6話 A ray of hope
フラグ多めでお送りします。
-サリアside-
そこは明るく少し眩しくも感じる空間、そこにふぅ、と疲労から来るものではない、なにか事を成したような満足気なため息と共に玉座に腰を下ろす女性の姿があった。
「ようやく、一段落か」
そう言った後、一人の若い男性が玉座の前に跪き質問を投げ掛けた。
「あれでよろしかったのですか?」
「あれ、とは?」
「あの人間に神器を渡したことでございます」
「大丈夫だ、それに時間ももう無い、大きな賭けになるが...奴らを滅ぼせるなら神器の一つや二つ、惜しくもない」
するとサリアはさっきとは違うため息をつき、その腰を上げ言い放った。
「いづれ時が来れば、お前達にも詳しいことを話す、今は私にもお前達にも出来ることは何一つない」と
-サリアside out-
-桜華side-
「あ~、この道中どうにかならないか?」
「あと少しなの、もう少しくらい我慢するの」
「いや、それ二時間前も言って無かったか?」
「どのみちもう日が暮れてこのまま進むしか道は無くなったの、桜華と私は結界張れないし、いつ魔獣が襲ってくるか分からないような危険な場所で野宿出来る筈がないの」
「ん?それって寝床と結界があれば野宿出来るってことだよな?ん?違うのか?」
「か、顔近いの...野宿出来るから取り敢えず離れて欲しいの」
アリスがそう言うと桜華はガッツポーズしながらヨッシャ!と叫んだ。
「でもどうやって結界を張るの?」
至極当然の質問である、桜華は結界の張り方を知らないし、それに付け加え魔力が無い、完全に詰んでるとしか言い様のないこの状況で桜華が出した答えは...
「そんなの決まってるだろ?帝之剣に任せる!」
そう言うと桜華は帝之剣を地面に突き刺し「ふんっ!」とその柄を通じて念を込めるようにし、暫くすると手を放した。
「どう?結界張れてる?」
「え...嘘...」
「お、その反応は張れてるっぽいな、ダメ元だけどやって良かったぜ、あとは土を操って...ほい、簡易テントの完成」
そう言うと桜華は土で出来た簡易テントの中に入り、寝息を立て始めた。
「あの剣...一体どういう仕組みなの...?」
余談だが、今日の出来事がまだマシだと思う日が来ることをアリスはまだ知らない。
不定期ですが、頑張ります。