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嫌いな人には残念かも知れないお知らせ

ほぼ説明話です

「さて、行くかな」

飯を食い終わった俺は立ち上がって、テーブルに立てかけてあった槍を持って出ようと思っていた。


「あれ?」

足に力を入れて一度上げた尻が再び椅子に落ちる。

『Master?』

「いでっ!」

槍を杖代わりにしてやっと椅子に別れを言うことができた。


身体中が痛いが、一刻も早くお金を貯めなくては……俺はカクツク身体を無理矢理動かし、やっとの事でギルドに入る。


「た……ただいま」

「ジャイロさん、どうかしました?」

「いや、筋肉痛で……」

「ここに座りますか?」

「いや、座ったら立ちたくなくなるから……」

「そういえばジャイロさんのギルド章が出来ましたんで渡しておきますね」

「はぁ……」


受付から木製のネックレスを受け取り、それを身に付けた。

「これって何でしたっけ?」

「冒険者はS〜Gの冒険者に分類されます……

F〜Gの昇格、降格権は各ギルドが保有し、

E以降の昇格、降格は依頼主からの推薦…又はギルドの推薦後に調査機関が書類や経験等を審査して決定します……

今回貴方は依頼を一つ以上達成したのでGランクに昇格しました……

これでソロでも一部の難易度FとGを受けれるようになりました……

もちろん上位の冒険者の動向があればもっと上位の依頼も受けることが出来ます」


なるほど……確かにギルド章には大きくGの文字が焼印されていた……今日はまだ野草を摘むので関係ないと思い掲示板に向かって歩いた。


掲示板の野草採取の依頼書に大きく×が書かれている。

「え?」

「ああ…そのクエストは大量に達成した為に相場の変動を考慮し、今日は打ち切りました」


相場?……よくわからないけど、受けられないことは理解した。


依頼はゴブリン村やオークの討伐系……森に棲むドクターフロッグやマジックシュルームの採取等いろいろあるが……できれば初めての依頼は万全の状態で受けたいとも思った。


「君に特別任務を依頼したいんだが……良いかね?」

「あっ!ギルド長!」

「へ?」

「申し遅れたな……私はこのギルドの長をしているセス・ジルコニアと申します」

「どうも…ジャイロです」


「君に頼みたい依頼はスキル鑑定と抽出なのだが……」

「スキル?って?魔法みたいなものですか?」

「ハハハ!君はまだギルドに所属して数日だから知らないのも無理もないよな……

魔力は誰の中にも存在するのだ……


そう、君の筋肉や思考もそれが原動力なのだよ

魔法を使えるものは生まれつき魔力を炎や氷適性に変換している人達だ……


彼等はそれのみに特化し、筋肉等に割く魔力が少ないのだ、彼等の筋肉量等が少ない傾向があるのはその為だな……


例外的に魔力の総量が高く、筋肉量と魔法力が総じて高いバケモノみたいな奴も高ランクには存在するが、それは今は良いだろう……


一方のスキルは道具や武器や行動で一定以上の練度の末、覚えることのできる技術なのだ……

例えば槍を天賦の才を持つ者が使うとしよう……練度が高まる内に一時的に魔力を変換し、炎や氷あるいは風を含んだ特別な斬撃を繰り出せる様になる……

それをスキルと呼んでいるのだ……

だが悲しい事にそのスキルすら覚える事が出来るのは一部の天才なのだ……

それを常人にも使える様にするアイテムをスクロールと呼ぶ、スクロールは天才の体から魔力を変換するコツをコピーして書き記したもので、凡人にも覚える事が可能になるのだ……まぁそれ相応の練度は必要だがね」


「はぁ……それで俺に何の関係が?」

「私は君は野草採取に特化するスキルを保有しているのではと考えているのだよ……どうだね?経費はギルドが負担しよう……協力してもらえないか?」

「多分、俺にはそんなスキルは無いですよ」

「ハハハ!気にすることはない……スキル鑑定師とは月の契約だからな……それにもしスキルを保有していれば著作権を与えられる…性能によってはもう働く必要も無いな」


「良いですけど……期待はしないでください」


ギルド長は大腕を振って道を歩き……俺を古めかしいスクロール屋に案内した。


「ダメじゃな…」

「そんな馬鹿な!あの採取量なのだよ?」

「そんなこと言ってものぅ…トリプルチェックしてダメなんじゃから仕方なかろう……」

「そうか……」

分かっていたことだが結果はダメだった……採取量にはウーゴという理由がある、スキルの訳がない。


「ジャイロ君……ご苦労だった……これが報酬なのだよ」

「なんか……すみません」

「良いのだよ……」

ギルド長は俺の肩を叩き、10s手渡すとトボトボと店を出て行った。


「ホッホッホ!気にすることは無いぞい?お若いの……どうだね、商品を見ていかんかね?」

お爺さんに促され、飾られている紙を見回したが、すべて白紙に見える。


「どうさね?読めるものはあったかい?」

「どれがスクロールなんです?」

「全てじゃよ…読めないと言うことはどの練度も足りないということじゃねぇ…ヒッヒッヒ……槍の練度なりを上げてまたおいで……」


「わかりました……」

……スキルか…

宿屋に戻り、夜食後に床についた。


……明日は討伐系の依頼を受けてみようか

その日は強くなりたいという欲を抱いて寝た。

ユーゴのストック

岩………7立方

粘土……9立方

くず鉄…微量


所持金5605s8000b

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