第3話 準備 (後編)
来ちゃった、なんてかわいい感じで言いながらこいつは僕のことを専属の料理人としか思っていないに違いないなんて思いながら
「あぁごめん、少し集中してて忘れてたよごめんごめん。今から急いで作るから少し待ってて」
そういうと妹は
「お兄ちゃん集中すると時間のこと忘れるもんね。それとお母さんいないみたいだけど仕事いったの?」
「あぁそうらしいな。ほら飯作るから下に降りよう」
そう言って妹と一階に向かった。そして料理を作りながら僕はいつものように考える、なぜ自分は料理を作っているのだろうかと。僕は料理が得意なほうではない、料理の腕は妹のほうが上なのだが母さんがいないときは大抵の場合料理を作るのは僕が作ることになっている。ほらできたぞと言いながら妹と一緒に昼食をとるのだがいつも一口目を食べて言う言葉はまずいなのだがそれを無視して食べ終わったら洗い物よろしくと言って自分の部屋に戻る。
部屋に入ってからスマホを開く。ログインを済ませてから商品購入の画面へと進むとカタログと同じように商品が表示されその中から初心者におすすめと書かれたものを選択し注文してみる。購入金額の確認が表示されたが値段は0円となっている。その理由はこれから持ちつ持たれつの関係を築いていくお客さまの暗殺者としての第一歩を記念しまして今回は無料で提供させていただきます、と*で書かれてあった
。希望する時間を入力し無事に注文は終わった。時間は明後日の6時にしておいた。この時間なら学校から帰っているだろうし妹はまだ部活をしているだろう。母はいったん仕事に出かけると1、2ヵ月は帰ってこない、アパートを借りていてそこで本を書いているらしい。明日からまた学校が始まるので予習をしなくてはと思い僕はテキストを取り出した。
どこからともなく良い香りがしてきて僕は空腹に気が付いた僕は時計を確認すると7時30分を少し過ぎていた。1階に降りると妹が料理を作ってくれていたので
「うまそうだなぁ」そういいながら座ると
「日曜はお兄ちゃん8時くらいまで勉強してるし平日は作ってもらってるからそのお礼だよ」
何だかんだかわいい妹なのだ。それから夕食を食べながら学校はどうだなんて他愛のないはなしをして僕は風呂に入って明日から始まる学校生活に備えたのだった。