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140字小説  作者: 束田慧
14/30

作品No.131〜140

作品No.131【お題小説が好き】


「お題小説書くの好きなんだ」

「あれ難しくない?」

「確かに難しいお題も多いけど、あまり使わない言葉を見て思うんだ。こんなに美しい言葉がたくさんあるのに使われないのはもったいないなって」

「確かにそうかも」

「一期一会じゃ寂しいから、書く度に『またね』って思いながら世に送り出してる」



作品No.132【本日のメインディッシュは】


「我々は人の肉を好みます。貴方はとても美味しそうだ」

「嫌だ!この縄を解いてくれ!」

「どう調理されたいですか?焼く?煮る?蒸すのもいいですね。それとも、生きていたいですか?」

「死にたくない!生きていたい!」

「皆様!本日のメインディッシュは踊り食いに決定致しました!」



作品No.133【ネコと会話せよ】


「猫の手も借りたい。手伝って」

「猫使いの荒い奴にゃ。お小遣い欲しいにゃ」

「それは猫に小判」

「猫だってお金くらい使うにゃ」

「まさか、俺の金ネコババしてる?」

「…」

「なんだ、借りてきて猫みたいになって」

「呆れてんだにゃ!猫がつく言葉ばっか使ってうまいこと言ったつもりかにゃ!」



作品No.134【奴はとんでもない物を盗んでいきました】


『一番価値のあるものをいただきに参ります』

こんな予告状を送ってきた怪盗が、警備を振り切って私の部屋に入ってきました。窓から逃げようとする背に、私は「お話しませんか?」と話しかけ、応じてくれた彼と楽しい一夜を過ごし…

翌日、盗まれたはずの家宝が戻ってきました。新たな予告状を添えて。



作品No.135【異世界転生シミュレーター】


異世界転生シミュレーターが完成した。剣と魔法の世界を体験できる世界初のフルダイブVRとあって、β版の申し込みが殺到。

迫りくるトラックや醜悪なモンスター、斬りつけ斬りつけられる感覚。そのあまりにもリアルな出来に、トラウマを植え付けられるプレーヤーが続出。結果、発禁となった。



作品No.136【家か外かという話】


今日は毎週日曜日恒例のカレーの日。

簡単だし、子どもも喜んで食べてくれるから助かっている…はずだったのだが、飽きたと言い始めた。

今から別のメニューを考えるのは面倒だし…

「仕方ない。たまには外食するか!どこがいい?」

「やったー!ココ◯チがいい」

「え?」



作品No.137【月曜日】


嫌いだった月曜日が好きになった。

君に会えるから。


好きだった月曜日が嫌いになった。

君が退職してしまったから。


嫌いだった月曜日がもっと嫌いになった。

君とは週末しか会えないから。


すごく嫌いだった月曜日がそんなに嫌いじゃなくなった。

家に帰れば君がいるから。



作品No.138【アンドロイドに支えられる社会】


「あれ何作ってんだ?」

「老人ホームだって」

「またかよ」

「どうせスタッフはアンドロイドだろ」

「だよな」

「作ってる作業員もアンドロイドたし」

「どこもかしこもアンドロイドだらけ」

「なんて会話をしてる俺達もアンドロイドだし」



作品No.139【『じんちゅう』という隠語】


離島に住む叔母から、叔父の遺品整理を手伝ってほしいと連絡がきた。他の親類は他界しているので仕方なく出向くと、誰かと話をしていた。

「じんちゅう見舞いです」

「うちが『お勤め』の番だったので、甥がいて助かりました」

と言って俺を見る叔母の手に、『人柱見舞い』と書かれた封筒があった。



作品No.140【明晰夢】


これは夢だ。

恋人ができたのも、結婚できたのも、子どもができたのも、そして…交通事故にあい意識が戻らなくなった俺の傍らで泣いてる両親も、全部夢なのだ。

2人のこんな姿はもう見たくない。もう目を覚まそう。

と思ったのだが、一向に覚める気配がない。

待て。どこまでが夢だっけ…?

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