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ロウソクの炎が揺れている石造りのリビングに残された少女達に無言の一時が襲う。
最初に口火を切ったのは、やはりイヤナ。
「今日は夜更かししたいなぁ。ここでの思い出話をしたい。取っておきのお茶を飲みながら、さ」
「良いね。付き合うよ」
笑顔で頷くサコ。
ペルルドールも少女らしい笑みを零す。
「わたくしも参加しますわ。自室から予備のロウソクを持って来ます」
「なら、イヤナとサコは簡単なお茶受けを作って貰えるだろうか。お茶は私が淹れよう」
入院時のヒマ潰しで美味しいお茶の淹れ方を研究した事が有るセレバーナが自信の籠った笑みを見せた。
「任せて。お砂糖を贅沢に使っちゃうんだから」
腕まくりしながら立ち上がるイヤナ。
サコとペルルドールも感慨深く立ち上がる。
こうして四人で過ごす最後の夜が更けて行った。




