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第39話 別れの一本

仲間の尖田は



馬山駅で客を降ろして



飲み屋街を



ゆっくり流していた。



まだ明るいが



夕方に近く



それぞれの店が



これから仕事を始めようとしている時間だ。



繁華街だけあって



人通りは多い。



ふと



見ると先のほうに



「おー」



と目を引く



真っ白な足が



超ミニのスカートから



スラリと伸びている



金髪女性のうしろ姿を



発見した。



尖田は女と見れば



どうしても



チョッカイを出したくなるくせがある。



追い付こうと



急いで車を飛ばしたが



女性は路地を曲がってしまった。



車がそこへたどり着いたときには



人込ひとごみにまぎれて



向こうのほうへ



行ってしまっていた。



「まあいいか。」



尖田は気を取り直して、



南口に回ろうと



東の踏み切りへ向かった。



道路は



夕方のラッシュの時間帯で



混んでいる。



踏切の手前に差し掛かったとき



遮断機が降りてしまった。



電車も本数が増えている時間だ。



踏切がなかなかかない。



人も車もイライラしながら



遮断機しゃだんきが上がるのを待っていた。



ここは



JRと私鉄両方の踏切が続いている。



一つの踏切でも大変なのに



二つもある。



ここは車の量が多い割りに



道路が曲がりくねっていて狭い。



だから



ラッシュのときなどは



人も車もひしめきあって



混雑してしまう。



尖田は



踏切から二、三台目のところに



止まっていた。



しかし、



遮断機の横で



先程さきほどから



そわそわしている



おばあさんが気になっていた。



目が定まらず、



何かにおびえて



焦点が定まらない。



心ここにあらずという様子だ。



どうしちゃったんだろう。



何か



いそがなければならないことでも



あるのかな。



と思って、



見るともなしに見ていた。



やっと



電車が走って来て



踏切を通過している。



突然、



何を思ったか、



うしろ向きになったおばあさんが、



はいているスカートをたくし上げ、



バンティーを



途中までずり下げると



お尻を突き出して



中腰になった。



お尻の穴が丸見えだ。



尖田は目がくぎづけになった。



そのとき、



おばあさんの尻穴が



盛り上がるようにふくれあがった途端、



スローモーションになって



それを押しけるように、



ズルーッ



と太い一本糞いっぽんぐそが、



長く垂れ下がって



ボタリと下に落ちた。



気づいた周辺の人達が



驚いて



ワッ



と距離をけたが、



同時に



サッ



とおばあさんはスカートとパンティーを



元通りにしたかと思うと



何事もなかったかのように、



電車が通り過ぎて



遮断機が開いた



踏切を渡って行った。



0コンマ何秒かの



早業はやわざだ。



尖田はおばあさんの



ふくらんだお尻の穴を押しけて



スローモーションで、



うんこが姿をあらわすところが



トラウマになってしまった。



ご飯を食べているときでも、



テレビを見ているときでも、



何をしているときでも



繰り返し



頭の中でリピートしていた。



仲間が集まったときに



その話しが出た。



タクシー乗務員は



全員うんこではつらい想いをしているために



おばあさんに同情して、



「駐車場の柱の陰でするとか、



もう少しなんとかならなかったのかね。」



と話したりしていた。



すると



東京でタクシーをやっていた下畑が



「東京でタクシーやってると



トイレを探すのが死ぬ想いだよ。



俺なんか



何回もらしそうになったよ。」



と言った。


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