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4.ルージュとマオ

「マオ、これで言葉が通じてるって分かってもらえたかしら?」

「は、はい」

「ふふ。最初は皆、同じ反応をするのだけれど……分かってもらえて良かったわ」



 ルージュさんは、私の言葉が分かる。これは信じていい。そうじゃないと辻褄が合わない。


 言葉が通じるのならたくさん聞きたいことがある。



「あの、他にも質問があるんですけど……いいですか?」

「ええ。なにかしら?」

「ここってどこなんでしょうか? 気がついたらここにいて……全然分からないんです」

「あら、そうだったのね。ここは王宮よ」

「お、王宮!?」



 いや、ロールのプロフィールに王子って書いてあったから、そうなんじゃないかとは多少は思っていたけど!


 いきなり王宮……の庭? で目を覚ますってありえないでしょ。これもゲームの世界だからなのかな。


 そもそも王宮ってどんなとこなんだ? なんとなく王様がいるところっていう認識なんだけど、それで合ってるのかな?


 ゲームだとなんか違う設定あったりするかな。魔物? いるらしいし。そういえばロールのプロフィールに戦いがどうのって書いてあったし……。



「……王宮、ってどんなとこなんですか……?」



 迷った挙句、ルージュさんに聞いてみた。ルージュさんは特に顔色を変えることもなく、さらさらとよどみなく説明してくれた。



「王宮は、王様やその一族がいるところよ。あとそれに仕える使用人。元々はそれだけだったのだけれど……魔物の出現で、今は各国から招集した知識人や魔法使い、武道や剣術に長けた人達もいるわ」



 かなり詳しく教えてくれた。これ、多分乙ゲーの世界だから全員男なのかな。めちゃくちゃキャラクターいそう。


 あと、さっきから度々出てくる魔物ってなんなんだろう。



「魔物については知っているかしら?」

「い、いえ……」



 タイミングよく聞いてくれた。知らないと答えれば、それも説明するわね、と言ってまた教えてくれた。



「魔物はね、突然変異した動物やモンスター達の総称なの。これまで友好的だった彼らが、何故か急に人を襲うようになって……。そんな魔物達を駆除したり人を襲わないように無力化したりするために、王宮に呼ばれた人達は動いているわ」



 魔物ってそういう感じなんだ。ゲームだと、魔王がいて、魔王軍とかが襲ってくる感じだと思ってた。だからてっきりそういう系かと思ってたけど違うんだな。



「他にも何か……あっ」

「どうしたんですか?」

「他にも何か分からないことがあれば聞いてと言おうとしたのだけれど、目的地に着いてしまったから」



 ルージュさんは口元に手を当てて小さく苦笑した。


 目の前には何の変哲もない扉があった。どうやらここが目的地らしい。

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