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ワッツの操舵する馬車に揺られながらダンジョンを目指していた。


ダンジョン迄、片道2時間かかるらしい……

ダングは自分のナイフを布で磨き、シェルビは鞄の整理をしている……

俺も何となく店長から託された槍を眺めていた。


「ところで……ジャイロはんは、元貴族かなんかなん?」

「え?いや、普通に野良仕事を手伝う村人だったよ?」

「そうかぁ……気を悪くしたら堪忍な……別に散策したいわけやない……ただ、新入りが持つには大層な槍やなおもて」

「そうですか……?」

何だろ……この感じ……


ワッツは手綱を引きながら笑っていた。

「クック……おい、ダング…回りくどいからジャイロが何事かと不審がってるだろうが、見せて欲しいって正直にいえよ!」

「そうやな!ワイが悪かったわ、ジャイロはん…その槍見してーな」


俺はダングに槍を手渡した。

「ほぉ〜……やっぱりや、レプリカか?」

「ジャイロくん、ダングって可笑しいでしょ?彼は商人の息子だったのよ」


「そうや!まぁ商人の息子っちゅうても次男坊でな……まぁ稼得は継げんかったんや」

「だから未だに彼は一級品らしき物を見ると調べたい衝動に駆られるらしいのよ」


ダングは槍に巻いてあるグリップを外して何かを確認していた。

「一般的な素材やが、豪胆に鍛錬してあるのぉ……ジェノス・ジョーカー……やと?ジョーカー……これは鍛冶貴族の槍やないか……いいもの見してもらたわ、おおきに」


「へぇ〜」

俺は返して貰った槍をかざして眺めてみた……

まぁ…普通に槍だ……


「まぁでも普通の村人か……」

「ワッツは親近感わくんとちゃう?」

「ああ!俺も農民だったからな……という事はこの中で一番、将来有望なのはシェルビだな」

「え〜?私もただの見習いよ」

「ははっ!謙遜すんなよ、それでも一人前になれば冒険者をやめて店を持つんだろ?」

「夢はそうだけど……現実はねぇ……ジャイロ君は夢とかある?」

夢……か、改めて聞かれると何だろう……

「そうですねぇ〜……金を貯めて…ユーゴと農民でもやろうかな」

「何だよジャイロ!お前また農民に戻るのか!こりねーな、俺はこりごりだぜ!アハハハハ!」

「ホンマやな!」

「ハハハ!そういう生き方しかして来なかったからなぁ」

みんなで笑い、馬車の中は暖かい雰囲気で包まれた。


「ふふふ……ジャイロ君…ところでユーゴさんって例の相方さん?」

「そうですよ?」

「相思相愛なのねぇ……」


暫くしてワッツは馬車を止めて降りた。

「ジャイロ、あれがダンジョンだ」

ワッツの指の先にはレンガでしっかり補強された横穴が存在していた。


辺りがは森なのでそこだけ人工的で浮いている感じだ……一体誰が補修してるんだろう?

「思ってたより……人工的だね……」

「入り口付近は定期的に補修して分かりやすくしてるんだ……だが、気を抜くなよ?ダンジョンは強力な魔石が地中深くに埋まってる場所に出来る……」


横に並んでいた俺とワッツの肩にダングは手を乗せて横に顔を突き出した。


「そうなんよ、その魔石は強力な魔力を常に垂れ流しとってな……魔力の影響でダンジョンの下層に下がれば下がるほど知能や力の高いモンもおるし、ダンジョン内のゴブリンさえ外のモンとは別物や」


「まぁよ……死なねーよーに、頑張ろうや!…ダングは何時ものように先頭を頼む」

「よっしゃ、任せとき!」

「小物は各個撃破でまぁ良いとして、

大物が来たら俺が基本抑えるからな、

ジャイロは隙を見て止めを刺しにきてくれ……

最後尾はシェルビな……

ジャイロにはその護衛も任せたい、

あまり後方から襲われないようにはするが、

もしそうなったら止めより、そっちをメインに動いてくれ」


「わかった……」

「よろしくね!」

シェルビは俺の背中をポンと叩いた。


「よし、じゃあ行くぞ!」

俺達は馬車の前にダンジョンに入っていく。

ユーゴのストック

岩………8立方

粘土……4立方

鉄…0.5立方

木材……1立方

肉……0.8立方


所持金32G2032s8000b


ジャイロのスキル

鴉突き

ダブルピアース

チャージ

シュトロームスライス

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