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ありがとうございますm(_ _)m
感想、指摘、アドバイス等お待ちしております。
あれからさらに一週間日経って俺は、
【防御強化】スキルも手に入れることに成功した。
あれだけ、キーンさんにタコ殴りにされればこのスキルを取得するのも納得いく。
それに、レベルアップに伴う本人のステータス値上昇は本人の経験に基づき本人が必要とする能力が上昇するらしい。
俺のVIT値が異常な伸びを示すのも納得がいく…
NAME ホウジョウ ・ウジアキ
SEX 男性
PROF 旅人
Level 4
HP 189 /189
STR 15
DEX 9
VIT 32
AGI 15
MND 6
SP 20/20
SIKLL 【指揮】【剣術】【防御強化】
ちなみに、スキルもそれを取得すること自体でステータス値を上昇させるスキルと、技術を向上させ技能を発動させるスキルの二つに分かれるらしい。
特に明確に分けられているわけではないが、
能力スキルと、技能スキルと言った具合に区別するのが主流らしい。
ちなみに、今は朝の修行に当たる時間なのだがなんでも堀の近くにゴブリンが現れたらしい。
俺の頭の中にはゲーム等に登場するゴブリンが浮かんだくるのだが…
まぁ、強くはないそうなので特に危険はないが、村への補給路を襲撃されると厄介なので
村の自警団が撃退に向かった。
その村の自警団の団長を務めるのがキーンさんらしく普段は背負ってない家の納屋にしまってあったどでかい大剣を背中に背負って朝から出て行った。
一応、俺も行きたい旨を伝えたけど
「てめぇなんかに行かせたら死人が出るわっ‼︎」
と、一喝され置いて行かれた。
ここで、戦力として見られなければ俺は何の修行をしているのか分からなくなるんだけどな…
「はぁ〜…
アルマ商店にでも行って買い出しするか」
俺は、ため息混じりにそう言ってアルマ商店へと向かった。
俺は、アルマ商店の中へと足を運ぶ。
「いらっしゃ〜い」
綺麗な線の細い声だった。
アルマさんの声って、こんなんだったっけ?
そんな疑問を浮かべながら声の主を探すと俺と同い年くらいの綺麗な女の人が一人店の奥に座っていた。
「あら?あなた…この村の人?」
おそらく、自分の記憶にない顔の人が来たものだから若干焦っているのだろう少し警戒されたのが見てとれる。
「いや…旅の途中で意識を失ったところをキーンさんに助けられて…今はキーンさんの家に置いてもらってます」
「あぁ、あなたが噂の旅人さんね」
俺は噂になっているのか?
そんな疑問が浮かぶが口にしない。
多分、聞いてもいいことはない。
それは、彼女の顔が物語っている。
噂、という時の顔が少し人に憐れみを持つようなそんな顔だったから…
ふと、俺は彼女が手に持っているものが目が映った。
「それは?」
「これですか?これはただの骨細工ですよ
【骨細工】スキルで作れるようになるんですよ」
そう言うと彼女は小さな骨に小さな穴を開けてそこに紐を通していく。
その途中にキラキラ輝く石なども通していく。
ネックレスのようなものだろう。
「【骨細工】で作ったネックレスには素材に用いたモンスターの能力を宿した物ができることがあるんです。
私はそんなすごいもの作ったことは無いんですけどね」
言葉の最後の方を自嘲気味な笑みを浮かべて言い切る。
なんでも、村の自警団の人が前回の討伐戦で持ち帰った骨をネックレスに加工していたようだった。
ふむ…
骨細工か
こういう、生産系のスキルを身につけておけば将来戦うという事を職業にせずに生活することができるかもしれない。
っと…
何を帰らないことを前提に考えているんだ俺は…
ただ、教えてもらえたら良いなぁ……
彼女、可愛いし……
「あの…【骨細工】スキルって、教えてもらうことは可能ですか?」
はっ⁉︎
俺は気がついたらそんなことを口走っていた。
一瞬驚いたような顔をしたが彼女は天使のような微笑みを浮かべて頷いた。
「良いですよ」
俺の中に天使が舞い降りた。
俺は教えてもらっている途中にいろいろなことを聞いた。
彼女は、アルマさんの一人娘で
メイリーン・バーバラと言うらしい。
ちなみにステータスも見せてもらった。
NAME メイリーン・バーバラ
SEX 女性
PROF 村人・商人
Level 5
HP 90 /90
STR 15
DEX 35
VIT 8
AGI 12
MND 6
SP 15 /15
SIKLL 【商売】【料理】【骨細工】【回復魔法】
この世界では女性と男性で力の差がないのだろうか…
俺と彼女のステータスは俺と比べても見劣りしない。
むしろ負けているものもいくつかある…
俺はそのステータスを見て少しへこみながらも【骨細工】スキル習得のため必死に練習した。
作業に集中しすぎてお互いのお腹がなるまで時間を気にせずに作業していたため陽はすっかり一番高いところまで登ってしまった。
「おいし〜〜‼︎」
俺はメイリーンの作ってくれた料理に舌鼓を打っていた。
なんの魚かは分からないけどそれを煮付けた物が昼食として出されたのだが俺の作る料理なんかとは比べ物にならない物だった。
俺は、DEX値が低いためかなかなかうまく作ることができずにいた。
でも、彼女いわくこのスキルは簡単に習得できるらしい。
彼女も、旅の人がたまたまこの村に立ち寄った際に泊めてあげた旅人に1日教わっただけで習得できたらしい。
結局、夕方まで作業を続けたがスキルを習得することができなかった。
「ごめんなさい…
私の教え方が良くなかったのかも…」
「いや、そんなことはないよ俺が不器用だからさ…ほら、俺才能ないから」
この1日で随分と距離が縮まった気がする。
この世界に来て初めて同年代の子と喋ったからだろうか俺はメイリーンと、彼女のことを名前で呼ぶほどにまで彼女に心を許していた。
向こうも俺のことはウジアキ君と呼んでくれている。
これは、脈ありかもしれないな…
「明日も教わりに来ていいかな?」
「うん!いいよ」
ニッコリ笑った笑顔は天使の微笑みのように輝いて見えた。
俺は有頂天だった。
「おい坊主てめぇ畑仕事ほったらかしてどこほっつき歩いてやがったんだ、あぁっ‼︎」
家に帰った俺を待っていたのはキーンさんの怒号だった。
そこから、俺は一時間に及ぶ説教を聞かされてから、キーンさんの体のマッサージをやらされた。
でも、布団に入る頃にはそんなことは気にならなかった。
いつもなら心の中で悪態を吐くようなことも今の俺には些細なことでしかない。
だって、明日もメイリーンに会えるから。
俺は静かに目を閉じた。
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