハルトの姿と彼を称える生徒たちの大歓声だけだった。
胸に暖かなぬくもりを感じて、エマはゆっくりと目を開けた。
「エマちゃん! よかった。痛いところはない?」
「ミカエラちゃん・・・。ありがとう。癒しの魔法を使ってくれたんだね。」
演習場のベンチに横になっていたエマは、ミカエラに礼を言って体を起こした。自分の胸に手を当ててみる。痛みはすでにないが、胸に魔法の矢が当たった感触ははっきりと思い出すことができた。
「私、負けちゃったんだね。皆はどこに?」
「もうとっくに寮に行っちゃったよ。私たちも行こう。ニーナちゃん達が待ってるよ、きっと。」
二人が立ち上がり、演習場を出るために歩き出した。すると演習場の出口に立っていた一人の男子生徒が二人に声をかけてきた。彼の実習服についている半外套の色は鮮やかな黄色。騎士クラスの2年生だ。
「エマさん、大事はないか。」
「はい。大丈夫です。えっと、あなたは?」
「!! ウルス殿下!」
ミカエラが驚きの声を上げる。声をかけてきたのはドルアメデス王国王太子ウルクの嫡男ウルスだった。跪こうとする二人をウルスが制止する。
「王立学校では生徒同士は対等な立場だ。そのようなことはしないでくれ。それよりも私の従弟が大変失礼なことをした。」
ウルスはエマに近づくと、彼女の様子を気遣うように顔を覗き込みながら言った。
「ご心配いただきありがとうございます。実習中のことですから問題ありません。それにあの時、リンハルト殿下は私を助けようと手を伸ばしてくださっていたんですよ。」
「リンハルトが!? 見間違えではないのか?」
「はい。私はっきりと覚えています。負けたのはすごく悔しいですけど、リンハルト殿下に対しては何とも思っていません。」
ウルスはその言葉を聞いて、ホッとした表情を見せた。
「そうだったんだね。最後の一撃がかなり強かったみたいだから、リンハルト殿下がわざとそうしたのかと疑っちゃった。」
「そんなことないと思うよ。多分力が入り過ぎちゃったんじゃないかな。だってちょっと焦った顔してたもの。リンハルト殿下はすごく強かったよ。私、もう一回やりたいな!」
エマの言葉を聞いてミカエラは「エマちゃんらしいね」と言ってクスクス笑った。
「大事がなくて何よりだった。では私はこれで失礼する。今後、何か困ったことがあったら、何でも私に相談してくれ。従弟の無礼の詫びをしたいのでな。」
ウルスはそう言い残し、自分の寮である第五寮の男子棟へ帰っていった。
その後姿を見ながら、エマがくすくすと笑いだした。
「どうしたの、エマちゃん?」
「あのね私、今日で二人の王子様と会ったでしょ? おとぎ話でしか知らなかった人とこうやって話しているのが、なんだかすごく不思議な感じがして、可笑しくなっちゃったの。」
「そう言えばそうだね。それニーナちゃんに話してみたら、きっとすごく喜びそう!」
二人は顔を見合わせて笑いあった。そして話を聞いたニーナがどんな顔をするかを話しながら、寮への道を歩いて行った。
種族:神竜
名前:ドーラ
職業:上級錬金術師
中級建築術師
所持金:2050000D(王国銀貨のみ)
→ ゲルラトへ出資中 10000D
→ エマへ貸し出し中 5000D
読んでくださった方、ありがとうございました。