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聖杖物語黒の剣編エピソード3白銀の狼Part2落ちる心

ギガントに捕らえられた美琴。

美琴の心を蝕む罠。耐えられるのか?

それとも・・・・

「ぐふふっ、さすれば話は早い。美琴よ、ダークサイドに入ってもらおうか。」

ーえ?そんなの絶対嫌。だっさまてそんな事したら虎牙兄と・・・-

「お前自体がダークサイドに落ちれば、最早聖杖など必要なくなるのだからな。この全世界は我々黒の大王様の物になるのだ。くっくっくっ!」

ーあたしがダークサイドに入ってしまえば世界が魔獣の王の物になってしまう?そんな事になってしまうの?-あたしは、ギガントを睨んで、

「絶対ダークサイドに入らない。そんな事になる位なら死んだほうがましよ!」あたしはギガントに叫ぶ。だが、ギガントは言った恐ろしい言葉を・・・。

「言った筈だ、美琴よ。死ぬほどの苦痛を与えてでも水晶を手に入れると。ふふふっ、なるが良いダークサイドに。魔獣界の一員に。さあ、始めるぞ美琴。」

ー!- ガラス張りの部屋が閉じられ、そこに何かが映し出される。それは・・・・

「ま、まさか。」あたしは目を疑った。そこにはあたしが居た。そしてあたしの横には、虎牙兄が・・・あたしは小声で呼び掛ける。

「虎牙兄・・・」映像の中であたし達何かと闘っている。

ー!あれは?-相手は巨大な9つの首を持つドラゴン。その敵の攻撃で、あたしは吹き飛ばされ倒れ、あたしを助けようとした虎牙兄が。

ー!!-

「いやあぁぁっ!」映像だと知っていても、虎牙兄が倒される姿は嫌だった。

「はあはあはあ。」映像だと解っているのに心が痛む。そして次の映像では、あたしに魔獣鬼が襲い掛かって来る。数匹の魔獣鬼に襲われて組し抱かれ、あたしが助けを求めて手を伸ばした先に虎牙兄が蔑む様な目であたしを見下している。

ーなぜ?助けてくれないの?虎牙兄ちゃん?-あたしの見ている前で、あたしは魔獣鬼達に伸し掛かられ・・・

「いやああああっ」映像だと解っているのに・・・

「もう・・やめて・・・やめてよぉ。」あたしは頭を抱えて膝ま付く。映像の中で、あたしはどんどん酷い目に合わされ続けている。映像の中で、あたしは苦痛の叫びをあげ続けている。

「いやっ、もう見たくない、聞きたくない。やめてっやめてよぉ。」

「助けて!助けてぇ、虎牙兄。お兄ちゃああんっ!」断末魔の悲鳴が、あたしの耳を、脳を犯しだす。

「いやっ、嫌っ、嫌ぁっ!」必死に目を瞑り、耳を塞いでも、直接頭の中に映像も悲鳴も入ってくる。いつの間にか、映像の中のあたしとシンクロしてしまっていた。ボロボロにされ気を失いかけたあたしに、虎牙兄が剣を向ける。

ーそんな・・・虎・・牙・・兄ちゃん。まさか、あたしを?-息も絶え絶えのあたしに、虎牙兄は何も言わず剣を・・・

「いやあああああぁっ!」あたしはありったけの声を振り絞って叫んだ。意識が朦朧としてくる。すでに涙は枯れ、声も出なくなってしまった。そしてあたしの意識は、黒い闇の中へ落ちていった。

「・・・許せない・・・あたしをこんなに汚した者達を・・・許せないあたしを救ってくれなかった者達を。許せない、許せない・・・」あたしの意識は消え失せ、もう一人のあたしがそこに居た。瞳の色は赤黒く髪飾りは黒色に変わり、服は魔導士のマントを翻し、ただ憎悪の塊と化した闇の巫女がそこにあった。

「ぐはははっ!良いぞ美琴。ダークホラー美琴!!」ギガントの高笑いが響き渡った。


ギガントの罠でダークホラーと化してしまった、美琴。

彼女を救い出す事は出来るのか?それとも、黒の大王が復活してしまうのか?

次回 第3章白銀の狼Part1救出へ

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