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明治蒸気幻想パンク・ノスタルヂア  作者: 留龍隆
五幕 虐殺遊戯
59/97

59:統合協会という名の国力。

 船室についた三人は上着を脱ぐと、椅子をひいて会議の体をとった。礼衛門は睦巳が喋れないという事情を知るとすぐに謝罪し、これがレインへの遅刻の謝罪よりは気の入ったものだと見えたので、少し安心した。


「……しかし事情は多少わかりましたが、喋れないというのは問題ではございませんか」


「その分能力は強力無比だ。我々の会話についても、内容はしかと理解してくれる。今回の襲撃策においては、要となるだろう」


「ふむ、たしかに能力の詳細を聞く限り、そのようで。レイン氏がそうある以上は俺も従うまででございます」


 向き合うと、船室の中で礼衛門は葉巻を取り出す。羊毛の上着を脱いで軽装となった彼は、刃物ももたず左腕を振るうだけで、葉巻の先端を切り落とした(、、、、、、)。鼻歌交じりに口にくわえると、シャツの胸ポケットから燐寸を取り出し、ここでやっとレインの視線に気づいた。


「嫌煙でしたか、レイン氏」


「わたしの能力においては過度な臭いは邪魔なものとなり得る。すまないが、一服つけるのなら船室の外でお願いする」


「お願いときては……、断るわけにもまいりませんな」


 仕方なしに胸ポケットへおさめた礼衛門は、腕組みすると椅子の前足を浮かせた。


「して、話の続きをお願いしたいですな。どうせ着くまで暇なのですし」


「なんの話だ」


「魔術師の話でございますよ。統合協会がそれほど躍起になって魔術師の育成に励む理由が、少しばかり気になったものですから」


「それほど面白い話でもないぞ」


「構いませんとも、暇つぶしなのですから。それに、我ら一族が村上氏のもとで動いてきた意味も、無関係でないと存じます」


 じろりと見据える目には、どこか好奇の意図が見え隠れしていた。レインは少し考え込んでから、睦巳に視線を合わせ、目を伏せる。彼は黙したまま中空を見ていた。


 ここで礼衛門が、レインを驚かせるような二の句を継いだ。


「――というより。村上氏からことの全てを(、、、、、、)聞いておけ(、、、、、)、と、仰せつかっております。己の末路に、納得できるようにと――相変わらず甘い御方でございます」


 礼衛門の言葉に、レインは目を開けた。見れば、礼衛門は悲しそうに笑みを浮かべて、手の内に葉巻をいじくっていた。


「この任が最()になるだろうからと、彼に頭を下げられてしまいました」


 レインは目を見開いた。


「お前は、いや、お前と睦巳はわたしの補助で……任が終わった後は帰れるのだと……そのために、今日まで顔を合わせることもなく、船でようやく合流する形をとったとばかり……」


「さすがにそれはむしの良い話というものでございましょう。今日まであなたに同行しないことで列席会議の老害どもの監視下にいなかったとて、いまのあの島は入島はともかく出ることに関しては厳しい監視がつきまといます。もう我々は、あの島を離れられますまい」


 だからここで聞いておきたいのだろう。己の仕事がなにを為すのか。


 依頼者たる村上に問わずおいたのは、彼には列席会議の面々からの監視があると知っているからだ。裏に往き、闇に生き。そのまま消えゆくをよしとして、彼はここまで進んできた。


 呉郡一族。村上が拾い上げて用いた、暗殺者の一門。与えられる任の中で一人死に二人死に、唯一ここまで生き残った手練の礼衛門は、最後の仕事に際して己の成果を見極めるべく、レインに問うている。背もたれに体をあずけたまま、彼はまぶたを下ろした。


「彼はなにを図っているのでしょう。あなたがたは何を為そうとしているのでしょう。俺が生涯最後となるこの任において感じている疑問に、どうかお答えいただくことはかないませんか?」


 真摯な声音に、レインはわずかな躊躇を抱き、けれど数秒してすべて話すことを覚悟した。


 どうせ己もこれが最後となるのだから、という自棄な気持ちは、まったくなかったとは言わない。しかしそれすら些事と断ずるに迷いを持たない。それほどまでに、冷徹冷静な心でレインは動こうとしていた。礼衛門も同じだろう。


 けれどただ仕事に臨む、それだけの意志の狭間に、自分の成果を知りたい意識が残るのだ。だから話そうと思った。


「……魔術師の育成も、今回の一件も。すべては、この国を救うためだ」


 だがレインと村上は国は二の次でよいとさえ思っている。ただ、井澄を救おうとしているだけだ。


 これこそ、統合協会――列席会議の意向に反して、村上が独自に動いている理由だ。


「ずいぶんと抽象的にございますな」


「なにぶんほかに言いようがないのでな。そして国の救済という大義のため、あるとき統合協会はひとりの人外を制御せんと試みをはじめたのさ」


「それは、明暦の大火を引き起こしたという、日輪の担い手のことですかな」


「奴はその発端ではあるし、深くからんでいる。だが統合協会が言語魔術師を作り出そうとしているのは、他の人外のためだ……さてここから先だ。ここからは、機関においては深度伍級以上の情報となる」


 肘かけを使って頬杖をつきながら、レインは睦巳を見やった。彼は語ることこそないが、意識をこちらに向けて離していない。


 彼も気になるのだろう。深度伍級以上の情報は、村上のように深く研究開発に携わった者と、彼に従う者――レインや名執のことだ――を除いては知る者はいない。睦巳も、なにも知らないのだ。


 鶴唳機関――村上の在籍していた、術法の研究機関。そこに所属し、二種の術を会得した睦巳はかつて珍しい術師の例として重宝された。だがその術式が多大な犠牲を払うことでしか成し得ず、また言葉を殺す(、、、、、)という彼らの求めた方向性に合致しないものであったため、深い情報を開示される間もなく棄て置かれた。


 再現性に乏しく利用価値の薄いものには、即座に見切りをつける。研究機関らしい在り方だ。結果として睦巳は鶴唳機関を離れ、現在は村上・レインと共に梟首機関、つまりは統合協会や明治政府に牙向く者を秘密裏に処理する戦闘者の集団に属している。これらの事情を鑑みて、レインは言葉を選ぶ。


「睦巳や、名執。その他大勢の言語魔術師を生みだしたのは、すべてある人外のためだ。その人外とは、日輪とはまた違った意味でこの国の行く末を左右する存在だった……だが奴について語る前に、順を追って説明しよう」


 息を吸って、レインは両手を腹の上に重ねた。礼衛門と睦巳も静かに、聞き入った。


「……明暦の過ち。日輪という焔操る異能者の制御に、統合協会――当時の陰陽寮は失敗した。江戸の街は焼き払われ、大きすぎる犠牲を強いた。そこから時の幕府は己らの過失を隠匿すべく、異能の存在自体をこの国の表から覆い隠すようになった。それから鎖国体制を利して二〇〇年余り、この国はゆっくりと異能から乖離し、いまや術法と人外は伝承の存在でしかなくなった。ここまではいいな」


「ええ。そして黒船に開国を迫られ、その際に前時代的だと陰陽寮が解体させられ。仕方なしに名だけを変えてさらに裏へ潜り潜むように組織されたのが統合協会。でございましょう?」


「その通りだ。さてここで歴史をおさらいすることになるが、開国の前後でこの国が疲弊していたのは理解しているな」


「幕末の争いがもとでございますな」


 レインはうなずく。睦巳も、納得しているのかうなずいている。言語を操れずいつも応対に困る彼は意志表示に関して乏しい部分があるが、それでも精いっぱい会話に参入しようとしてくれていた。


「国の内部での争いにより、幕府も諸藩も疲弊した。時流に流され様々な物事が決まり、このままでは国が立ち行かなくなると判じられた。その裏でひそかに活動を続けていたのが、統合協会だ。一般民衆からも他国からも隠れた機関となったことが幸いして、暗躍しやすかったというわけだ……そこで国力回復のために行われたのがなにかわかるか」


「残念ですが俺の浅薄な知識ではお答えすることかないません」


「少しは考えろ。まあ、答えを言うのなら金策の打ち立てだ。加えて言うなら、中央集権体制を作るための武力強化。これらを、統合協会で秘密裏に行おうとした。もちろん術に精通した者たちがこれらを行おうとしたのだ、当然のごとく手段は、魔術や異能が筆頭となった」


「あ」


 ここまで言えば合点がいったか、礼衛門はぽんと膝を打った。彼の視線は、レインの頭髪に注がれていた。


「錬金術でございますか」


「ご明察。他国の技術力へ追いつこうとの算段もあったのだろうが、一時的にでも金策をしのげないかと錬金術の研究が行われた。結論から言えば財を増やすことには貢献できなかったが、それでも製鉄業などへのとっかかりにはなっただろう。四つ葉のつくりにも役立った。そして武力増強にも、様々な術式が研究された。召喚魔術・契約魔術・言霊魔術、などなど。……もうわかるな? これらが言語魔術の原型となったのだ」


「しかし、言語魔術がなんのために高い水準を設けて造られたか、という問いにはお答えいただけてません」


「急くな、船旅は長いぞ。ここまで話したことから重要なものを抜きだしてみろ。陰陽寮はかつて日輪の制御に失敗した。だから異能を秘匿した。外圧に負けて開国した際に統合協会となった。その後術法研究で国力の立て直しを図った。いいな?」


 短い言葉でまとめると、礼衛門と睦巳はひとつずつこれらを噛みくだいているようだった。二人が情報をのみこむまでの時間をはかってから、レインは上体を乗り出して、両膝に肘をついて組んだ手の上にあごを乗せる。


「これらに共通する目的は、なんだ」


「……国のため、でございますな」


「国を救うため、だ。そしてそんな行動のためには、人々を先導して進む者が必要となるな。だれだと思う?」


「表である政府の頂点、を隠れ蓑にした、列席会議の頂点……では?」


「そうだ。だが頂点にいる男・勘解由小路かでのこうじは血脈によって祭り上げられた傀儡に過ぎん。実質的に列席会議を動かしているのがだれかは、気づく者ならすぐ気づく。そう、傀儡の繰り手は次席として君臨している男、玉木往涯たまきおうがいだ。そして隠された奴のあざなは、〝事代ことしろ〟」


「こと……しろ?」


 礼衛門は睦巳を見た。睦巳も、自身に関わることだと気づいて目を剥いていた。


 ことしろ。


 言死呂、糊塗白、異支路。いくつかの系統に分類された、言語魔術。しかしその読みはどれもが同じく『ことしろ』なのだ。深度伍級以上の情報を開示されていない者には、これについて『発音が同一のため字面を見る以外では系統の判断もつかず、外部者や間諜に聞かれても情報が漏れにくいため』とされているが、実情は少しちがう。


 辿り着く目標と同じ読みを、冠せられているのだ。


「〝事代〟――意味は託宣だ。予め預けられる言の葉のこと。往涯は……、発動媒介を持たずに(、、、、、、、、、)託宣を賜る」


 無言のどよめきが、睦巳と礼衛門の間に広がった。レインは間髪いれずに続けた。


「その託宣で、あまりにもひどい凶事が出た。大きすぎる()の前触れ、とのことだ。だから、凶事を覆すことの適う、因果を捻じ曲げること叶う強大なる力を欲した……言語魔術の目指した先は、それすなわち予言を、言葉を殺す力(、、、、、、)だ。それと同時に、万一凶事を止められなかったときに備えるための戦力を保有しておこうと考えた。二段構えというわけさ」


 後者が、偶然片田舎の山中で発見された異能者、橘八千草という異形を制御しようとの試みである。二〇〇年の時を経て再び現れた日輪に、上層部は恐怖を抱いていないようだった。長い月日は彼らの思考を鈍化させ、かつてと同じ過ちを繰り返さんとはやらせている。明暦の文献研究も進めていた村上は危険すぎる、狂気の沙汰だと叫んだが、どうにもならない。いくら叫んでも、聞く耳持つ者はいなかった。


 同時進行で彼らは言葉を殺す力持つ者をも探し、無茶な代償を支払わせてまで言語魔術師を量産しようとしていた。過程で目をつけられたのが、村上とレインが共に暮らした亘理井澄。言語魔術の素養を見せていた彼に、往涯の魔の手が迫っていた。睦巳のように無理やりに高い代償を支払わされ、下手をすれば命を落としかねない実験の噂がほのめかされていた。


「その二段構えを、レイン氏はどうなさったので」


「わたしはまつりごとに疎い。あいにくと、水面下で進むそれらに気づくことはできなかった。出自も異国の血脈混じりだからな、むしろ統合協会でここまで登用されてきただけでも珍しいことだろう。……そして村上は、どちらにも気づいて、どちらをも止めようとした」


 だから、逃がした。まずは前者、井澄という殺言権の使い手を往涯から守るべく。鬼の里への対外交渉任務の際、様々な手を打って村上は彼を逃がした。レインにさえ最後まで計画を黙って……、淡々と遂行した。井澄が、死んだと見せかけるため。


 わざと火薬の罠を感知させて、レインを部隊から引き離し。


 鬼への情報伝達に〝異支路〟の力を作用させることで、行き違いが発生するよう仕向け。


 当然起こる戦闘の混乱、狂乱に乗じて、井澄を連れて逃亡し。


 彼が自発的に逃げるように仕向けるべく、また自分たちの部隊の被害が甚大であったと上に報告するべく、無傷だったレインの腹を支給の短剣ではなく鬼から奪った短刀で刺した。すべては往涯をあざむくため。あの日、腹部に刃をねじ込みながら、村上はこの事情をすべて打ち明けたのだ。


 沈痛な面持ちで語って。騙ったことを、謝罪した。


 レインに伝えれば、万一鬼に井澄が殺されたらと案じて、あの場に残ることを選択しただろう。そうなると、昔馴染みで関係の深いレインと村上が結託して、井澄の存在を死んだと偽装していることが露見する可能性が上がる。


 たとえそうでなくとも、計画を知る者が二人になると、わずかながら不審さは滲み出る。同じ目的を持つ者同士は、どう消そうとしても行いに指向性が、動きに偏りが出る。往涯やその手の者ならば、このにおいに勘付くと村上は判じた。


 故にあくまでも、『主戦力たるレインがたまたま罠を感知して離れているときに襲撃された』という、不運な出来ごとと仕立て上げねばならなかった。部隊が壊滅するほどの、レインも無事では済まないほどの事態だったと印象付ける必要性があった。結託することで生じる不審なにおいを消したかったのだ。


 二人はそこでようやく共犯者となり、レインは傷を受け入れた。


 村上とレインは共にあの日々を、井澄と過ごした時間を思い、生きることとした。統合協会の小さな一室で彼と過ごした穏やかな時間は、家族を知らない二人にとって、これが家族というものだと思わせるに足るひとときだったのだ。国がどうだという大事を前にしても理屈でなく井澄を守ろうと思わせる、そんな関係がたしかにあったのだ。


 もっとも、これが脱走であり偽装死だったことは、しばらくして上に暴かれてしまった。そして脱走が露見した理由というのが、


「けれどいま我々がこの任についているということは」


「ああ。どちらも、止めることはかなわなかった」


 …………死亡偽装の先で井澄が、日輪の娘と関係を育むなどとは、思ってもみなかった。偶然の調査中、賀茂保憲が橘八千草を発見し、芋づる式に井澄の生存も暴かれた。


 これはどういう廻り合わせだと、それこそ因果を捻じ曲げる力をレインは欲した。世界を、運命をこそ呪った。このままでは程なくして、またも井澄は狙われる、と。同時に、日輪という危険な存在を狩らねばという、機関員としての使命感にも襲われた。


 二つの動機付けが村上とレインを動かした。どちらの動機が強かったのかは、すべてが終わったいまを以てしてもよくわからない。レインは腋に提げたホルスタアに納まるピイスメイカーを一撫でして、さらに過去を想起する。


 あの日。山をひとつ焼け落とす獄焔の中で。レインは橘八千草へ銃口を向け、彼女も視界にレインをおさめて。一瞬の攻防を、死闘を繰り広げた。


『        』


『      』


 なにか言葉をかわした記憶はあるが、覚えているのは虚無的な彼女の表情だけだ。


 視界に爆焔を操る八千草と、三つの銃声をひとつに束ねるほどの連射を行うレイン。互いの力量差は瞬時に推し量られ、あとは気力の勝負となった。そして最後の最後で、レインの引き金が早かった。


 放たれた弾丸は橘八千草の頭をめがけ、破壊の力を働かせた。血を噴き上げ、彼女は倒れた。


 ――そこに。


 亘理井澄が(、、、、、)現れた(、、、)


 すでに真っ青だった顔色を蒼白にして、倒れ伏した彼女に駆けより、名を呼んだ。戸惑いを隠せず動かぬレインに目もくれず、井澄は三度名を呼んだ。それでも起き上がらないと知ると瞳から色を失くし、声にならない声で呻いた。


 レインは、どうすることもできなかった。ただ心臓の拍動だけが大きく上がり続け、守りたいと思った彼をだれより深く傷つけてしまった事実に、身を裂かれんばかりの苦しさを覚えた。


 しかし仕方がなかったのだ。彼女はご覧の通り、山ひとつを瞬時に焼き落とす力を持っている。いや、山ひとつで済んだのは奇跡だ。かつての明暦の過ちについての文献がたしかならば、ふもとから沿岸部まで数里にわたって地図から消えてもおかしくはない力だ。


 ……などと、己をいくら正当化しようとしても、


 顔を上げた井澄の怨嗟のこもった目を見れば、すべてが吹き飛んだ。


『……レイン……』


井澄せいと……ちがう、わたしは』


『レイン……!』


『わたしは、お前を、』


『なぜ……私を! こうまで、苦しめるんだ!!』


 最後の叫びのあと、飛びかかってきた井澄を銃床で殴り倒した。


 あとはなにも覚えていない。三日ほど、茫然自失のまま山をさまよっていた。なにが正しかったのか、わからない。いつかわかってくれるなどという楽観的なものの見方はもはやできなくなっていた。


 だがすべてを無為にしないため、井澄を危険から守らんと、いまも二人は動いている。


「……今度こそ(、、、、)、だ」


 橘八千草への二度目となる襲撃の際にもつぶやいた言葉を、レインはいま一度覚悟のもとに口にする。礼衛門と睦巳も、話の終わりを感じてか居ずまいを正した。


「止めねばならんのだ、あの人外の計画を。あの人外の力を御しようという計画を」


 日輪のことではなく、もう一人の人外。


 予言を預かる、人でない者。


 人でないが故に、主席ではなく次席を任じられた者。


「〝くだんの計画〟――玉木往涯という人外の立てる計画を、潰すぞ」


 レインの玉翠の瞳が、この国の闇に向けられる。



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