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140字小説  作者: 束田慧
19/30

作品No.181〜190

作品No.181【イヤーワーム】


私は医者だ。最近、頭の中で同じ曲が鳴り続けているという相談が相次いでいる。

この現象は『イヤーワーム』といい、病気ではないが、患者達の精神に異常が見られた。

調べた結果、中耳に小さな虫を発見。

後日、摘出されたそれは新種の寄生虫であることが判明し、『イヤーワーム』と名付けられた。



作品No.182-1【高度な奇術は魔術と見分けがつかない】


私はマジシャン。公演中の事故で死に、異世界に転移した。

何も知らないこの地でどうやって生きていけばいいのか。この世界で奇術は通用するのか。

不安はあったがやるしかなかった。

だが、街の大広場で披露した奇術は、魔術にしか見えなかったらしい。

私は魔族と見做され、街を追放された。



作品No.182-2【追放奇術師】


私はマジシャン。異世界で魔族と見做され追放された。

体力は底をつき…気付いた時には見知らぬベッドの上。

どうやら魔族に拾われたらしい。よほど邪悪な存在なのかと思っていたが彼らはとても親切で、人間と魔族が敵対する必要などないように思える。

ならば私は、奇術で世界平和を目指すとしよう。



作品No.182-3【最期の奇術】


奇術師である父は、50年程前に異世界から来たらしい。

当時は奇術を魔術と間違われて魔族扱いされたそうだ。路頭に迷った父を保護したのが魔族である母で、私は混血だ。

半端者と蔑まれていたが、和平を結んでからは平穏に暮らしている。

人々は口々に言った。あの和平は父の最期の奇術であったと。



作品No.183【腐っても魔王】


私は勇者パーティーの賢者。魔王の下へたどり着くも、あえなく敗走した。

命はある。でも、大事な物を奪われた。

失意に沈む私に、魔王から念話が届く。

『これは貴様が描いたのか?』

「…はい」

『私の為に描くなら和平を結んでもいい』

こうして私は漫画家に転職。魔王の推しは『勇者✕戦士』だ。



作品No.184【消費税分はおまけ】


散歩中、気まぐれに宝くじ売り場に寄った。財布の中身は380円。ジャンボ1枚だけ買い帰途に就く。

途中にある金運神社で、残りの小銭を賽銭箱に投げ、当たりますようにと祈った。

気温が上がってきて家につく頃には汗だくに。昨日買ったアイスを食べると、棒に『1本当り』と書かれていた。



作品No.185【お化けミラー】


「お化けミラーって知ってる?」

「何それ?」

「ある山道に道幅が狭い急カーブがあって、そこで事故が多発してるらしい」

「カーブにお化けが映って、パニクって事故るとか?」

「いや、景色以外は何も映らないらしいよ」

「じゃあ、なんでお化け?」

「だから、何も映らないんだって」



作品No.186【土に還り、裏側で蘇る】


妻を殺した。死体は那覇市の山中に埋めた。

警察に捜索願は出していて、周りからは可哀想な旦那だと思われている。

だがある日、警察から『妻が保護された』と連絡があった。あり得ない。確かにこの手で殺したはずなのに。

更にあり得ないことに、保護されたのはブラジルだという。

それじゃまるで…



作品No.187【異世界社畜生活】


ある日、異世界に転移した。

右も左も分からない世界。だが、どんな世界でも、月休3日で終電まで働く生活よりはマシなはずだ。

転移当日に見つけた仕事は、1日8時間で週休2日。最高だ――そう思っていたが、そんなうまい話はなかった。

1日が12時間で、1週間が30日なんて知らなかったんだ。



作品No.188【木を隠すなら】


先日、ある凶悪犯がようやく逮捕された。口論になった友人を、かっとなって殺してしまったのだ。

しかし、彼の罪はそれだけではない。全ての罪を認めた彼は、刑事に動機を聞かれてこう答えたそうだ。

『木を隠すなら森の中、と言うだろ。森がなかったから作ったまでだ』



作品No.189【返ってきたのは…】


息子の早人が行方不明になった。

捜索が始まって1週間が過ぎた頃、郵便受けを開けると、そこには1通のハガキが。

何故か、宛名も差出人も書かれておらず、裏にただ一言こう書かれていた。


『十人を返してやる』



作品No.190【クレーマー】


とあるクレーマーの家に謝罪に来た。高級和菓子屋で買った大福も持ってきたし、あとは誠意を見せるだけだ。

「これ、つまらないものですが」

「ふんっ…仕方ないね」

その場は何とか丸く収まったが、翌日、

「あんたのせいで母が死んでしまった!この嘘吐き!」

と、クレーマーが怒鳴り込んてきた。

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