作品No.161〜170
作品No.161【┌(┌^o^)┐】
SNSに写真を載せていたら中性的と言われたので盛りまくったら、飢えた男達からメッセージが来るようになった。
正直鬱陶しい。仕方がないので今度は男っぽく加工して、イケメンにしてみた。
…やっぱり飢えた男達からメッセージが来る。
作品No.162【コピーロボット】
俺は今、特定の人物の性格や趣味、嗜好をトレースするAIを開発している。本人そっくりのアンドロイドを作るのが最終目標。
今は、自分をトレースした試作品を掃除ロボに載せたところだ。
起動すると普段通り掃除を始めたが…なるほど、ズボラな俺にそっくりだ。部屋の隅に埃が残っている。
作品No.163【現場猫案件】
「ヘルメット、ヨシ!」
「安全チョッキ、ヨシ!」
「安全靴、ヨシ!」
「今日も1日よろしくお願いします!」
「ご安全に!」
「監督…」
「どうした?」
「昨日打ったコンクリに猫の足跡が…」
「…かわいいからヨシ!」
作品No.164【『空振る』な話】
「お前が書いた140字小説、野球の話だよな?」
「そうだよ。予選通過できるかな」
「この白セルって」
「ホワイトセル」
「黒マ茶は?」
「クロマティ」
「塁青塁はさっぱり分からん」
「ベーブ・ルース」
「…なぞなぞかよ。他に削るところあるだろ。登場人物とか。予選通過とか、絶対空振りだわ」
作品No.165【ARお化け屋敷】
ARお化け屋敷にやって来た。リアルな体験ができるそうだ。
ゴーグルを装着していざ出発。
次から次へと襲い来る仕掛けに、隣の彼女は悲鳴を上げっぱなしだ。俺も平静を装っていたが、内心はドキドキだ。
何とか声を上げることなく出口へ。
「また来ようね」と手を振って、AR彼女は消えていった。
作品No.166【ARお化け屋敷別バージョン】
ARお化け屋敷にやって来た。リアルな体験ができるそうだ。
ゴーグルを装着していざ出発。
次から次へと襲い来る仕掛けに平静を装うが、隣の彼女は「何も起きないね」と言って平然としている。
強がりかと思ったが、「ゴーグルが壊れておりました!」とスタッフが駆け寄ってきて、背筋が寒くなった。
作品No.167【非情口】
最恐と名高いお化け屋敷に、女性2人組がやって来た。
あまりの怖さに「もう帰る…」と半泣きになる1人に、もう1人が前方を指差して言った。
「非常口ある!あそこから出よ!」
「うん…」
彼女達は知らない。
その扉が、非常口に擬態した最恐エリアへの入口であることを。
作品No.168【思い出のフィルム】
商店街の古びた映画館がクラウドファンディングとやらを始めた。地域の子ども達を無料で招待し、寄付した人の好きな映画を上映するのだそうだ。
この降って湧いたお金を使うのもいいかもしれない。
亡きあの人と初めて見たB級映画。フィルムはまだあるだろうか。
作品No.169【このネタが分かる人はたぶんアラフォー】
馴染みの武器屋で『最強の剣』を見つけた。
見たこともない文字が刻まれた鞘。ここぞという時にしか抜けないのだという。
俺を呼んでいるような気がして即購入。数日後、その時は来た。
強敵を前に光る鞘。柄に手をかけを引き抜くと…
「最強の剣じゃないのかー!」
剣身が小指程の長さしかなかった。
作品No.170【弘法】
「そろそろ手書きじゃなくてパソコンとか使ったら?」
「いいだろ別に。言うだろ。『弘法筆を選ばず』って」
「それは弘法になってから言えよ」
「うっせ。そういうお前は、一作目が話題になったきりだな?」
「仕方ないだろ。『弘法にも筆の誤り』だ」
「それこそ弘法になってから言えよ」




