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それからは残りの授業を受け、気がつけば放課後になっていた。

3人と共にコンビニへ少し寄り道をし、三森に買ってもらったアイスを食べ、やがて其々帰路についた。


その間も蒼は落ち着かなかった。

心臓がどっどっ、と血液を慌ただしく送り出している音が耳の奥でずっと響いていた。


どうしようもなく、息が切れる。


家に辿り着いた頃には、蒼の顔色は真っ青になってしまっていた。

母親が夕食の準備であくせく働いている様子が窺えるリビングを挨拶もせず素通りし、蒼はそのまま自分の部屋へと直行した。


扉を閉め、鍵までかけてしまうと蒼はすっかりクタクタになってしまった身をベッドに放り投げた。



飛び込んだシーツからふわっと漂う柔軟剤の香りに癒され、ようやく蒼の動悸はおさまった。





「ごめんなさい ってなんだよ…」





情けない。

蒼はそう思った。



いつだってそうだ。

自分は謝ってばかりで、同調ばかりしてしまう意思弱のどうしようもない人間なんだ…


負の堂々巡りが蒼の心の中で渦巻き、また苦しくなった。

枕にぐしゃぐしゃっと顔を埋め、蒼は更に自己嫌悪に陥る。





…というか。


そもそも、あの場面において “ 俺 ”が苦手なのは暑さだけではなかった。



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