NO.2 対峙
NO.2 対峙
斥候戦艦、巡洋艦から艦載戦闘機計80機が出撃していき、誘い込み部隊と合流する。
「此方フリゲート艦ひろば。“迎撃”に向かう。」
「此方本部。了解。敵さんによろしく頼む。」
そうして誘い込み部隊はゆっくりと進み出した。
「彼らが成功すれば被害は最小限に留められるはずだ。いい報告を待とう。」
いくらか経ち、緊張していた宙兵達もその糸が解けてきたころにフリゲート艦ひろばからの通信が入る。
「此方フリゲート艦ひろば。“接敵”敵の数が多い。“撤退”する。」
「此方本部。…了解。我々は“後に続く”」
「航空隊に発光信号。針は刺さった。送れ。」
「了解。」
「総員、第二種戦闘配備につけ。」
通信士が4bit光学通信を行っている間に艦隊のベルは鳴り響き、艦内放送は第二種戦闘配備につけと繰り返す。索敵の目は遠くを見据え、エンジンの出力は低く唸りながら上がっていく。
「此方フリゲート艦ひろば。リングに進入。まだ“追ってきます”」
「此方本部。急げ、撤退しろ。」
「偵察隊が敵艦隊を捕捉。二列並列隊形です。」
「OK、観測続けろ。」
敵艦隊は誘い込み部隊にまんまと引っかかり、集中砲火のできるポイントへと誘導されていた。誘い込み部隊がリングの岩石地帯に逃げ込み、敵艦隊もそれに続くと思われた。
「! 敵艦隊が進路変えます!」
レーダー手が叫んだ。
短い…
念の為の解説
船舶による艦載機数について。
斥候戦艦 50機 2箇所2段
巡洋艦 10機 1箇所1段
軽空母 150機 1箇所6段
もともと滑走路のいらない艦載機であり、艦載区画は左右上下が装甲板に囲まれた中に多段式の階層の床によって分けられています。
4Bit光学通信
要するに4つのライトでモールスを送信しているだけです。