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俺の目の前には、俺の手に握られているキーンさんの剣によって口の中を貫かれその先が頭の上から突き出ている光景が広がっていた。
「……勝ったのか?」
俺が手に入れている力を緩めるとそれに合わせて暗黒狼が、崩れ落ちた。
俺はそれを見て、意識を手放した。
俺が目を覚ますと満天の星空が広がっていた。
その横で、メイリーンが泣いていた。
「ウジアキ君、起きてください……
【癒しの波動】」
そう言って、俺が起きていることも知らずに回復魔法を俺にかけている。
淡い緑色の光が俺を包み込む。
凄く心地よい気持ちがしてくる……
このまま寝てしまいたい。
「おはよう、メイリーン」
緑色の波動がふと止む。
そして、メイリーンが目を丸くして俺を見ている。
「ウジアキ君…起きたんですね⁉︎」
うぇーん、と言う鳴き声が正しいだろうか…
俺が起きたことを確認して俺の胸にすがりつくようにして泣いている。
「痛っ‼︎」
俺は痛みに驚いて身をよじる。
「あっ‼︎ごめんなさい…」
そいや、俺暗黒狼に胸えぐられたんだっけか?
痛かったなぁ…
そんなことを思うと胸がジンジンしてきた。
そういえば、キーンさんは?
「キーンさんは、無事か?」
「あ、はい、怪我はしたみたいで少しの間安静が必要だそうですが命に別状はないようです」
あの後、集団のボスを失った闇狼は我先にと逃げ出したそうだ。
その隙に、他の自警団の人が俺とキーンさんを救出してくれたらしい。
そこまで聞き届けて俺はまた、眠りについた。
あれから2日。
丸2日間キーンさんの家に運び込まれた俺は死んだように眠り続けて、ようやく起きた時には村民総出で戦勝祝いの祭りの準備中だった。
そして、今俺の目の前には解体された暗黒狼の素材が運び込まれていた。
「何だ?これ?」
俺は、鞣された皮や毛皮、牙に、爪、などを持ち上げる。
「お前の分け前だとよ…まったく村の連中も現金なやつだぜ、お前への感謝祭も兼ねて祭りをやってくれるんだとよ」
素材の山の向こうからキーンさんが顔を出していた。
身体中に包帯を巻いていてこれで顔も覆われていたらまんまミイラ男みたいな格好だ。
「なぁ、坊主、ーーーーーーーー」
俺が、玄関の扉を開け外を見たとき祭りの準備は終わり、陽もほとんど沈んでいた。
「あ、ホウジョウさんが出てきたぞ」
「あれがホウジョウさんかね」
村の人々は初めて俺の顔を見る人もいればアルマさんや、メイリーンのように顔見知りの人たちもいて俺の登場に様々な反応をする。
まぁ、全て歓迎の反応だけど…
「ウジアキ君、お祭り一緒にどうかな?」
メイリーンが、中央から現れて俺を祭りに誘ってくれる。
「ヒューヒュー」
「若いっていいわねぇ〜」
「わたしも10年前若ければねぇ」
周りで囃し立てる村民たち…
なんだか、この手の声はどこの世界でも変わらないらテンプレートらしい。
「あぁ、喜んで」
話したいこともあるし…な。
それから、俺たちは二人で村じゅうを回った。どこも、お祭りムードで俺たちを迎えてくれて俺はどこに行っても感謝され始末。
「ウジアキのあんちゃん元気にらなったか?
横のはコレかぁ?」
自警団の集まりにあった時はMVP扱いをされた。
ただ、俺の横でメイリーンが照れているのは謎だった。
「こんな楽しい村だったんなんてな…
俺は全然知らなかったよ」
「うん‼︎この村は凄くいいところだよ」
俺の横でメイリーンは心底楽しそうだった。
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