120 入学式
学年数え間違えてました。10歳から15歳までだから5年じゃなくて6年ですね。あとで前の話を訂正しておきます。すみません。
春の2番めの月の最初の日。私とエマは朝からずっと、今日の昼前に行われる王立学校の入学式に出席するため、準備をしていた。
「ドーラ様、よそ見をしないでくださいませ。」
「す、すみません。」
隣に座っているエマを、ニコニコしながら眺めていたら、私の髪を結ってくれているコネリさんから注意されてしまった。エマはカールさんの侍女リアさんに真新しい制服を着せてもらっている。
私はまっすぐ正面を向いて姿勢を正した。コネリさんが丸っこい指を器用に動かして私の髪を細かく編み込んでいく。
今、私がいるのはカールさんの実家、ルッツ家のお屋敷の一室だ。室内はガランとしていて、飾り気はないけれど可愛らしい感じの古い家具が僅かに置いてあるだけだ。部屋の掃除は行き届いているけれど、生活感はまったくない。多分普段はあまり使われていないのだろう。
使い込んだ化粧台の横の壁には、額に入った小さな絵が飾られていた。描かれているのは、優しい目をした女性だ。私はなんとなくカールさんに似てるなと思った。
私がその絵をぼんやり眺めていると、それに気が付いたコネリさんが話しかけてきてくれた。
「あの方は18年前に亡くなったカール様のお母様ですよ。」
カールさんのお母さんは彼が小さいときに死んでしまったと、彼から聞いたことがある。彼は今年で22歳だから、彼のお母さんは彼が4つの時に死んでしまったってことか。
「お母様は、カール様によく似ていますね。」
「ええ、とてもお美しい方でした。・・・またこのお部屋を使える日が来るなんて、本当に夢のようですよ。」
コネリさんはそう言って、指でそっと目元を押さえた。その後、身支度を整えてもらう間、私はコネリさんから小さい時のカールさんの話を聞かせてもらった。
「カール坊ちゃんは、小さいころから本当にお優しくて真面目な子供だったんですよ。嘘や隠し事が苦手で、それでよくバルドン様にからかわれていらっしゃいました。例えばあれはカール坊ちゃんが6つの時に・・・。」
コネリさんは次々とカールさんの話をしていく。最初はカール様と呼んでいたのが、いつの間にかカール坊ちゃんに変わっていた。でもそれにも気づいていないほど、話に夢中になっている。エマとリアさんもその話に聞き耳を立てているようだった。
言葉の端々から、コネリさんがカールさんを大事に思っている気持ちが伝わってくるようで、聞いている私も何だか嬉しくなってしまった。
やがて身支度が終わるとコネリさんが小さめのお盆くらいの鏡を持ってきて、私に「いかがですか?」と尋ねた。この鏡は金属を磨いて作ったもののようだ。かなり古いものらしく、表面に僅かな歪みがあった。私はコネリさんが持ってくれている鏡の表面に、ぼんやりと映る自分の姿を眺めた。
私の顔の両側の髪は丁寧に編み込まれて、頭の後ろに回されている。そこには薄桃色の花を象った小さな髪飾りがつけられていた。逆にいつも太い三つ編みにまとめてある後ろ髪は解かれて梳られ、背中に流れるように垂れている。歩くたびにふわりと広がるので、急に動かないように気を付けようと思った。
私が着ているのは首回りが大きく開いた、明るい若草色のドレスだ。白いレースやフリルがたくさんついていてすごくきれい。ひじの先辺りまである袖は先に行くほどふんわりと広がっている。ひらひらしているので、これも動き方に気を付けないといけない。ガブリエラさんとの特訓が思い出される。
このドレスの下に着ているのは、普段村では付けたことのないようなつやつやの下着だ。薄い布で作った真っ白い長靴下も履いている。これは『ストッキング』っていうらしい。
このストッキングはお腹に巻いた『ガーターベルト』っていうのと紐で繋がっている。多分長い靴下がズレ落ちないようにするためだと思うんだけど、それなら最初から履かなければよいのでは?と思わずにはいられない。
でも貴族の女性が人前で素足を出すのはとても『はしたない』ことらしい。村のおかみさんたちは、普通にスカートを太ももの辺りまで上げて水汲みや洗濯をしていたから、何だかすごく変わってるなって思った。
さらに踵の高い小さな靴を履く。花の飾りがついていて、ピカピカに磨かれたとてもきれいな靴だけれど、小さいのですごく窮屈だ。エマの履いている編み上げの長靴がすごく羨ましい。
ドレスに合わせて装身具も付ける。小さな緑色の宝石をあしらった銀細工の首飾りと耳飾り。キラキラしてものすごくきれいだ。
私は一目見ただけで気に入ってしまった。でも身に着けるよりも、ずっと眺めていたい感じだ。だって身に付けたら自分ではキラキラが見えないんだもん。
このドレスと靴、装身具、髪飾りはすべて仕立て屋のドゥービエさんが届けてくれたものだ。昨日、目の下に隈を作った彼女が突然やってきて、この衣装一式を置いて行った。何でもこの衣装を作るために、ここ数日徹夜をしてくれていたらしい。
ドレスと一緒にあった手紙には、髪型や装身具のつけ方などに細かい注意書きがしてあった。本当は彼女が自分で着付けをしたいようだったけれど、他のお客さんの注文があるから来られないのだと、ものすごく残念そうに言っていた。
それで血の涙を流さんばかりの表情で帰っていった彼女の代わりに、コネリさんが身支度をしてくれたのだ。彼女は化粧品や香水も置いて行ったのだけど、匂いがきつくてちょっと嗅いだだけで鼻が痛くなってしまったので、それは遠慮させてもらった。
ちなみに衣装を着た私の様子はまた絵に描いて、ドゥービエさんに送ることになってます。制服姿のエマとミカエラちゃんの絵も描いて、ガブリエラさんに送ってあげたいなあ。
化粧をしなくて済んだおかげで、エマとちょうど同じくらいの時間で、私の身支度も終わった。エマは春の制服を着て、髪を二つ結びにしている。金色がかった薄茶色の髪に桃色のリボンを付けたエマは、本当に可愛らしい。
身支度を終えて部屋を出ると、官吏の礼装に身を包んだカールさんがやってきた。彼は私とエマを見て「二人ともすごく素敵だよ」と言ってくれた。エマは元気よく「ありがとう、カールお兄ちゃん!」と返事をしていたけれど、私は何だか恥ずかしくて、俯いて微笑むのが精一杯だった。
私たちはカールさんのお父さんが準備してくれた馬車に乗り、王立学校へ向かった。リアさんも一緒だ。
今日の入学式に出席するのはエマと私、カールさんの三人。式には新入生の保護者が二人、参観者として出席するのが普通らしい。それで私とカールさんが参加することになったのだ。
リアさんは式の間に、バルシュ家の侍女ジビレさん、家令マルコさんと三人で、エマとミカエラちゃんが入寮する予定の部屋を整えてくれることになっている。
学生寮には個室と2人部屋、4人部屋があり、それぞれ寮費が異なる。平民であるエマは当然4人部屋。だけどミカエラちゃんも同室に入る予定だ。
バルシュ家は伯爵位を持っているので、本当ならミカエラちゃんは個室を選べるのだけれど、ミカエラちゃん自身の希望でエマと同室になったのだ。
ミカエラちゃんは「私は小さいころから修道院で他の子たちと一緒に暮らしていたから、個室よりも大勢で一緒の方がいいの」と言って、照れたように笑っていた。彼女は今、王城の離れで寝起きしているので、式の会場で合流する予定になっている。
柔らかい春の日差しの中、馬車は貴族街を抜けていく。木戸を開け放った窓から、貴族の邸宅の庭に植えられた様々な花の香りが漂ってくる。私とエマは窓の外に見えるきれいな生け垣や花壇などをじっと眺めた。
あちこちの家から、馬車が出てきた。どの馬車も王都の北西区へと続く大通りを目指している。私たちと同じように入学式に参加する貴族たちだろう。
大通りにはたくさんの馬車が並ぶ長い列ができていた。私たちの馬車も通りの端によって、列に並ぶ。その脇を一際大きくて豪華な馬車が次々と通り過ぎていく。
カールさんが「あれは中級貴族の馬車ですよ」と教えてくれた。大通りを通る時には、身分の高い貴族の馬車を優先するという決まりがあるそうだ。だからルッツ家のような下級貴族は、目的地に着くまでにかなり時間がかかるらしい。
始まる時間よりもうんと早く屋敷を出た理由がやっと分かったよ。
私たちはおしゃべりしながら、通りを行く馬車を眺めていた。話すのはさっきコネリさんから聞いたカールさんの子供の頃の話だ。彼は「コネリはそんなことまで話したんですか」とちょっと恥ずかしそうな顔をしていた。
私はそんな彼をなんだかかわいいなと思った。思わず笑みがこぼれる。ふとリアさんを見ると彼女も私と同じよう顔をして、カールさんを見つめていた。でも私の視線に気付いたら、すぐいつもの真面目な顔に戻ってしまった。
その後、長い馬車の行列が少しずつ動きはじめた。やがてものすごく長い壁が続く通りに出る。
「この辺りは上級貴族の住んでいる街区ですね。」
カールさんの言葉で通りを見ていたら、立派な門の前に槍を持った衛兵さんたちがいるのが見えた。門の格子戸は鎖で厳重に封鎖されている。
「カールお兄ちゃん、あのお家は?」
「・・・あれはグラスプ伯爵家の屋敷だったところだよ。」
カールさんは痛ましいものを見るような、どこか遠い目をしてその門を眺めていた。
どこまでも続く長い塀の先に、今度はたくさんの職人さんたちが出入りしている門が見えた。門の隙間から見ると荒れ放題になっている庭をきれいにしている途中のようだ。門の格子戸には見覚えのある紋章がつけられていた。
「このお屋敷はガブリ・・・ミカエラちゃんのお家ですか?」
「そうですね。旧バルシュ侯爵家の敷地です。ミカエラさんが成人したら自分の領地とこの屋敷を行き来することになると思いますよ。」
私とエマは馬車の窓からその屋敷をじっと見た。ガブリエラさんがかつて生活していた家。そして彼女がミカエラちゃんのために取り戻した家は、徐々に私たちから遠ざかっていった。
貴族街区を抜け、大きな噴水のある広場を越えると、馬車の行列の先にとても背の高い建物が見えてきた。馬車の列はその建物の敷地に消えている。建物のはるか向こう、一段高くなった丘の上には王様の住む王城が小さく見える。
正面に見えるこの大きな建物がきっと王立学校に違いない。建物の門を守る衛士さんにカールさんが入学式の招待状を示すと、中に通してもらえた。
レンガで舗装された広い敷地のあちこちに、きれいに手入れされた木や花壇が配置されている。その真ん中には大きな石の台座の上に、金属で作られた三体の人間の像が飾られていた。
像はそれぞれ本と杖と剣を持っている。大きな像を見上げて口を開けていたらカールさんに笑われてしまった。エマも私とまったく同じ顔をしていたみたいだ。
「そうしていると本当の姉妹にしか見えませんね」と言われ、私とエマは顔を見合わせてニンマリした。
美しい庭園の中の通路を抜け、やがて馬車は正面に見えていた大きな建物の前で止まった。半円形の屋根を持つ巨大な円筒形の建物が中央にあり、そこから両翼に二階建ての長い建物が伸びている。
建物は石造りで、太い柱や梁にも美しい装飾があり、至る所に騎士や魔術師と思われる像が付けられている。カールさんによるとあれはすべてこの学校を卒業し、偉大な功績を残した人たちの像らしい。
「中央にあるのが玄関ホールで、両翼に伸びているのが文官や先生方の執務棟です。入学式の行われる中央講堂はこのホールの向こうにあります。では行きましょう。」
カールさんに手を取ってもらい、私とエマは馬車を降りた。私たちが降りると馬車はリアさんを乗せたまま、走り去っていく。この後リアさんは停車場に行き、そこから使用人用の通路を通って学生寮に向うそうだ。
私たちはカールさんに導かれて玄関ホールに入った。ホール内は吹き抜けになっていて天井がとても高い。建物のあちこちに魔法の照明が設置されていて、中はとても明るかった。
ホールの床は美しいモザイクタイルで出来ている。正面と左右に深い臙脂色の絨毯が敷かれた廊下が伸びていて、馬車を降りた人たちは皆、正面の廊下に向って歩いて行く。
私とエマは初めて見る建物の大きさに圧倒され、その高い天井を見上げた。このホールは正面の廊下の両脇に、壁に沿って上へあがる階段がある。それは、ホールをぐるりと一周する空中回廊へ繋がっていた。
天井や壁一面には鮮やかな色彩で絵が描いてある。剣を持って戦っている人たちや、杖を掲げて魔法を使っている人などが描かれているが、これはどうやら一つ一つが何らかの場面を表しているようだと思った。
建物の内側の柱や梁にも、繊細な浮き彫りが施されていて、まるでホール全体が一つの大きな絵物語になっているようだ。
ホールの美しさに圧倒されているのは私たちだけではないようで、真新しい制服を着た新入生たちも私たちと同じように口を開けたまま、周りをきょろきょろ見回し、一緒に居る保護者に叱られていた。
私たちは他の人たちと一緒に正面の廊下を通り、入学式の会場である中央講堂に入った。
「新入生はこちらの入り口から入ってください。保護者の皆さんは上階の観覧席へどうぞ。」
案内をしてくれる侍女さんにそう言われて、私とエマは中央講堂の入り口で分かれた。私はカールさんと一緒に階段を上り、観覧席に向かう。
「すご!・・・いですね、カールさん。」
観覧席から会場全体を見回した私は、驚きのあまり声を上げそうになった。でも周りの人たちがサッとこちらを振り向きかけたので慌てて口を閉じ、カールさんにそっと話しかけた。カールさんはにっこり笑ってこくりと頷いた。
この中央講堂は大きな長方形をした建物で、真ん中はとても広い空間になっていた。そしてそれを取り巻くように壁に沿って階段状の座席が作られている。
私これ、建築術の授業でクルベ先生から教わったことがある。えーと、確か・・・そう『アリーナ』っていう建物だ!
講堂の壁面にはたくさんの人の絵や胸像などが飾ってあった。
「あれは王立学校の先生方の肖像画です。ほら、あそこにクルベ先生の絵もあるでしょう?」
カールさんがそっと示した先を見ると、確かにクルベ先生の姿を描いた絵があった。でも村で見るクルベ先生よりも、なんとなく大きく立派に描かれている気がする。帽子もずれてないし。
私が「あんまり似てませんね?」と聞いたら、彼は軽く噴き出し「失礼」と謝った後、「そうですね」と言った。
私たちの席は観覧席の一番上、エマたちのいる中央の広間から一番離れた場所だった。席に座っている人たちの後ろを通って席まで歩いていると、周囲からすごい視線を感じた。私はそっとカールさんに耳打ちをした。
「何だかすごく見られてる気がするんですけど、私どこか変ですか?」
彼は私の方をちらりと見て「大丈夫です。とても素敵ですよ」と言い、エスコートする私の手を軽く引いて、自分の体に私を近づけた。
すると周囲の男の人たちが苦虫を噛み潰したような顔になり、舌打ちをして視線を逸らした。逆に女の人たちは「ほう」とため息を吐いて、うっとりするような目で私たちを見送った。
私は視線が減ったことにホッとして彼に「ありがとうございます」と耳打ちをした。彼の耳は夕焼けみたいに真っ赤になった。
席に着いた私とカールさんは、並んでいるたくさんの新入生の中からエマを探した。この観覧席の席順は身分順なので、私たちの場所は中央のエマたちからかなり離れている。私はカールさんに一言断ってから《視力強化》の魔法を使い、自分とカールさんにこっそりとかけた。
「あそこです。一番後ろにいますよ。」
カールさんが指す方を見ると、何列も並んでいる生徒たちの一番後ろに、エマとミカエラちゃんが一緒に並んでいた。彼によると入学式の時には寮の部屋ごとに並ぶことになっているそうだ。
ということは二人のすぐ前にいる女の子二人が、エマと同じ部屋の子っていうことかな?
私はその二人、赤茶色の長い髪をお団子にまとめている背の高い女の子と、焦げ茶色のまっすぐした髪を二つ結びにしている小柄な女の子をじっくりと眺めた。
寮の中でエマのお世話をするようになれば、私も自然と彼女たちと顔を合わせるようになるはずだ。どんな子たちなんだろう。仲良くなれるといいなあ。
やがて入学式が始まった。最初に学長という人が講堂の正面に置いてある台に上って、新入生に話をした。すごく痩せた学長さんが話し始めると、遠く離れているのに建物全体からその声が響いてきた。
「建物全体に《拡声》の魔法陣が描かれているそうですよ。」
驚く私にカールさんがそう教えてくれた。なるほどそうだったのか。ものすごく声が大きいのかと思ってびっくりしちゃった。
学長さんの話はすごく長かったけれど、簡単に言うと、これから6年間の学校生活でお互いに頑張って立派な成績を取りましょう、ということだった。
その後、何人かの先生たちから学校生活についての説明があった。
王立学校内では家の爵位や身分に関係なく生徒はみな平等であること。明日、能力の適性を見る検査が行われること。季節の終わりに試験がありその成績が悪いと進級できないこと、等々・・・。
最後に学生寮についての話があった。学生寮は入学年度ごとに6つの寮に分けられるそうだ。エマたちの寮は第六寮だった。
その発表の後、先生たちが手分けして生徒たちに、緑色の小外套を着せていった。これはエマたちの学年の色で、卒業するまで変わらないらしい。
「ふむふむ、じゃあカールさんも小外套をもらったんですよね。何色だったんですか?」
「私もエマと同じ緑色でしたよ。ガブリエラ様もそうですね。」
カールさんがすごく懐かしそうにエマとミカエラちゃんの姿を見ていた。私はあとで絵に描くために、小外套を纏った二人の姿をしっかり目に焼き付けようと、じっと目を凝らした。
全員が小外套を着け終わると、新入生の先頭に並んでいた男の子が一人、優雅な足取りで演壇に上がっていった。
「あれは第二王子パウル殿下のご子息リンハルト様ですね。」
彼が王様のお孫さんか。でもあんまり王様と似てないなー。
私がそう言うとカールさんはちょっと難しい顔をして「リンハルト様はお母様を血を濃く受け継いでいらっしゃるようです」と言ったきり、黙り込んでしまった。どうしたんだろう。何か気になることでもあるのかな?
リンハルトくんは癖のある金色の柔らかい髪を軽くかき上げた後、入学式を開いてもらったことへのお礼の挨拶を始めた。声変わりしていない男の子の声が、講堂内に響く。淀みなく言葉を続けるその様子を見て、すごく堂々としているなと感心してしまった。
彼は一度言葉を止めた。そして皆の注目が自分に集まったのを確かめてから、ゆっくりとした口調で挨拶を締めくくった。
「私と共に第六寮へ入る新入生の皆さん、積極的に交流を深め、この6年間を実り多いものにしようではありませんか。この国と我々の自身の未来のために。」
種族:神竜
名前:ドーラ
職業:上級錬金術師
中級建築術師
所持金:2322220D(王国銀貨のみ)
→ ゲルラトへ出資中 10000D
→ エマへ貸し出し中 5000D
→ 入学式のための礼装代 20000D
読んでくださった方、ありがとうございました。次回は閑話です。