夕暮れ時の窓際に座る君へ
僕はとあるカフェの窓際に座っている彼女に恋をした。
彼女について僕はなにも知らない、まぁいわゆる一目惚れをした。
彼女は世間一般で可愛といわる部類の顔であるが、僕は窓を見つめる君の瞳に惚れてしまった。
ーーーー二ヶ月前ーーーー
僕は日曜に学友との遊びの帰り道いつもと違うルートで帰宅していると、見慣れないカフェを見つけた名前は『夕日喫茶』その外観は昭和レトロなお店だった。
この名前の理由は夕日がここらへんで一番綺麗に見える、カフェだかららしい。
僕はコーヒーでも飲もうかと思いお店に入ると、内装も昭和をモチーフにした映画の中にいるかのように彷彿とさせる。
僕は窓側の席が好きで、今は夕暮れ時できれいな夕日を見れるため窓際の席を探した、ちょうどいい席があると思い近寄ると
君がいたんだ。とても美しかった、、、その瞳はどこか寂しげな雰囲気を醸し出す。
これが一目惚れなんだと感じ、そしてまた僕と同い年だと感じる。
僕は次の日もそのカフェに行くと、彼女はいない。僕は彼女に会いたい一心で毎日そのカフェに通い続けた
日曜日、君はそこにいた
今日はあいにくの雨だがそれでも彼女は窓の外を眺める
その横顔を見ると、心臓の鼓動が早くなるのがわかる。それから僕は二ヶ月間、日曜日の夕方に通いつめ現在に至る。
僕はこの二ヶ月間彼女を見ていた、まぁはたからみればストーカー行為であり、キモいやつである。
しかし、彼女の横顔は見飽きないほどの愛しさを感じる。
この日々が続けばいいと思っていたが
その次の週彼女はいなかった。次の週も現れず、僕は明日の光が失われた。
早く彼女に告白していればよかったと後悔した。
僕はそのお店のマスターに聞いてみた
「あの席にいつも座っていた女性って最近来てないですか?」
「あぁ、君かい?彼女は最近来ていないね、まだ告っていなかったのか?」
「え!?あ、えっと実は....」
「意気地なしだなぁ。多分彼女はこの辺の人だと思うよ、彼女とはたまにすれ違うことがあるからね」
「ほんとですか!探してみます」
「あぁ、ストーカーに間違われないよう気をつけなさいな」
僕はストーカーとほぼ一緒の行動と気がついた、だが僕は彼女を諦めるわけにはいかなかった。
それから、近所の人達に聞き込みをした、「女子高生で夕日喫茶に通っている人を知りませんか?」など似たようなことを聞いた。もうドラマの刑事さんですかってぐらい聞いた
そして、聞き続けると発覚したことがある。
それは彼女はもう日本にいないのだとか。
僕は比喩ではなくほんとに重たいダンベルを持てなくなったかのように膝から崩れ落ちた。僕は何日か寝込んだ、学校も行かずに親は心配したがそっとしてくれた。
ときは流れ、僕は高校を卒業し、有名な大学に進学した。
僕は彼女のことはすっかりと忘れてしまった。しかし、彼女は作らなかった忘れていても僕の心は彼女を諦めきれなかったのだろう
僕は大学のレポートを書くために、ふと久々にあの喫茶店へ行きたくなった。僕は彼女のことを思い出してしまうから、失恋してからそこに行くことはなくなっていた。
僕は喫茶店に入ると、僕は心が痛くも感じ懐かしくも感じた。
マスターが僕の顔を見るなり、近づいてきて僕の肩を大きくたたき、口を開く
「お前、久々じゃないか!あの頃は高校二年生だから今は大学生かぁ」
「お久しぶりです、マスター」
「まぁまぁ、コーヒーはいつものでいいかい?」
「あぁ、それでありがとうございます」
僕は片思い時代いつも座っていた席に行く、そこには彼女はいなかったが僕はなぜか満足だがどこか寂しい気持ちになった。
マスターはコーヒーをおいて、僕の正面に座った。
「マスター座ってていいんですか?」
「あぁ、構わないよ。君と話がしたくてね」
「どうだ?久々に座った気持ちは」
「そんなこと簡単に聞きます?」
「だって気になるじゃないか」
僕はもういい年だというのに、高校生のような口ぶりに笑みがこぼれる。
「そうですね、寂しいですけど、なんだか懐かしく思いますね」
「そうかそうか」
マスターはニヤニヤと笑みを浮かべる
「なんですか、、、気持ち悪いです」
「辛辣な言葉を言うね」
「そんな友達みたいなことされたらね」
「ハハ!面白いな」
僕は彼に目線を外し、窓際の席を目線を向け、コーヒーを飲む。エモw
「今、エモって思ったんじゃない?」
「なんで分かるですか?しかもおじさんなのにエモとかの意味わかるんですか?」
「あぁ、わかるとも心が揺さぶられて、何とも言えない気持ちにーー」
「いいですよ、ネットで調べたからって同じ言葉言わなくても」
彼は図星だったようで、少し肩を落とした
「ところで、いい話があるんだが聞くか?」
「二択とかのやつですか?いい話か悪い話か」
「いいや、いい話だけだね」
「なんですか、そのハッピーエンドしか好きじゃない顔は」
「確かに俺はハッピーエンド以外好きではないな」
彼はハハ!と笑った。こんなおしゃれのお店のマスターの笑い方ではないだろうに
僕はフッと笑ってしまった
「で、いい話ってなんですか?」
「あぁ、聞いて驚くなよ」
漫画とかであるようなくさいセリフをと心の中で笑った。
「君が恋していた彼女の居場所がわかったぞ」
え?
「あのもう一度いいですか?」
「彼女の居場所がわかったぞ」
「本当ですか!?」
「ここで嘘をつく俺ではないさ」
ほんとに?彼女の居場所が
「で、どこにいるんです!!」
「まぁまぁ、落ち着けってとりあえず座れや」
僕はいつの間にか興奮で立ち上がっていたようだ、僕は座った
僕の心は猫じゃらしを擦り付けられているよな感覚になる
「で、どこですか?」
「カナダだ」
「ゑ?」
「カナダだ」
「わかってますって、海外にいるんですか?でもカナダって言われても広いですし」
「カナダのケベックシティーってとこだ」
はぁ、、、?
「お前まだ彼女のこと好きか?」
「はい、好きですけど」
「なら会いに行ってこいよ」
「嫌でも、お金ないですしーーー」
「よしここで働け!」
「突然!?」
そんな急に言われても、、、まぁ今働いてないけどさぁ、、、カナダって行くのにいくらかかるんだ?
僕はスマホで調べる
「八万...か、十万あれば」
「十万円かまぁ、安いなぁ、、、で、どうするんだい?」
「ここで働かせてください!」
「馬鹿なおしゃべりはやめとくれ。そんなひょろひょろに何が出来るのさ。ここはね、人間の来るところじゃないんだ。八百万の神様達が疲れを癒やしに来る喫茶店なんだよ」
「湯◯婆かよ!しかもあなたも俺と同じ人間でしょうが....」
「やってみたかったんだよな、ハハ!まぁとりあえずうちは時給1200円だから、二ヶ月働けば貯まるだろう」
「はい!わかりました。」
僕は二ヶ月はたらいた。予定の十万より二倍も多く稼げた
僕はバイト最終日
「頑張ったな!これで行けるな、いつ行くつもりなんだい?」
「一週間後ですかね」
「え?明日行け!」
「え?え?なんで、まぁわかりました」
マスターの目がさっきとは違い真剣な眼差しだった。
「善は急げってね♪二、三日カナダにいるのか?」
「まぁ、そうですね、、、二、三日で見つからなかったら今度は情報を集めて行きます」
「はぁ、その執念すごいねぇ君だからできるんだろうね」
「ありがとうございます!」
「皮肉だボケェ!見つかると良いな」
こうして、僕はカナダへ飛んだ。
僕はまずチェックインまで時間があったので、お昼を取ることにした。
時間になったので、ホテルへ行きチェックインをし、さっそく外へ出て探した
結局手がかりもなく一日が終わった。残り二日
ーーーー二日目ーーーー
僕は昨日は観光がてらに有名な城に行き、探したが今日はカフェを探そう!きっと彼女は喫茶店やカフェとかお茶ができるところが好きなのかも
と思い。カフェを渡り歩いた
が結局見つからずホテルへ帰る。残り一日
ーーーー三日目ーーーー
僕はカフェを探したがおらず、途方にくれ道端の人に聞いてみることにした。
ケベック州はフランス語を話す人が多いらしいのでフランス語を勉強した
高身長でイケメンな人に話す
「Connaissez-vous une femme japonaise avec un beau profil qui regarde le coucher de soleil ?(夕日を眺めている横顔が美しい日本人の女性を知りませんか?)」
「Je ne sais pas.(知らんなぁ)」
彼は手を広げ、首をかしげた
オーバリアクションってやつか!!たぶん違うか、、、
僕は聞き回ったがあまりいい情報を掴めなかったがアジア人女性を見たことがあるカフェを教えてくれた、そこは僕も行ったことがない地元の人しかわからないカフェだった
中に入ると、、、忘れもしない彼女は
いなかった
はぁ、やっぱりマスターに聞いとくべきだったか
僕はとりあえず、コーヒーネクターとおやつとしてスコーンも頼んだ。僕は、コーヒーを飲んで落ち着く
あの子はどこにいるんだろうなぁ
僕は頭を悩ませた
今日で日本に変えるんだよなぁ、またお金貯めて出直すか...
僕はコーヒーを一口、窓を眺める。そこにいたのは忘れもしない彼女の横顔だった
「!!!」
僕はすぐさまコーヒーとスコーンを飲み食べし、すぐさま彼女を追いかける。
しかし、見失ってしまった。
もう会えない可能性がある!と思いすぐに俺は走り、探す
僕は走り疲れ、悔し涙を浮かべながらトボトボと歩いていると喫茶店があった。
「Café du coucher du soleil...」
奇妙なカフェだな....この外観どこかで見覚えが、、、、
僕は不思議な気持ちを胸に抱き、中に入る
窓際に座る君がいた。
僕はすぐさま声をかけた。
「あの!」
「え?もしかして、マスターの言ってた...」
「そうです!ん?マスターが言ってた...?」
「あ、あの人何も言ってないんですね」
「えっと、、、、、」
「私、マスターの姪なの」
は?まじで?
「マスターから聞いてるわよ、しかもここマスターのお兄さんのお店だし」
「だから見たことがあったのか.え?マスターから聞いた?もしかして」
「私のことが好きなのも知ってるわよ」
あの人なにしてるの!?
「ここまで来るとはねぇ、、、マスターの言っていた通りね」
彼女はどこか待ち遠しい顔をしていた
「えっと....あの!頭の中今ごっちゃなんですけど、一つだけ言わせてください!あなたのことがずっとずーと好きでした!付き合ってください!あでも、遠距離恋愛になっちゃうんですけどね、、、」
僕はついに言えた。長かったなぁ
「いいよ。それに私も今日で日本に帰るし」
そうなん?と思い俺はキョトンとした顔になってしまった。
その顔を見た彼女は微笑んだ、そしてポッケからハンカチを取り出し、僕の口を拭う
「口に泡ついてるわよ」
ちょうど今は夕暮れ時で窓からきれいな夕日が差し掛かり、彼女を照らす。
そのきれいな君にまた僕は惚れた
夕暮れ時のきれいな
「窓際の君へ、やっと会えましたね」
僕は恥ずかしい発言をしたなと思い、照れていると彼女は笑っていた。そして彼女と目が合い
彼女と僕はお互いに微笑む
夕日が僕らの出会いを祝福しているように、僕ら二人を照らす
あ、クソマスター覚えとけよ
ありがとうございました!
短編小説を書きたかったのでできれば、小説を書く勉強がしたいのでアドバイス等のコメントいただけると嬉しいです!星もくれるとなお、喜びます!読んでくださりありがとうございました。