NO.4 砲撃
NO.4 砲撃
放たれた砲弾は撃ち落とされながらも敵艦の装甲へと刺さっていき、内部の炸薬が起動と共に穴を開ける。敵艦の反撃は、岩石を盾にしているとはいえ友軍艦に少しずつダメージを蓄積していく。敵艦の装甲に開いた穴へと航空隊が雷撃を叩き込み、それにより戦闘不能となる敵艦もいれば、火力低下を起こす友軍艦もいる。双方の被害が広がる中、何を血迷ったのかこの乱戦に近づいてくる者もいるのだ。
「此方ベンスハイム。ロングレンジから支援射撃を行う。」
「ベンスハイム!軽空母とフリゲートで何ができる?航空隊を巻き込むつもりか!?」
「あいつらは巻き込まれるほど柔じゃない。百センチ砲、放てぇ!」
フリゲート艦の艦首から放たれたフリゲート艦の対大型船の切り札とも言える百センチ砲は一部装甲に弾かれるものもある中、乗組員の連度が高いのか、火器管制システムが優れているのか、その両方か、ピンポイントで装甲に開いた穴に刺さっていく。そんな中でも敵艦の砲撃は友軍艦を襲っていく。
「今こそ押し切るべき時だ。火力を集中させろ!」
「此方巡洋艦ロワイヤン!火器管制室に火災発生!火力維持不能!消火急げ!」
「何!?」
「敵重巡洋艦大破!爆沈!破片来ます!」
「この肝心な時に!CIWSを集中!撃ち落とせ!」
CIWSから放たれる精密な対空砲火は、直線的な動きの破片群を直撃コースからずれさせる。
「此方機関室、ブリーチ発生!第三炉心出力低下!ダメコン班はまだですか!?」
だが、全て防げる訳でもない。
「此方CIC、ダメコン班は向かっている。持ちこたえろ!」
「此方火器管制室、実体弾残弾僅か!」
「エネルギー弾に切り替え、攻撃の手を緩めるな!」
「敵重巡洋艦一、沈黙!」
「此方巡洋艦クロイドン、被害甚大。戦闘不能。戦線を離脱する。…幸運を。」
「巡洋艦クロイドン、戦線離脱。」
「敵戦艦一、沈黙。…!敵艦隊が砲撃を止めました!」
「!!全艦砲撃中止!砲撃中止だ!」
「敵旗艦より通信です。受けますか?」
「受けよう。」
「此方マレス防衛艦隊旗艦ダルムシュタット艦長ホルガーだ。」
念の為の解説
エネルギー弾に切り替え
第一研究所の船の砲は、弾薬庫の置ける物全てレールガンランチャーと粒子整合砲の複合砲になっています。
人員不足の中、多目的に対応出来る船を必要とした結果です。