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死神の飼い猫ぷらす  作者: 稲狭などか
2/14

世界中がドライブ

某警察でみんなのヒーローとは無関係です

 現在上空より確認できるのは、パトカーに警察の特殊車両が高速道路を爆走している様子。

 それらが追いかける先に見えるものは、黒い車数台に、その車列の真ん中を走る。

 戦車。

 高速道路を戦車が爆走していた。

 ヘリで様子を見ている警察官はまるで意味が解らないと言った感じに首を傾げる。その時だった、突如二つの人影が戦車に乗り移った様に見えたが、警察官は確信が持てずに何も言わずにその場に待機した。

 その直後にハッチから乗組員であろう人物が道路に放り込まれた。

 警官は直ぐに後続のパトカーに情報を提示した。



「戦車! ねえ、戦車!」

「言われなくても解るんだなー、それが」


 戦車に乗り込んだ加々美と宗次郎は中にいた乗組員を瞬殺すると、ハッチから外へとポイしていた。喜々として加々美が操縦するためにハンドルを握るが、時速100キロほどの鉄の塊の制御は難しいのだろうかコンクリートの壁に装甲を削ってしまう。とんでもない魔法可動のエンジンだ。


「戦車が卸される!」

「落ち着け! 逆に壁を卸してる! このままだと壁から下に降ろされる!」

「言っとる場合か! ぺれれれれれれ! んー、いよいしょお! よし、真ん中に戻ったね」

「今の掛け声が謎過ぎる! この状況も相まって自分草いいっすか?」


 どうやらこの戦車を操縦していた奴も本格的な操縦は出来ない様だ。

 確実に普通の戦車と違って操縦が簡単になっている。殆ど車と変わらないだろう。宗次郎は辺りを見渡すが、何が何だかさっぱり解らないと言った感じだ。とりあえず真ん中にある砲身の装填部位を叩くと何かが作動した音が聞こえた。


「ん? 宗次郎? 何かした?」

「いや、この邪魔な砲身叩いたら」


 その瞬間に前方を走るバンが吹き飛んで火柱が上がる。


「うお!」

「なんでやねん!」


 加々美が関西人の様な事を言うが、目的自体がこの戦車を奪った連中の完全殲滅だから計画自体は狂ってはいない。

 戦車を奪ったテロ集団を吹き飛ばす目的で来たが、どうやらとんだじゃじゃ馬を引き当てた様だ。

 宗次郎は仮面で解らないが顔を青くしているのだろう。


「待って止めて! やばいって! こんなの止めて早く外の連中早く倒そう!」

「何言ってんの? こんなの遊ばない手は無いでしょうが! アクセルもっと踏めそうだね、最近の戦車ってすごいね! 最高速度がう~ん、150キロだってさ!」

「バカバカバカ! 俺も作るけど! 変なの作るけど! これはバカ過ぎぃ! 死ぬって!」

「いやっほおおおおおおう! イエァ!」


 戦車は更に加速すると、隣を走る車に体当たりすると派手に車は爆裂する。どうやらこの戦車の装甲は爆発反応装甲を使用している様だ。


「ばぁああああ! ばらららららら! 爆発反応装甲だぁああああああ! 何でこの日本にこんなクソ兵器しかもここトレライ・ズ・ヒカイントだぞ! あ、トレライ・ズ・ヒカイントか」

「そうそう、おかしくないよね。あ、サービスエリア寄る?」

「ねーだろ都心に!」

「そうだね! うへへへへへ! 急停止にご注意下さーい!」


 加々美は叫ぶと戦車のハンドルを切ってその場でぐるりと戦車をスピンさせる。その時に凄まじい衝撃と共に前方へと敵の車が吹き飛んでいく。


「いやぁあああ! 後方からジャンピングマイカー! 世にも不思議な空飛ぶ車ぁあああああ!」

「ヤベーイ! 宗次郎、これ持って帰っていい?」

「ダメ! こんなに高速で動く質量の塊なんか認めません!」

「私はこれより早く走れるんだけどね、正直な話! パワーも志雄ちゃんには負けるしね!」

「閉鎖空間な上に、この戦車が爆散したら俺達でも死ぬ!」

「私と死ぬのは、いや?」


 加々美が可愛い声を出すが、宗次郎は即答する。


「嫌だ! 独りで死ね!」

「酷い! まだパコパコしてないのに死ねない!」

「そんな事ばかりだから独り身なんでしょうが! って前前! 前を見ろ!」


 前には先回りしていた警察官たちが道を塞いでいた。このスピードだと止まる事は不可能だろう。宗次郎の千里眼が無いと対策も出来なかっただろう。

 

「やべぇ! あのバカ共! 死にてぇのか!」

「宗次郎! プランBで行こう!」

「何だっけ?」

「みんな頑張れ!」

「ヴェアーカ!」


 宗次郎は叫ぶと魔法を戦車の下に発動させると風邪で戦士を前に傾かせる。

 そして加々美が砲身を叩く。すると、主砲から砲弾が発射されて道路に穴が開く。その下には川が流れていた。

 戦車はその穴に勢いで突っ込んでいく。操縦席は一瞬の無重力状態の後に突き刺さるように川に突っ込んだ。

 

「最悪だよ! うわぁ水がぁ!」

「加々美ちゃん! 脱出するぞ!」


 宗次郎はハッチを魔法で吹き飛ばしてそこに加々美を押し上げると、彼女に続いて脱出する。

 周りには後続だった敵の車も落下している。どうやら後方にいたパトカーにやらは道を塞ぐことを聴いていたからスピードを落としていたのだろう。上から覗き込んでいる。

 敵の方も車から出ると銃を宗次郎と加々美に向けるが、直ぐに宗次郎が放った矢が額を貫いて川へと沈んで行った。


「はぁ、この連中も手広くやるからな。死体の回収は止めるか、強い奴はいなかったからな」

「ふぅ、疲れた。しかも夜通し追跡してたから今本当の早朝だよ?」

「そうだな。ったく、戦車でここまでビビらせられるとはな」


 2人が沈みゆく戦車の上でそう話していたら、ヘリが低空飛行で橋の下に降りて来た。

 そのヘリは2門のガトリングガンに小型ミサイルを搭載し、橋の穴からは完全武装の特殊部隊が降下して来る。

 コイツらなんでこんなチンケなテロ集団に苦戦していたのか解らない武装をしている。


「GOGOGO!」

「いたぞー! 撃てー!」

「銃身が焼けるまで撃ち続けるんだ!」

「FIRE! FIRE! FIRE!!!」


 宗次郎と加々美は顔を見渡すと、全速力で逃げ出した。宗次郎は飛んで、加々美は川を走って逃げる。


「ここはアメリカか! ま、マジの顔してる! いきなりLEVEL99だ!」

「あはははは! や、やばいもう笑う! ま、マシンガンだ! それに、武装ヘリ! あはははは!」

「突撃ー!」


 境界の人狼と魔眼の闇鴉は、朝霧の中を死に物狂いで国家権力LEVEL99から逃げていった。

 こうしてトレライ・ズ・ヒカイントはいつもの1日をまた始めていく。

このあと逃げきったけど、

コンビニから逃げて来た正明とすれ違った

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