蝸牛
「カタツムリ(蝸牛)は、陸に棲む巻貝の通称。特にその中でも有肺類のうちの殻が細長くないものを言う場合が多い。」
(Wikipediaより引用)
* * *
夢を見た。
耳からカタツムリが出てくる夢だ。
ぬめぬめとした液体が耳殻を濡らす。
(あー、なんだっけ、耳の中にあるぐるぐる)
意味のない思考の間にも、カタツムリは這い出てくる。
(あ、うずまき管か)
ずるずるうぞうぞでろでろ。
ずるずるうぞうぞでろでろ。
きっと、このカタツムリはあのぐるぐるから出てきたのだ。
あのぐるぐるの中で音を食って生きていたのが、大きくなりすぎたから新しい宿主を探しに行くのだ。
ずるずるうぞうぞでろでろ。
ずるずるうぞうぞでろでろ。
(ああでも、それなら、このカタツムリが出ていったら私の耳はどうなるのだろう)
もっと良く聴こえるようになるのか、全く聴こえなくなるのか。
ずるずるうぞうぞでろでろ。
ずるずるうぞうぞでろでろ。
(それ以前に、殻を変えるのはヤドカリで、カタツムリの殻は骨格の一部だったはずだけど)
このカタツムリは普通じゃないからいいのか、と。
くだらないことを考えた。