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想いの詩(仮題)

秋に尋ねて

作者: 浮き雲




秋の夜長に、暖かき 想い(あざな)う言の葉を


自然(じねん)のうちに尋ねては


編んでみたくて、わたくしは ひとり夜へと溶けました





空を鳴らしてゆく風が 遠き山端(やまは)を吹き上り


木々を揺らして葉を鳴らし どこか遠くへ消え去れば


夜は密度が降下して いっそ静かになりました



風にはなれぬ、わたくしは 連れ去る腕を見失い


夢を抱えて立ち尽くし いっそ無力になりました





海を登りてくる月が (しずく)を海に滴らせ


月を宿したさざ波は 消えるでもなく打ち寄せて


鈍き光を砂浜に 散らしてくれておりました



波にもなれぬ、わたくしは 想いを乗せる満ち潮に


あずけることもためらわれ いっそ哀しくなりました





空には月を避けるよう 片端に星があつまりて


月には言えぬ、ささやかな 願いを値踏みするような


言葉とならぬ囁きの 光が揺れておりました



星にもなれぬ、わたくしは 流れる星に見惚れては


願うことさえ忘れいて いっそ悔しくなりました





秋の夜長は、温もりを 満たし行くには淋しすぎ


澄んだ空気と諦めを 胸に満たしてわたくしは


ひとりで夜を去りました





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