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1ー10

読んでくださる方々

ありがとうございますm(_ _)m


感想、指摘、アドバイス等お待ちしております。

「はぁ…はぁ…」


辿り着いた俺の目に映った光景は衝撃的なものだった。


堀の橋を渡った街道側で何人かの若者が必死に戦っていた。

その中央で、一回り、いや二周り大きなな巨躯の漆黒の狼とキーンさんが戦闘を繰り広げていた。

いや、既にその戦いの結末は目に見えている。

血だらけのキーンさんがかろうじて鋭い爪の攻撃を、鋭い牙による噛みつきをかわしている…

そんな状態だった。


俺は手に持っている【日本刀】を握りしめて駆け出そうとした時だった。



ガシっと、俺は肩を後ろから掴まれた。


「行っちゃいや…行ったらウジアキ君、死んじゃうよ」


走ってきたのだろう、息を切らしながらメイリーンが俺を制止する。


「わたしのお父さんはね、7年前にモンスターに殺されちゃったんだよ…もぅ、誰も私の前からいなくならないでよっ‼︎」



「っ⁉︎」


衝撃の告白だった。

確かに、お父さんは見たこともがなかったがそんな事が…


でも…


今は…


今だけは誰にどんなことを言われたって止まるわけには行かないんだ…




「あの人は俺の命の恩人なんだ。

だから、今度は俺助けないと…

あの人は俺の大事な師匠なんだっ‼︎」


俺は、メイリーンの制止を振り払って駆け出した。


他の闇狼シャドーウルフは全て無視して中央へと走る。









俺は気がついたら【日本刀】を両手で握りしめてキーンさんと闇狼シャドーウルフを遮るように立っていた。


「坊主…テメェ何でこんなとこ来やがったぁっ⁉︎」


キーンさん、多分本気で怒ってるなぁ…

まぁ、説教は幾らでも後で聞くからさ…

だからさ…





「生きて帰ろうよキーンさん」




「な⁉︎止めろ、待てっ⁉︎」


「うわぁぁぁぁぁぁぁ」


俺は、闇狼シャドーウルフのボスに向けて駆け出す。


相手は俺を虫ケラを見るような目で見ている。

この目をしているうちに俺は奴に一太刀で致命傷を与える。

そのうちにキーンさんを連れて村に戻る。

これが俺の作戦だ。



「ウルァァっ‼︎」


俺は距離を十分に詰めてから、闇狼シャドーウルフの眉間をめがけて【日本刀】を振り下ろす。



しかし、4本の足を器用に使ってのサイドステップで綺麗にかわされる。


俺はその勢いのまま横薙ぎに剣を振る。

そして、また縦に横に縦に横に…




「見込み違いだったか」



いくら繰り返しても当たることはない。


相手は俺をなめきってはいるが攻撃に当たってはくれないか…

いや、俺の剣が遅過ぎるのか。


いい加減に目の前で武器を振り回されることを鬱陶しく感じたのか、俺が少し手を止めた瞬間に、闇狼シャドーウルフは反撃を開始する。



「っ?」


一瞬だった。

俺の目に鋭い爪が映り、俺は避けようとした。

でも、俺の体が避けきる前に俺の右頬を鋭い爪がえぐっていくのが目に映る。


俺はその勢いで地面に転がる。


「坊主っ⁉︎」


「痛ってぇ…」


いてぇよ…

怖ぇよ…


もう、泣きべそかいてこの場でこうして寝転がっていたい。



でもよ…



確かに、痛いけどよ、キーンさんに殴られてる方が俺には痛いんだよな。




俺はフラフラと立ち上がる。


「へへ…来いよ」


俺はダラりと剣を地につけて挑発をする。

その挑発が通じたのか闇狼シャドーウルフは、俺に噛みつきを食らわせようとする。


ギリギリだ…


ギリギリまで引きつけるんだ。


俺の頭に食らいつこうと闇狼シャドーウルフが飛び上がった。


もう少し…

奴も空中なら避けれないよな。



今だ!


「避けろ!坊主っ‼︎」



「【旋風剣】っ‼︎」



俺の体がいつものように、俺の意思にかかわりなく剣を斜めに振り上げながらその場で回転する。



そして、俺は確認した。


【日本刀】の切っ先が闇狼シャドーウルフの右目をえぐったことを。






読んでくださる方々

ありがとうございますm(_ _)m


感想、指摘、アドバイス等お待ちしております。

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