作品No.251〜260
作品No.251【買い物はスリル、ショック、サスペンス】
今日は子どもと2人で夕飯の買い物。メニューは鶏のつくね。
どのくらいの量いるかな…鶏ひき肉を見るのに夢中になっていた俺は、背後から近づいてくるお菓子に気付かなかった。
俺はカゴの中にお菓子を入れられ、気が付いたら――会計を済ませてしまっていた…!
作品No.252【クリスマスプレゼント】
一昨年のクリスマス、A君はサンタからサッカーシューズをもらいました。いじめっ子のB君が自慢していたのと同じものでした。
去年は、サッカーボールをもらいました。B君が好きだというサッカー選手のサイン入りでした。
今年は、足をもらいました。その日から、いじめっ子はいなくなりました。
作品No.253【餌を食べないポチ】
最近、ポチが餌をまともに食べない。病院にも行ったが異常なしで、むしろ肥満気味だと言われる始末。
不審に思って監視カメラをつけると、信じられないものが映っていた。
ポチに何かを食わせているおっさん。そいつが誰なのか、明らかにしたのは夕方のニュースだった。死体遺棄で逮捕されたらしい。
作品No.254【綿飴】
息子達と夏祭りに来た。綿飴を頬張りながら、三男が言う。
「くも食べてるみたい」
「くもなんて食えないよ」
と、長男。
「僕は食べたことあるよ」
と言い出したのは次男だ。その言葉に三男は目を丸くして羨ましがった。
「食べたいの?ちょっと待ってて」
そう言って、次男は屋台裏に消えていった。
作品No.255【転生しても気質は変わらない】
引きこもりだった俺は、不摂生がたたって病死し、異世界に転生した。
神とやらが好きなスキルをくれると言うので、『不労収入』を選んだ。外に出ずとも稼げるし、その金で人も雇えるので生活には不自由していない。
このまま引きこもりライフを堪能させてもらおう。
作品No.256【エア砂かけ】
6カ月になる息子とペットのミケは、いつも仲良し。今日も同じお布団でお昼寝している。
その様子をほっこりしながら眺めていると、息子がぐずり出した。その声で目を覚ましたミケが、何やら掻くような仕草をしている。
何だろうと思って近づいてみると――うっ…これは、オムツ交換が必要だ。
作品No.257【髪は言っている、ここで切る運命ではないと】
とある会社の面接に長髪の男が来ていた。長年切っていないであろう髪は、よく手入れされている。
伸ばす理由を聞かれて、彼はこう答えた。
『前世でハゲていたので、この髪を大事にしたいのです。いつか切る時は誰かの為にカツラを作ります』
それを聞いた面接官の一人が涙を流した。彼はハゲていた。
作品No.258【作品名『わたしとパパとママ』】
ある男が、幼稚園の作品展で娘の絵を眺めていた。
仲良く遊ぶ家族の絵。この絵のように、子どもと触れ合うことはもう叶わない。
彼は、人知れず涙を流した。他の家族のことも気にせず、その場で顔を伏せていたが、
「ママ!これ私が描いたの!パパも見てるかな?」
その声に、顔を上げて振り向いた。
作品No.259【※心霊体験を保証するツアーではありません】
心霊スポットを巡るツアーにやって来た。
最初の目的地は、夜な夜な笑い声が聞こえるというダム。静寂に包まれて闇夜に浮かぶ姿は雰囲気抜群だ。
滞在時間はほんの10分程度。特に何も起こらず、次に移動しようとしたその時、「グワッグワッ」と笑い声のような声が聞こえた。
なるほど、『サギ』か…
作品No.260【初めての喧嘩記念日】
一昨日は付き合い始めた記念日。お揃いの服を買った。
昨日は初めて食事に行った記念日。ディナーに行った。
妻は、毎日何かと理由をつけてお祝いしたがる。今まで喧嘩はないが、さすがにうんざりだ。
今日は何もないと嘆いていた妻は、何かを思いついたような顔をしてから急に口を利かなくなった。




