あらすじ・イメージイラスト
長耳族の一家の末妹として生まれた丸耳の「ぼく」。
彼女は、家族から忌み嫌われ、村の飢饉の末に捨てられる。
そして同じく捨てられていた友人に殺されそうになり、気を失った。
―気が付くと知らない女性の膝の上にいた。女性の話で、自分がバニアという名前であり、家族と友人を恨んだ末「地界」という地獄に落ちてしまったことを理解した。
ここは地獄だが、いずれここを緑あふれる楽園にしよう…と夢を語られ、バニアは彼女を強く慕うようになる。
アネモネと名乗ったその女性に連れられ、地上に舞い戻ったバニアは、自分と同じく世界を恨んで歪んだ少女「コークス」と出会う。
コークスと共に地界に戻ったバニアは、「議事堂」と呼ばれる廃墟で暮らすことになる。
ふたりは、「ルカ」と「ノギ」という仲間と仲良くなる。
ルカはアネモネに反抗しており、バニアにあることを教えてくれた。
アネモネは仲間ではない。彼女は「堕天使」であり、自分達は「悪魔」なのだ、と。
希望に満ち溢れたアネモネと、薄汚れた自分を比べて、確かに自分と彼女は違うと意識するものの、それでもアネモネを慕いたいと感じる。
アネモネは地界に法を作ろうとしていた。生前の罪は問わないが、地界に落ちてからの罪には厳しく対処していた。
現在の地界の法は、単純だ。
「アネモネの許可なく、地上に行ってはならない」それだけだった。
時は流れ、アネモネは多忙によりバニアの相手をしてくれなくなる。暇を持て余したバニアは、彼女に反抗し、こっそり地上に出る計画を立てる。
自分を捨てた家族は、きっとみじめな末路を迎えたはず。どんな末路を迎えたのか、気になってしまったバニアは、生前暮らしていた村を探すが、そこにあったのは…認めたくない事実だった。