1ー1
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「おいおい、嘘だろ…」
俺はパニックだった。
トンネルを抜けたと思ったら見知らぬ草原にいて後ろには通ってきたはずのトンネルがない。
「そ、そうだ、携帯」
俺は震える手で携帯を取り出し親に連絡を取ろうとしたが、携帯のロックを解除して愕然とした。
「な、なんで圏外なんだよっ‼︎」
俺は、見知らぬ場所に一人で来てしまい帰り方も、分からずその場でしばらく立ち尽くした。
一体、どれくらいその場にいたのだろうか元々、授業後ということで傾きかけていた陽は既に地平線に沈みかけていた。
「とりあえず、歩くか…」
日の沈んだ方角を西としておおよその方位は分かる。だったら、仮に俺があのトンネルから気が付かずに歩きすぎたと仮定して家のある方向は北になるはずだ。
という、俺は歩きすぎただけだと言う希望にすがり北に向けて歩き出した。
歩いているうちに、だんだんと草原にちらほらと木々が混じり始め、そうしているうちにあっという間に草原が森林になってしまった。
「くそっ‼︎」
ザクっと、俺が蹴り上げた土が舞う。
俺は、苛立ちと不安から自分で気づかないうちに地面を蹴り上げていた。
「もう疲れたよ…」
なんで、俺だけがこんなめにあわなければいけないんだ?
という、苛立ちから周りのものも目に入らず周りのことも考えることができずに歩いてきたが、ふと見上げた際に目に入った満月を見てようやく夜になったことに気がき、とてつもない疲労感に襲われて木に背中を預けて、腰を下ろした。
こうして、辺りを見回してみると今更ながら生えている木々が俺の見知っている木々と違う事に気がついた。
「こいつは、なんの木なんだ?」
俺の家の周りにはブナや、どんぐりなどの木が主要のはずで、間違っても青色のバスケットボール大の実を実らせる木なんて、俺は見たことがない。
いや、こんな木は地球上に存在するのか?
こんな実はそもそも見たことがない。
ふと、足元を見るとハムスターサイズの蟻が一匹俺の足元にいた。
「ぎ、ギャァァァァァ」
俺はその姿に言いようのない恐怖と嫌悪感を覚えて、立ち上がり走り出した。
が、ただでさえ疲労で脚が重い。
「ッ‼︎」
俺は地面から出張っていた木の根に足をかけヘッドスライディングするように転ぶ。
不運なことに俺のダイブ先は、坂になっていたようで俺はそのままゴロゴロと転がり落ちた。
そこで、俺の意識は途絶えた。
「君、おい君」
そう言って肩を揺さぶれた。
あれ?
俺また、バスを乗り過ごしたかな…
寝ぼけた頭に一瞬そんな思いがよぎる。
が、うっすらと開けた目に陽の光が入り俺の意識を覚醒させる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ」
そして、今までのことを思い出し駆け出そうとして、俺は腕を掴まれた。
「おい、落ち着けって」
さっきも聞いたような、声がしてそちらを向くと一人の大柄な男が俺の腕を掴んでいた。
「ひ、人だっ!よ、よかっ…た。」
俺は、ようやく人に会えた安心感からなのか、それとも疲労感からなのかはたまたその両方なのか先ほどまで寝ていたのにもかかわらずその場でまた、意識を失った。
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