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先頭ダングの松明と湿った岩肌を頼りに俺たちはダンジョンの奥へと入っていく。

「ちょい待ち……〈アイテムスキャン〉」

ダングはこうして、時折地面を触り何かを確認していた。

「罠や……」

ダングが少し行った先の側壁を叩くとボロボロと土が崩れる……その中を探り、クロスボウを取り出した。

「シェルビ……持っとき……」

ダングは人伝いにクロスボウをシェルビに渡すと再び歩き出した。


「この一本道を進んだ所に剣と盾……それに鎧が3組立ってるわ……」

「よし、ダングは俺の後方に……」

ダングと入れ替わり、ワッツは先頭を歩く。


一本道を進むと少し開けた場所に出た……そこにはダングの言った通りの装備をして、3匹のゴブリンが立っている。


「ギャオギャオ!」

3匹のゴブリンはいきなり襲いかかってくる。

一体のゴブリンはワッツと斬り合い……ワッツの背後に回り込もうとしたゴブリンとナイフを構えたダングが応戦した。

もう1体はワッツ達をスルーして走ってくる。


ゴブリンの動きは酷くたどたどしい……サソリの動きに比べると遅すぎる。


俺は薄暗い部屋でもその動きがハッキリ見えていた。

俺が槍をゴブリンに向けて繰り出す。

ゴブリンは慌てて盾で防ごうとするが、槍は簡単に盾を貫通し胸に刺さる。


俺は盾を構えられた瞬間、防がれる事を想定して力を弱めたが、俺の意に反して槍はゴブリンを貫通してしまった。


槍を引き抜くとゴブリンは唖然と俺を見ていた……一拍置いてゴブリンの表情に苦痛の色が広がっていく……

苦しませてはいけない……

そう思い、俺はすぐにゴブリンの頭に狙い定めて槍を繰り出した……

反射的にゴブリンは槍を剣を当てて弾こうとするがその弱々しい剣圧で、槍の軌道は変わらなかった。

「ギャッ!」

「ジャイロくん、凄いじゃない!」

背後で何かの瓶を投げようとしていたシェルビは声を掛けてきた。

「ちと物足りなさそうやな……自分」

前方を確認するとワッツとダングも既に戦闘を終えている。

シェルビはゴブリン達の魔力を回収し、ダングはゴブリン達の装備を見てはポイっと捨てていた。


「ゴゴゴゴゴ……」

「なんだ?」

突然地響きがなり、天井からチリが落ちてくる。

急いでダングは辺りを確認した。

「あかん!ゴブハネムーンや!数は数え切れんが、大量に!来るで!」

「なんだと?まだハネムーンには……」

「そうや!早いんやけど……この数はそれ以外で説明つかへん!」


一体何のことだろう……

「ジャイロ!シェルビを頼むぞ!」


目の前の穴からゴブリン達が次から次へと出てくる。

「うぉぉぉ!囲まれた!ダング!背中に来い!」

ワッツとダングはその穴に向かい、ゴブリンを斬り伏せていが、数が多くて彼等の姿は直ぐにゴブリンに埋もれて、声しか聞こえなくなっていった。


「ジャイロくん……私だって、ゴブリン数体相手なら戦える……自分の命の事を考えて……」

槍を構えているとワッツ達に群がっていたゴブリンがこちらに気が付き、走ってくる。


やって来るのは30体……

槍のお陰でゴブリン達の防御は一切考えなくてよかった……

俺の一撃はゴブリン達の首を落とすが、まるで巣を突いた蜂のように次から次へと現れる。

「〈ダブルピアース〉!」

俺の突きは二倍の速度となり二十数体の首を落とすが囲まれていく。


その間に近寄ってきたゴブリンは牙を見せて飛びかかって来る。


俺は一撃食らう事を覚悟したが、背後から投げられた小瓶がゴブリンの顔で割れ、ゴブリンの顔がドロドロに溶けていく。

ゴブリンは悶えて地面を転がる。

それを見たゴブリン達……今度はシェルビに襲いかかる。

「〈チャージ〉!」

俺がシェルビに襲いかかるゴブリン達を横から体当たりすると、ゴブリン達は吹き飛んで壁に激突した。


「おい!シェルビ!大丈夫か!?……ぐぁ!」


ゴブリン達がまだ穴から雪崩れ込んでくるのが分かる……数に押される!


「うぉぉぉ!」

俺が再び槍を繰り出すとゴブリン達数人が貫かれながら俺の槍を止めてくる。

他のゴブリンは俺を棍棒で叩き、肩に噛み付いてくる。


「〈鴉突き〉!」

俺はまとわり付くゴブリンをジャンプして振り払い、真下のゴブリンを踏み潰した。


「ぐぁぁぁ!」

踏み潰した側から他のゴブリンは俺の足を掴んで太ももに噛み付いてくる。


俺の足にポーションが投げられ、痛みが消えていく。


「ジャイロくん!あと10体いける?」

シェルビはゴブリン達から逃げながら魔力を回収していた。

少し回復した俺はまとわり付くゴブリンを斬り払い、シェルビの前に降り立って距離を取った。


シェルビを襲おうとしているゴブリン達に真っ向から突撃する。


「〈チャージ〉!」

俺は出来る限りゴブリン達を蹴散らし、16体ほど弾き潰したところで勢いは止まり、ゴブリン達は殴り掛かってくる。


槍で応戦するが、魔力を使い果たしたのか…身体中の疲労感とゴブリンの死体が邪魔過ぎて思うように動けない。

近くに居たゴブリン達は俺に注目し、四方八方から殴りかかって来る……もはや、衝撃1つ1つが、どこをどう叩かれたのかすらわからない状態だ。


「出来た!〈ポーションシャワー〉!」

広場の中央に浮かぶ巨大な液体の球……その球から4つのチューブが伸びて、その一本が俺の首筋に刺さる。


「痛っ!」

首筋に強烈な痛みが走った後……みるみる体力が回復していく。


「よし!穴からゴブリン達が来なくなったぞ!」

「うぉぉぉ!行けるで!」


俄然元気になった俺は槍を振り回し、残りのゴブリン達を斬り伏せていく。


「いやーマジで危なかったな」

「ホンマ死ぬかとおもたわ」

1時間後、広場には積み重なった大量のゴブリンの死体と満身創痍の俺達がいた。


ユーゴのストック

岩………8立方

粘土……4立方

鉄…0.5立方

木材……1立方

肉……0.8立方


所持金32G2032s8000b


ジャイロのスキル

鴉突き

ダブルピアース

チャージ

シュトロームスライス

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