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聖杖物語黒の剣編エピソード3白銀の狼第3章白銀の狼Part1救出へ

マコとヒナに知らされた美琴の失踪。

ギガントの罠に落ちダークホラーと化した美琴を救出に向かう虎牙。

その前に立ちはだかった男は・・・

「虎牙兄さん!美琴、美琴はいますか!?」

「帰って来ていますかです。」二人がいきなり家に駆け込んできた。

「え?2人とも?美琴と一緒だった筈では?」オレは慌てて駆け込んできた2人に逆に聞き返した。マコちゃんが一瞬戸惑った感で、黙ったが意を決した様に、

「美琴が、美琴があたし達を救ってくれたんです。でも、居なくなってしまって・・・」ヒナちゃんが続ける。

「私達、決めたんです。美琴が居なくなる位なら記憶が無くなってもいいって。だから、美琴を許して、帰ってくるように言ってください。お願いします。です!」

ー記憶を消すって事は、美琴のヤツ聖導器を使ってしまったのか。二人の前で・・・ダークホラーと戦ってしまったのか?ー

「マコちゃん、ヒナちゃん。美琴とどこで別れたんだい?」オレの問いに、

「ランドの中でです。」ヒナが言う。

「そこで、3人の男にあたし達が捕まって・・・美琴が魔法で助けてくれたんです。そしたら、美琴が・・・もう逢えないって!・・・会えないって言って走り出したんです。」マコちゃんが必死にオレに訴える。

「あたし達の記憶を守る為に、美琴がどこかに行ってしまうなんて嫌、嫌なんです。」マコちゃんが、オレの服を掴んで涙を流して叫ぶ様に言う。

「解った、オレが探すから、探しに行くから。マコちゃん、ヒナちゃん。今の話、誰にも言わないでくれ。頼む。」マコちゃんは俺の服を放して、

「お願いします。虎牙兄さん、美琴を連れて帰って来てください。あの笑顔をあたし達にもう一度見せて欲しいって伝えてください。」涙声でそう言った。

「わかった、必ず伝える。さあ、2人とももう遅いから、お帰り。」

「お願いします・・・虎牙兄さん・・・さよなら。」

2人が家を出てすぐ、獅道と取猫に連絡する。

「ランドで?美琴が・・・どうして?オレがチケットを渡したばっかりに・・・すまん美琴。」

<プルプルプル>携帯が鳴る。獅道からだ。

「オレだ。」「兄さん!大変だ。美琴のヤツ、魔獣界に入ってしまった様だ。」

「な、なんだと?」「位置が特定できた。今送るから、取猫と一緒に現場で落ち合おう。」「よし、わかった。」オレは携帯を切って、家を飛び出す。

ー美琴、どうして一人で背負うんだ。オレに言わなかったんだ。オレはそんなに信用できないのか?美琴!-現場へ急ぐ途中、オレは考え込んでしまった。

「兄さん、ここです。」「虎牙様。」2人が先に現場に居た。

「ここで、魔導士の反応と美琴様のピンク水晶の反応が途切れています。」

ー公園のブランコで、美琴と魔導士が一体何をしていたのか・・・。-さして争った跡も無い。

「兎に角、取猫。トレース出来そうか?」

「難しいですね。結界を開いたとしても、何処に居られるのかが解りませんから・・・」

「兄さん、美琴はどうしてこんな所に一人で?」オレは真実を獅道に告げられなかった。

「式鬼を追って来たのではないのか?」獅道は悔しそうに、

「また、アイツは。一人で突っ走りやがって。」

「まあ、そう言ってやるな。今は美琴を助け出すほうが優先だ。」

「解ってるよ。兄さん。」

ー!!-その時、突然空間に歪が発生する。

「こ、これは!?」取猫が驚愕の面持ちでオレ達に言う。

「結界が開きます。魔獣の反応が、こちらに出てきます。」

「なんだと?奴らが、オレ達の前にわざわざ来るとは。」獅道が身構えながら言う。オレも身構えながら、

「油断するな、獅道。」右手を構え、クロウを出現させながら言う。目の前に闇の穴が、現われ中から聞き覚えの有る声がする。

「美琴は中にいるぞ。虎牙、獅道救いたければ入ってくるがいい。」

ーその声はオヤジ!-

「オヤジか!?美琴を返せ!」オレは、言うなり魔獣界に入る。

「兄さん!」獅道も続いて入ってきた。闇の中で、狼牙が佇んでいる。

「ふふふ、虎牙、獅道よく来た。」

「オヤジ!美琴は何処だ?」オレの問いに、

「もう、お前の知っている美琴は存在しない。」

「?何を言っている?オヤジ?」

「お前の妹、冴騎美琴は存在しない。生まれ変わったのだ。」

「なんだと?」オレが狼牙に向かって訊いた答えは全く違う所から返ってきた。狼牙の後から現れた男が言い放った。

「冴騎虎牙よ、見よ生まれ変わった美琴の姿を。これが、我が黒の巫女、ダークホラー美琴だ。」大男の横に髪を乱した美琴の姿が、

ーあの姿は?黒の魔導士。いや、違う。瞳は赤黒く澱んでいる。それに髪飾りまでが黒く、腕のブレスレットも黒色になって全身が黒尽くめだ。何が美琴にあったのか?-

「ぐはははっ、冴騎虎牙よ。お前は黒の巫女に奉げられた生贄よ。黒の巫女に殺され巫女の力を完全な物にする為のなあ。ぐはははっ!」

ーくそっ!美琴が黒の巫女だと?させるか!・・・しかし、ヤツは言った。完全な物にすると。だったらまだ、救えるかもしれない。ー

「獅道!オレに力を貸してくれ!」

「言われるまでも無い。兄さん!」2人は揃って右手を掲げ、

「聖召還<ビースト>!」を唱える。光の中から鎧が2人に装着される。鎧は高々と雄叫びを上げた。

「くっくっくっ!良いぞ良いぞ。このギガントの思う壺だ。狼牙よ、獅騎導士獅道を葬れ。虎牙はこの巫女に、始末させようぞ。」

「了解した・・・」狼牙が手に持った剣を振り上げ、降ろすと黒い霧が狼牙を包む。その霧が晴れるとそこには、黒い鎧を纏った鋼狼鬼が居た。

「父さん!」獅道が呼び掛けたが、

「ゆくぞ!獅道!!」剣を翻し、鋼狼鬼が獅道に着きかかって行った。

ーオレは、美琴と闘えるのか?最愛の妹と・・・-

闘いは、始まる。

最愛の美琴と・・・

オレは、美琴を救えるのか?

次回Part2白銀の狼

次回も読んでくれなきゃだめよーん

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