2ー12
ちょっと今日は勉強する気になれないので…
本日2話目になります。
読んでいただければ幸いです。
読んでくださる方々
ありがとうございますm(_ _)m
感想、指摘、アドバイス等お待ちしております。
「よし、石版に手をかざしてくれ」
俺は王都アズグレードの門を守る門番に言われ指輪をはめた手を石版にかざす。
結局、あの後特にモンスターに遭遇することもなく無事に王都にたどり着くことができ、早朝だと言うのに既に長蛇の列ができており俺たちの順番まで約30分ほど待たされる羽目になった。
「よし、入ってよし」
クルトとミーシャは俺より先に、このチェックを済ませているため俺が三人の中で一番最後で門の先で二人は待っているはずだ。
そう思いながら、俺は門をくぐる。
門はよほど外的の襲来を恐れているのか小さなトンネルのような構造になっており外からはよく中の景色が見えない。
コツコツ
と、自分の足音が壁に反射する音を聞きながらあるき、トンネルを抜けると…
ガヤガヤ
ワイワイ
ガヤガヤ
ワイワイ
「すっげぇ…」
今まで見てきたどの村よりも賑やかで、日本の町にはない活気があり、そこらじゅうで誰かが客引きをしている声や酒に酔った男たちの喧騒の声、いろいろな声が聞こえてくる明るい街。
そんな風景が広がっていた。
「おーい!おーい!」
「あのー、ウジアキさん?」
あー、やっぱりこんな大きな町に来ればこの世界にも俺と同じような名前の人くらいいるんだなぁ。
俺はどこか心なしか近い距離から聞こえてくる声を耳にするがこの町の光景に感動してイマイチ耳に入ってこない。
「無視するなっ‼︎」
「ガフッ⁉︎」
ドゴ
とい小さな打撃音が耳に入ると同時に俺の下腹部に何かが叩きつけられたような衝撃が襲ってくる。
「あんた、いつまでそこで突っ立ってんのよ置いてくわよ?」
「いくら呼びかけても返事をしてもらえなかったので不安になりましたよ」
どうやら、ミーシャとクルトに呼ばれていたらしい。
そういえば、俺の名前らしき名を呼ぶ声を聞いた気がする。
「あぁ、すまない」
とりあえずここは謝罪という選択で間違っていないだろう。
この町にひとりぼっちで置き去りというのは少し怖いのだ。
「では、僕は馬車に積んでいた荷物もありますしこれで失礼させていただきます。
この町についてですがこの通りを真っ直ぐ行けば冒険者ギルドになっていますのでそこまで行けば詳しい説明はしてもらえると思います。
僕はしばらくはこうして行商人をしているつもりですが町で見かけたら声をかけてくださいね?
では、また」
そう言って、クルトは人ごみの中に消えていった。
ちゃっかり俺たちに冒険者ギルドの場所を説明してくれるあたり最後まで礼儀正しくいいヤツだった。
「じゃあ、早速冒険者ギルドに行きますか」
「そうね」
こうして、俺たちは冒険者ギルドに向かうことになった。
のだが、正直、俺はここまで自分の意思と言うものを明確に持って少なくとも積極的に冒険者になろうということは考えてこなかった。
なんだか、成り行きで周りの展開に乗っかってここまで来てしまった感をここで感じてしまい少しばかりの不安を感じつつも人ごみの中を真っ直ぐ進んでいくと一際大きな看板と大きなレンガ造りの建物が目に入った。
『冒険者ギルド〈アズグレード王国王都本部〉』
と、デカデカと看板に書いてある通りここが冒険者ギルドなのだろう。
出入りしている人たちはガチャガチャと音のなりそうな金属の鎧やモンスターの皮を使ったのであろう皮の鎧など様々な服装をした人が出てきている。
俺だって男の子である以上こういったことに憧れたことはあるしアニメや漫画の主人公のようになりたいと思ったこともあるが、実際この光景を目にすると俺の場合はやっぱり不安になるものなだ。
なにせ、厳つい人達の集団。
この中に入っていくのだ…
もし、これで俺が何かの主人公なら確実にスキンヘッドかモヒカンのヒャッハーな人たちのような連中に絡まれてしまうというのが王道だが、そんなことは無いだろう…
そんなことを思いながら俺は扉を開いた。
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