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140字小説  作者: 束田慧
21/30

作品No.201〜210

作品No.201【庭の影】


去年の夏から、庭に背の高い雑草が生えるようになった。刈っても刈っても異様に早く伸びるそれは、人の形をしているようで気味が悪い。

耐え切れなくなりコンクリートで埋めると、雑草は生えなくなり安堵していたが…今度は人型の染みができるようになった。

この下には、去年殺した母が埋まっている。



作品No.202【繋がる心】


新幹線の建設が始まった。日々延びていく高架を見るのが日課だ。繋がったらどこまで行けるのかと胸が高鳴った。

数年後、日課が週課、月課となった頃。今日繋がると聞き、久々に現場へ赴いた。

反対側の歩道で高架を見上げる女性と目が合い、胸が高鳴る。

2人の心が繋がった、記念すべき瞬間だった。



作品No.203【魔女の証明】


『悪い子は高台に連れて行くよ』

この街で古くから、親が子を躾ける時に使われてきた文句だ。

高台には古びた屋敷があり、恐ろしい魔女が住んでいるのだという。

誰が見たとも分からないソレは、大人が作り出した幻想なのか。非存在証明は誰にも出来ない。

今日も高台の屋敷は不気味に佇んでいる。



作品No.204【おじさんだぁれ?】


娘に防犯ブザーを持たせた。夫には早すぎじゃないかと言われたけど、用心に越したことはない。

ある日曜日。台所仕事をしていると、居間の方でブザーが鳴り出した。慌てて様子を見に行くと、珍しく家にいる夫の姿が。狼狽する様子に失笑してしまう。

育児もしないで遊んでばかりいるからそうなるのよ。



作品No.205【あの日見た花の名前を俺は知ってしまった


小学校の時、花の絵を描く授業があった。学校の近くに咲いている花をノートに描き、その名前を書くというものだ。

俺は、花壇にあった紫色の花を適当に描き、名前を調べるのも面倒臭がって『しらん(知らん)』と書いた。

あの花の名前が『紫蘭しらん』であったと知ったのは大人になってからだ。



作品No.206【妊娠したのは…】


あいつの様子がおかしい。まさか、浮気?

こっそりGPSアプリを仕込むと、産婦人科に行った形跡があった。

浮気して、あまつさえ妊娠?

証拠を突きつけて問い詰めると、

「まだ隠してたかったけど、俺達の子ができたんだ」

と弁明してきた。

なぁんだ、私達の子だったの…えっ、ちょっと待って。



作品No.207【泉君と泉さん】


彼の名は泉壮馬。一大決心して、同僚の女性に告白した。

「君が好きだ。俺と、結婚を前提に付き合ってほしい」

「私も好き。でも、あなたの名字になるのは…」

「それなら、俺が名字を変える」

「えっ、でもそれだとあなたが…」

「俺はかまわない」

こうして泉壮馬は、相馬泉と付き合うことになった。



作品No.208【呪いのコスプレ】


コスプレイベントに、あるキャラクターのコスプレイヤーが参加していた。覆面を被った化物で、素顔を見た者は死ぬという設定がある。

素顔を見ようとする一般客を軽くあしらっていたが、ある動画配信者がライブ中に覆面が引っ剥がしてしまい、同日、謎の怪死事件が相次いだ。



作品No.209【吊橋を叩いて渡る】


あの子と付き合いたい。友達に相談すると、吊り橋効果はどうかと言われた。

そんな状況になることはそうないと思っていたが、意外にもチャンスはすぐに来た。

修学旅行中にはぐれた俺達。ここで頼れるところを見せれば…と、無謀なことをした結果、「余計なことして…」と彼女に嫌われてしまった。



作品No.210【そこまで恨みを買っていたとは…】


隣の旦那さんが亡くなった。

子どもはおらず、高齢の奥さん独り。たまに買い物に連れて行くのを条件に、車庫を貸してもらうことになった。

旦那さんとはよく衝突していたが、有り難く使わせてもらおう。

奥さんに許可を得て、不要物を処分し始めるが――俺の名前が書かれた藁人形を見つけてしまった。

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