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俺は目をさますと布団の中だった。
今度はさすがに先ほどのように記憶が倒錯する事もなく目をさますことができた。
「ここは…?」
木造りの家、家具も気が主体…というよりむしろ木製ものがほとんどだ。
すると、部屋の中央の椅子に座っていた男性がこちらに気がついた。
「お、おきたか」
何処かで聞いた声の主だ。
「俺の名前はキーン・ゼイルだ。お前は?」
どことなくバスの運転手の声に似ているがそれよりはやや渋みの聞いた声だろう。
そして、何より体躯が比べ物にならないほど良い。
「北条氏明です。」
そして、俺はキーンさんの体にただ一点疑問を持った。
キーンさんは右腕がないのだ。
「お前さん、気失ってたからよここまで連れて来てやったが【証明の指輪】もつけてねぇからよ何者かと思ってよ。ちょっと気になってんだがその辺聞いても大丈夫か?」
「え、ええ」
俺は助けてもらったことに感謝しつつその失われた右腕から目が離せなかった。
「まずはそうだな…って、この腕がそんなに珍しいか?こいつはモンスターにやられたんだよ。」
「はぁ……モンスターに」
俺の頭の中ではモンスターと言えば未確認生物《UMA》くらいのもんだからそんな化け物どもを想像した。
「と、その話はいいんだ。
お前さん一体どっから来た?んで、何者だ?」
昔のことを懐かしむような目を一瞬見せたが話題を元に戻してきた。
「その前にまず聞きたいんですがここはどこですか?」
そう、これは昨日からの俺が疑問に思っていることだ。
まずこれを聞かないことには始まらない。
「ここか?ここはアズグレード王国ウルセル伯爵領ギール村だ」
その瞬間俺は頭の中にハテナマークが何個も浮かんだ。
アズグレード王国?
ウルセル伯爵?
ギール村?
少なくとも日本にこんな地名はないしそもそも日本には貴族なんて存在しないし、そんなカタカナみたいな村名もないはずだ。
それに昨日の夜の巨大な木の実や蟻。
それに加えてさっきの話のモンスター…
となると…
俺の頭の中に一つの結論が導き出される
ここは、異世界。
って、ことは日本なんて言っても通じない可能性が高いし怪しい奴として怪しまれるかもしれない。
いや、もう十分警戒はされているだろうが、どうする…
「僕は日本から来たただの高校2年生です」
結局いい嘘も浮かばず本当のことを告げる。
「あぁ?ニホン?聞いたことねぇな、それにコウコウセイだぁ?お前さんさっきのホウジョウ・ウジアキとか言う名前といい相当な田舎もんか?」
どうやら、相当な田舎者として認識してもらえているようだ。
一先ずは安心だな。
「は、ハハ…」
一応愛想笑いを肯定の意味で浮かべておく。
「それで、【証明の指輪】もしてねぇのか…
こいつ、やるよ」
そう言って、机の上に置いてあった小さな指
輪を俺に投げた。
「おわっつ!」
慌ててそれを受け止める。
「そいつをはめて心ん中で『ステータス』って念じてみろよ、そしたらお前のステータスが表示されるからよ。こんな風にな」
そう言ったキーンさんの左手の人差し指にはめられた指輪から光が漏れ出し文字が浮かび上がっていた。
NAME キーン・ゼイル
SEX 男性
PROF 農民・剣士
Level 28
HP 2500/2500
STR 150
DEX 68
VIT 160
AGI 124
MND 50
SP 50/50
SIKLL 【剣術】【弓術】【体術】【隠密行動】【農業】【体力UP】【筋力UP】【水魔法】
俺はこれを見て顎が外れそうなほどあんぐりと口を開けた。
ま、魔法ダァァァっ!!
俺は心の中で叫び声をあげていた。
「ん?なんだよ?早くお前もつけてみろよ」
「あ、ぁあ、はい」
俺は、苦笑いを浮かべながら指輪を自分の指にはめる。
迷った末に俺も左手の人差し指にはめ込む。
そして、ここの中で念じる。
『ステータス』
そして、俺の目の前にステータスが光となって表示される。
NAME ホウジョウ ・ウジアキ
SEX 男性
PROF 旅人
Level 1
HP 105 /125
STR 8
DEX 7
VIT 5
AGI 9
MND 2
SP 10 /10
SIKLL 【指揮】
「プ、ププ…お前さんまじかそのステータスはよぉ」
なるほどまだ、体力は回復しきってないのか。なんて、考えていると俺のステータスを見てキーンさんが腹を抑えながら俺のステータスを指さしている。
その反応から察するに、俺のステータスはおそらく低いのだろう。
俺はショックなんて受けていない…
だって、俺が無能なのは…
元の世界にいた時から何にも変わってないじゃないか……
「はぁ……」
俺はベットの上で声にならないため息を漏らした。
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