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円卓のヴェリタブル  作者: 宗園やや
第六章
180/333

8

「さて。『試しの二週間』の二週目です。体調と気力は万全ですか?」


師に訊かれ、門前で整列している少女達は一斉に頷いた。

ここ数日の気温は微妙に高めで不快だが、具合が悪くなるほどではない。


「セレバーナ。貴女は特に体力が心配されます。大丈夫ですね?」


「はい。何の問題も有りません」


「宜しい。では始めましょう。月曜日は何の魔法が強くなりますか?サコ」


いきなり名指しされた茶髪少女は驚き、思わず背筋を伸ばしてしまう。


「はいっ!世界魔法です!」


「そうですね。しかし、強くなる一方で弱くなる魔法も有ります。それは何だと思いますか?イヤナ」


「え?えーっと。えーっと……」


赤髪少女は口を半開きにして考える。

何も思い付かなかったので分からないと言おうとしたが、イヤナが言葉を発する前にシャーフーチが助け舟を出す。


「世界魔法は心でしたよね?心の反対に位置する物が弱くなるんです。それは何でしょう」


「こ、心の反対、ですか?うーんうーん……。心が無い物。生きていない物、でしょうか?」


「そうですね。ペルルドールは何だと思いますか」


「世界魔法は物を知る事でもありましたわ。となると、知識を得ようとしない事、でしょうか」


「それも正解ですね。知識を得ようとしない魔法とは何でしょうか。セレバーナ」


「物を腐らせる汚穢魔法。ただの現象である光線魔法。このふたつが候補でしょうか。時間、生命、地面は学ぶ所がありますね。空気は、どちらでしょう」


頷いたシャーフーチは、少女達を見渡す。


「結構。――みなさんに試して貰う魔法は、強くなっている魔法と弱くなっている魔法の同時行使です」


「同時行使?」


小首を傾げるペルルドール。


「そうです。複数の魔法を混ぜれば、より高度な魔法を使う事が出来ます。七つの属性に縛られる事もなくなります」


シャーフーチはペルルドールに視線を向ける。


「ただし精霊魔法を混ぜるのは禁止です。魔法の系統が違うので当然ですね。今後も絶対に女神魔法と精霊魔法は混ぜない様に。何が起きるか分かりませんので」


「はい」


「同時行使が出来ない事が失格の条件なので、自由に組み合わせてください。固定概念に囚われてはいけません。これからは貴女達の発想力を見せて貰います」


灰色のローブに包まれている両手を広げ、笑むシャーフーチ。


「世界魔法の真逆が汚穢魔法だと思うのならば、そうしてください。光線魔法だと思うのなら、そうしてください。では、どうぞ」

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