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140字小説  作者: 束田慧
1/30

作品No.1〜10

作品No.1【双子】


一郎君と二郎君は、とてもよく似た双子。見た目からの判別は、家族にしかできない。

ある日、2人は一緒に階段から転げ落ちた。階上にいた両親が慌てて駆け寄り、心配そうに声を掛ける。

「俺は大丈夫」

「僕も」

幸い、2人とも無傷だったが、何故か両親の顔は真っ青になった。



作品No.2【ネズミ捕り】


ある仕事帰りの男が、独りバイクを走らせていた。

この日は運悪くネズミ捕りに引っ掛かり、渋々免許証を見せる。

特に違反はしていないはずだが、何故か切符を切られてしまった。

何が違反なのかと抗議すると、警察は免許証を返しながらこう言った。

「免許取ったの先月でしょ? じゃあ違反だよ」



作品No.3【落とし物】


僕はよく落とし物を拾う。パパが「交番に届ければ、1割もらえるよ」って言ってたけど、面倒だから先にもらってから届けるようにしてるんだ。

先週は、10円玉が10枚入ったサイフを拾ったから、1枚だけもらった。

昨日は、飴玉を拾ったから、ちょっとだけなめておいた。

今日は、迷子を拾った。



作品No.4【土葬】


とある土葬の風習がある村で一人の男が亡くなり、棺に入れられ土の中で深い眠りについた。

だが、数日後に起きた未曾有の大水害によって、大量の土砂とともに流されてしまう。

発見されたのは一週間後。幸いにも蓋は閉じたままになっており、棺は中も外も傷だらけだったが、遺体は無事だったそうだ。



作品No.5【フィギュア】


「お前、それ…」

「ああ、これ? 俺の好きなアニメのフィギュアなんだけど、知ってる?」

「いや、アニメ見ないし。お前にそんな趣味があるとは」

「別にいいだろ」

「まあ、他人の趣味をとやかく言う気もないが…現実との区別はちゃんとしとけよ。さすがに中学生は犯罪──」

「えっ?」

「あっ…」



作品No.6【ペットと探検】


今日は、ペットのポチと一緒に山に探検しに来た。

飲み物とおやつも持ってきたし、帰り道の目印用に、食パンの準備もしてある。

さあ行こう、ポチ。

…ふぅ、疲れてきたな。ここらで休憩しようか、ポチ。

お前のおやつも持ってきたよ、ほら。

え?いらないの?

いつもは食いしん坊なのに珍しいね。



作品No.7【日本人形】


先日亡くなったおばあちゃんの形見に、日本人形をもらった。

気味の悪い人形だけど、部屋の西側に置くと縁起がいいらしいので、とりあえず置いてみることにした。

翌朝、目を覚ました私は、いきなり人形と目が合ってしまった。髪が伸びたり目から血を流したりはしてないみたいだけど、逆光で顔が怖い。



作品No.8【くしゃみ】


「くしゅっ、くしゅっ、くしゅっ」

「誰かに噂されてる?」

「1回だと褒められてて、2回だと憎まれてて、3回だと…何?」

「惚れられてる、かな?」

「えー、ちょっと、だれー?」

「A君じゃない? あんたのこと超見てるし」

「は?キモッ…」

その時、草むらからくしゃみが2回聞こえた。



作品No.9【ペンダント】


ペンダントをなくした。

彼は新しいのを買おうと言ったけど…亡き母の写真が入ってると知らないから仕方がない。

そんな彼が突然、交番で聞こうと言うので、ダメ元で行ってみたら本当にあってビックリ。泣きそうなのをずっと我慢してたのに…彼は言った。

「我慢しなくていい。大切なロケットだろ?」



作品No.10【タイムマシン】


ついにタイムマシンが完成した。

腕時計型のこの装置で、好きな時代、好きな座標に飛ぶことができる。

手始めに、先日恐竜の化石が発見された場所に飛んでみることにした。

座標を合わせて装置を起動すると、次の瞬間、辺りは真っ暗。身動きも取れなくなってしまった。

一体どこに飛ばされたのだろう。

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