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140字小説  作者: 束田慧
27/30

作品No.261〜270

作品No.261【デイドリーム】


嫌なことがあった時は、いつも空想の世界に逃げる。

今日も仕事中に白昼夢。嫌いな同僚や上司が次々とゾンビに襲われていく、刺激的なやつだ。

グロテスクな姿や息遣いが、とてもリアルに感じられる。鉄臭いにおいが鼻につき、腕に噛み付かれて痛…え、なにこれ、痛いいたいいだいぃ…!



作品No.262【前世の記憶】


全く似ていないうちの三姉妹。素直な長女と気まぐれな次女、人懐っこい三女と三者三様だ。

ある時長女が、

「私、前はモモって呼ばれてた」

と言い出した。次女と三女が、

「私はルナだった」

「私はピーちゃん!」

と応え、私は言葉を失った。何故なら、昔飼っていた犬、猫、インコの名前だったから。



作品No.263【雪国マウント】


『こちら大雪。10センチ積もった』

『たった10センチで大雪とかw

こっちは50センチ』

『大した事ないな。一晩で100センチ積もったぞ』

『出た、雪国マウント』

『こっちは1センチ積もった。やばい』

『そんなの降ったうちに入らないだろw』

『こちら沖縄ですが』

『それは大雪だわ!』



作品No.264【忌み数】


家賃激安のボロアパートで一人暮らしを始めた。

部屋自体に不便はないが、夜中になると隣がうるさい。抗議にも行ったが、「うちではなく104号室では?」と妙なことを言う。

これは話が通じない奴だとその場は帰ったが、その日の夜中、ついに我慢ならず隣に突撃すると…何故かそこには104号室があった。



作品No.265【雪女峠】


冬になると通れなくなる峠がある。バリケードで塞がれ、「冬季通行止め」の看板が立っている。

無理矢理入ろうとする馬鹿はそういないのだが、一度地元のDQNが侵入し、春に遺体で発見されたことがあった。

事件性はなく死因は凍死。それを聞いて思い出した。この峠がかつて何と呼ばれていたのかを。



作品No.266【仕上げはお母さん】


「終わったー」

「綺麗にできた?」

「うーん、分かんない。見てくれる?」

「そうだねぇ、まだちょっと甘いかな。やっぱり、ママが仕上げしないとダメだね」

「ごめんママ、お願い」

とある殺し屋一家の会話。



作品No.267【インタビュー中にナンパ】


ある番組で、外国人に日本語でインタビューをする企画をやっていた。

「好きな食べ物は何ですか?」

「ニンジンデス」

「へぇ、にんじんですか」

「オサシ二ヨクアウネ」

「オサシ、ですか? お寿司のことでしょうか。にんじんのお寿司は珍しいですね」

「コンドフタリデ、オサシノモウ」



作品No.268【ホワイトクリスマス】


12月24日。孤独なイブ。

いなくなった家族の写真を見ながら食べるケーキは、何故かしょっぱい。

どこへ行ってしまったのか…夜空を眺めて思いを馳せていると、玄関から物音が。慌ててドアを開けると、いなくなったはずのシロがそこにいた。

風呂に入れて、一緒にケーキを食べる。やっぱりしょっぱい。



作品No.269【あの日のクリスマスプレゼント】


パパが事故にあった。もう目覚めないかもしれないんだって。

クリスマスは一緒って言ったのに…私が悪い子だったからなの?

良い子にするから、プレゼントいらないから、パパを返してよ。


そう願ったのが20年前。

今は私も母だ。娘にプレゼントをくれたサンタにお礼を言う。

「ありがとね、お父さん」



作品No.270【売れ残り同士】


12月26日。仕事帰りのスーパーで、売れ残りのケーキが目についた。今日はこれを買って、独り寂しく食べよう。

手を伸ばすと、横から誰かの手。視線を向けると、私が密かに思いを寄せている同僚がそこにいた。

彼は、慌てて手をどけながら、

「良かったら、一緒に食べない?」

と照れくさそうに言った。

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